画像電子学会研究会講演予稿
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画像電子学会第295回研究会講演予稿
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
  • 藤永 大季, 多田村 克己
    セッションID: 20-02-01
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    スマートフォンやタブレットなどの携帯端末の性能向上により,AR などの計算負荷の大きい機能 も実用的な応答速度で利用可能となった.一方,国内外の旅行客を地方の観光地に誘致する手段として,ICT を活用す る事例が多くみられている.特に現存しない歴史的建造物を CG により復元し,これを仮想現実感(VR)や拡張現実感 (AR)技術を用いて,仮想空間中で自由に観察できるものや,現在の景観に合成して観察できるコンテンツの提供が活 発化している.本稿では,マーカーレス型 AR を用いて現存しない歴史的建造物を CG オブジェクトとして現実世界に 合成する際,CG オブジェクト自体の陰影だけでなく,それが現実世界に及ぼす影響,具体的には現実物体に落とす影 や写り込みを連動させて合成する手法を提案する.提案手法を実装したプロトタイプを,萩城天守台及び周辺を模擬 したミニチュアに適用し,その有用性を確認した.
  • 若杉 智也, Raytchev Bisser , 金田 和文, 馬場 雅志
    セッションID: 20-02-02
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    海中で撮影された画像は光の散乱や吸収の影響により,対象物の色は地上で観測した場合と異なる.対象物の表面の 色や反射率等の光学的情報を得るためには水中画像の色調補正を行うことが重要である.本研究では, スペクトルの異なる光源下に おける光の散乱・吸収現象を考慮した水中画像をスペクトラルレンダリングにより生成し, 光の散乱・減衰の影響と RGB 画像の色 調補正結果の精度を検証する.水中画像作成の際には,散乱・吸収係数の異なる 3 種類の海水タイプを用い,RGB 画像の色調補正 には,カメラの受光素子の最大感度の波長に基づく尖頭感度型係数と全波長域での応答特性を考慮した分布感度型係数の 2 種類の 散乱・吸収係数を用いる.
  • 千田 春奈, 殿谷 遥, 服部 元史, 谷中 一寿
    セッションID: 20-02-03
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    ご当地キャラクターや企業のキャラクターは人気があり,地方自治体や企業の PR に役立てられ ている.着ぐるみのキャラクター達と写真を撮る機会は従来から存在するが,イベントや PR の場でないと目にで きず,また感染症対策の観点から,距離が近くなる記念撮影は行いにくい.そこで,拡張現実(AR)技術でスマー トフォンの画面に3D モデルを登場させると,今より簡単にキャラクターと撮影ができるのではないかと考えられる. 本研究では,ご当地マンホールをマーカーとする方式と簡易逆ジオコーディングサービスを用いた GPS 方式の2種 類の AR システムを,スマートフォンと Unity,Vuforia を用いて制作し,それぞれの方式がどのような場合に適し ているかを検討した.システムが実用化されてスマートフォンのみで仮想キャラクターと撮影が行えるようになれ ば,観光の楽しみが増えるのではないかと考えられる.
  • 坂本 雄児
    セッションID: 20-02-04
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    ホログラフィの原理を用いたホロ HMD は、次世代の HMD の原理として期待されている。本稿 では、ホロ HMD の基本原理と、利点、将来性について紹介する。
  • 圓山 有利子, 橋本 航太, Raytchev Bisser, 金田 和文, 檜垣 徹, 曽束 洋平, 西本 聡
    セッションID: 20-02-05
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    形成外科における穿通枝皮弁による乳房再建手術において、プロジェクタ位置をマーカーレスで自動検出し、投影方向の制約を受けずに人体内部構造を体表面にプロジェクションマッピングするシステムの開発が望まれている.本論文では、プロジェクタに併設したカメラにより撮影された人体の画像から、体側ラインを手がかりに粒子群最適化法を用いてカメラ・プロジェクタの位置と姿勢を推定する手法を提案する.
