観光研究
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31 巻, 2 号
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論文
  • 田平 将大, 伊東 英幸, 藤井 敬宏
    2020 年 31 巻 2 号 p. 5-13
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    わが国は、米国のシーニックバイウェイ制度を参考にして2005年に北海道に本格的に導入され,現在までに13の指定ルートと2つの候補ルートが指定されている。本研究では、2003年度よりわが国で試験的に初めてシーニックバイウェイを導入した北海道大雪・富良野ルートを対象として、トリップ連関図の作成により観光客の回遊行動分析と、トラベルコスト法を用いた経済効果の推計を行った