  • 伊井 理紗子, 古田 諒佑, 谷口 行信
    セッションID: 20-02-06
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    酪農業の大規模化,乳牛が自由に動き回れるフリーストール牛舎の普及に伴い,乳牛の個体管理が難しくなっている.天井に複数の広角カメラを設置して監視する方法があるが,カメラ台数が増加すると牛舎内での乳牛の位置が把握しづらくなる.また,牛舎カメラ画像を単純に並べたマルチ画面表示や単純な合成表示では,乳牛の重複や欠落が多く発生し監視効率が低下する.本研究では,次の3つの要件を満たす牛舎パノラマ画像の作成を目指す:(a)乳牛が途切れずに写ること, (b)乳牛の重複や欠落がないこと, (c)画像間のつなぎ目を目立たないようにすること.具体的には牛舎のカメラ画像を歪み補正した上で,乳牛の個体領域を抽出し,下地となるパノラマ画像に乳牛個体を合成することで作成する.ユーザー評価実験の結果,乳牛一頭毎の見やすさ,乳牛の現在位置の確認のしやすさ,パノラマ画像としての見やすさの3つ全ての項目において提案手法が最も高い評価を得た.
  • 脇田 和希, 古田 諒佑, 谷口 行信
    セッションID: 20-02-07
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    牛舎天井に設置したカメラ画像を用いた乳牛の個体監視を実現するために、斑紋を手がかりとした深 層学習に基づく個体識別システムが提案されている.このシステムでは,個体ごとの斑紋データの収集を自動化す るため,複数のデプスカメラで撮影した RGB-D データを用いて 3D モデルを作成し,多視点画像を生成する手法を 検討している.しかし,この手法で作成した 3D モデルには,実際の乳牛にはない継ぎ目のような輝度の差があらわ れる問題がある.本研究では,この問題を解決するために,複数の RGB-D データをシームレスに合成する方法を提 案する.具体的には,オーバーラップする領域で,法線方向を考慮した距離を用いて点群ブレンディングを行うこ とで,点群の座標と輝度(色)を求める.提案法の有効性を検証するため,個体識別精度を比較する実験を行う.
  • 大上 俊, 作田 由衣子, 平原 誠, 赤松 茂
    セッションID: 20-02-08
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    本研究では,時系列データを扱う機械学習手法である隠れマルコフモデル(HMM)によって視線動作を モデリングすることで,絵画鑑賞時における視線動作と絵画に対する印象評価との間に何らかの関係があるか探る ことを目的とした.刺激とする絵画に浮世絵,葛飾北斎「富嶽三十六景」を使用し,その中から新奇性の高い絵図 を選定した.絵画印象評定時の視線動作を計測し,その計測データを時系列データとみなして HMM による分析を 行った.この結果,ポジティブな印象評価をする視線動作は,様々な領域を時間をかけて観察する局所的な視線動 作をし,一方でネガティブな印象評価をする視線動作は,短時間で広範囲を観察する大局的な視線動作をする可能 性が示された.
  • -直近の公開列車運行状況情報の反映-
    高田 大輝, 多田村 克己
    セッションID: 20-02-09
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    わが国では観光立国の実現を掲げ,コロナ禍以前は訪日外国人旅行客(訪日外客)数が順調に増加 していた.しかし,訪日外客の多くは,都市部や近隣のいわゆる定番の観光地に集中しており,地方中小都市では 伸び悩んでいる.その要因の一つに,多言語表示の貧弱さが挙げられる.公共交通網が発達していない地方におい て,運行状況に関する情報の取得はスムーズに観光をするうえで必須である.本論文では,訪日外客が地方の鉄道 を利用して旅行する際に母国語による有用な運行情報の取得を支援するアプリケーションを提案する.提案アプリ ケーションのプロトタイプを地方路線駅にて使用して有用性を確認した.
  • 川原 守玲那, 平野 晃昭, 髙橋 大介, 中屋敷 かほる, 岡本 教佳, 立野 玲子
    セッションID: 20-02-10
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    タイピング学習の初歩は,ホームポジションを体得することである.しかし,初学者はホームポ ジションでない独自の運指で入力する傾向がある.こうした癖が一度ついてしまうと,それを自身で直すためには 強い意識をもって矯正する必要が生じる.本稿は,ホームポジションによる正しい運指を矯正することを目的とす る.そのために,2 つのシステムを提案する.1 つ目は,正しい運指で入力されているかを自動的に判別する運指判 別システムである.2 つ目は,被験者に正しい運指を容易に習得してもらうことが可能なタイピング学習ゲームで ある.実験では,タイピング学習ゲームを計 3 回プレイした被験者 14 人にそれぞれ計 1800 文字を入力させ,被験 者平均 26.5%の運指改善効果が測定された.
  • 児玉 明, 三島 雪野
    セッションID: 20-02-11
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    複数品質映像配信システムにおける優先度推定法を利用したキャッシュ型映像管理法が検討されてい る.これまでは,キャッシュサーバにおける時間経過に対するキャッシュ効果の評価に留まっており,また,利用 者の行動に伴う映像利用変化についての検証が不十分であり,実用上の課題があった.そこで我々は,映像利用予 測を用いた,映像管理方法を提案している.本稿では,簡易な一日の人の行動及び嗜好モデルを設計し,映像種 別,映像数などの映像利用モデルと組み合わせた評価モデルを構築し,各映像利用に対して,同時に複数のキャッ シュサーバでのキャッシュ効果がどのように変化するかについて検証する.特に,シリーズ映像を考慮したキャッ シュ映像管理手法を提案し,シミュレーション実験により,キャッシュヒット率における有効性について考察する.
  • 齊藤 司馬, 大井 翔, 佐野 睦夫, 佐々木 啓輔
    セッションID: 20-02-12
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    近年では,注意喚起や技術の発展により労働災害は減少傾向にあるが,労働災害の中でも作業者の注意不足が原因でヒヤリハットを感じたり,外国人労働者に工場内作業の指示がうまく伝わらず,労働災害を起こしてしまうなど,労働災害の原因はヒューマンエラーであることが多いという問題がある.本研究では,動画解析技術を用いて工場内作業における異常状態の検出と予測を行う.具体的には,認知負荷課題の有無によって,注意状態の低下を疑似的に作成し,作業中の異常状態を骨格情報と画像情報により検出を行う.さらに,正常状態と異常状態の作業軌跡を LSTM によって学習し,危険状態の推定を行う.
  • Yun SONG, Sho OOI , Haruo NOMA, Mutsuo SANO
    セッションID: 20-02-13
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    Patients with brain dysfunction suffer from unstable cognitive states, usually presented as loss of attention, concentration, and memory. Such symptoms lead to difficulties in their daily lives, while rehabilitation is often time and money consuming. The most efficient rehabilitation for them is performing daily activities, in the case of this study, cooking, which requires certain degree of attention and possibly has various dangerous occasions. This study obtained behaviors during cooking in egocentric vision, used a computer vision algorithm, and proposed a model to detect dangerous moments. The model handled frames of the cooking video with YOLOv3 and Open Pose for detection of utensils and hands respectively. Lucas-Kanade optical flow algorithm was also implemented for concentration loss detection given that the egocentric vision could provide information of head motions. It was also trained on a video data set recorded in egocentric vision in kitchen to measure its accuracy and performance. Two videos were tested and the result showed increased detail and diversity of this approach compared with previous methods. However, accuracy was still under question and optimization was required.
  • 大井 翔, 斎藤 司馬, 佐野 睦夫, 佐々木 啓輔
    セッションID: 20-02-14
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    工場現場では,外国人労働者をはじめ流動的な人材が多く,継続的な教育が難しい.このような状況 で小さなミスから大きなミスなどのヒューマンエラーによりヒヤリハットが起こることが多々ある.特に,工場の 現場において小さい問題であっても命の危険を伴う事故の可能性もある.このような問題に対して、情報共有を行 うことで事故を防ぐことができるが,すべての作業者に対して管理者が十分で把握できていない状況,外国人労働 者に正しく情報の伝達がうまくいかない場合がある.本研究では,認知負荷課題の有無によって,認知機能の低下 を疑似的に作成し,それぞれの状態における行動の違いを分析することで,作業中の異常状態検出について検討す る.
  • 菅井 和明, 金田 北洋, 岩村 惠市
    セッションID: 20-02-15
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    現在の個人間での物品の売買が盛んに行われている現代社会において, 食品パッケージやブランド品のタグ, 医薬品ラベルなどの模倣が容易な偽造品の流通が深刻な社会問題となっている. 上記の問題を解決するために,汎用的に使用されるインクジェット印刷コードから偽造品を判定する手法を提案する. 真贋判定には, インクジェットプリンタの印刷物の個々の 物理的複製困難な性質(PUF 性)を利用する. 本論文では, 新手法として高速に画像検索を行うLLAH システムと, 高精度にインクジェット印刷物の特徴量マッチングを行う A-KAZE を組み合わせた真贋判定システムの提案・精度の検証を行う.
  • -チェッカーボードパタンの場合の不可視性と可読性-
    海野 浩, 上平 員丈
    セッションID: 20-02-16
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    本稿は,時空間的に輝度が変調されたパタンを用いて,デジタルサイネージのフラットパネルデ ィスプレイ上に表示された画像に情報を不可視に付与することを可能にする技術,および,ビデオカメラを用いて その表示された画像からその付与された情報を抽出することを可能にする技術を述べる.情報を高い密度で付与す るときのこの技術の適用可能性を調べるために,情報としてチェッカーボードパタンを用いた.最初に,チェッカ ーボードの正方形の一辺の長さに関する人間の眼に対する不可視性を調べた.さらに,付与された情報のビデオカ メラに対する可読性を調べた.
  • 金子 夏実, 石川 雅浩, 井上 勉, 小澤 栄人, 岡田 浩一, 小林 直樹
    セッションID: 20-02-17
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    近年,年々増加傾向にある慢性腎臓病は早期発見・早期治療が重要であるとされ ている.腎機能の評価には eGFR が良く用いられる.eGFR は,血液検査から得られるクレアチ ニン値と年齢から計算可能であり,腎臓がどの程度老廃物を尿へ排出できるかを示す指標である. しかし,血液検査は検査のタイミングによって値が大きく異なるため信頼性が低いことが懸念さ れている.これに対して,低酸素状態や線維化や形態学的変化などを画像化できる MRI を用い た腎機能推定法の開発が検討されている.本研究では,腎 MRI のテクスチャを用いた腎機能推 定を行った.結果として,相関係数 0.74,RMSE14.69 の結果が得られたので報告する.
  • 伊倉 遼, 古田 諒佑, 入江 豪, 谷口 行信
    セッションID: 20-02-18
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    歩行者ナビゲーションのための現在地推定の手段として広く活用されている GPS には,電波の受 信が難しい屋内では利用が困難になる問題がある.この問題を解決する一つの方法として,画像検索を用いた現在 地推定法が提案されている.従来は画像に景観を用いていたが,本研究では床面を用いた現在地推定法を提案する. 画像検索を用いた問題点の一つとして,データベース作成に伴う人的コストの高さが挙げられる.このコストを軽 減するため,提案法では床面をなめながら撮影した動画をデータベースとして利用する.さらに原点からのカメラ パラメータを算出し屋内構造地図を用いて補正することで,位置情報の自動付与を行なう.
  • 李 欣耘, 古田 諒佑, 入江 豪, 谷口 行信
    セッションID: 20-02-19
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    ショッピングモールや駅などの屋内施設の複雑化により,GPS の電波が届かない屋内でも,スマートフ ォンなどで簡単に現在位置を測定する技術が必要とされている.その解決方法として,画像認識を用いた屋内位置 推定手法が提案されている.屋外における位置推定手法は従来から多く提案されているが,屋内には類似した物体 (壁,机など)が多く,位置推定の手がかりとなる特徴が少ないため,ユーザーが撮影した画像(クエリ画像)一枚のみ では十分な精度が得られない問題がある.そこで,本研究では,(i) より多くの特徴を捉えるため,撮影方向を前後 左右の 4 方向に増やした多視点画像をクエリ画像とし,(ii) CNN 特徴マップを一般化平均プーリング(GeM Pooling) により集約した画像特徴を用いたアプローチを提案し,従来手法を上回る精度を実現した.
  • 井村 篤, 岩切 宗利, 田中 清
    セッションID: 20-02-20
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/03/31
    会議録・要旨集 認証あり
    発掘調査された遺構の形状や規模を調査員 (考古学者) が実際に現地で計測し,輪郭線としてトレースした ものを遺構図と呼び,これを自動で描画する方法が模索されている.しかし,遺構から取得したオルソ画像 (RGB 画 像) に従来のエッジ抽出法を適用しても,高低差のある遺構の上端線,下端線の抽出が難しいという問題がある.そこ で本研究では,遺構の深度画像に Canny 法を適用することで得られる線密度特徴量に注目し,その疎密を定量的に表 現することで,遺構の上端線,下端線を抽出する方法を提案し,実際の遺構データに適用した例を示して提案法の有効 性を検証する.
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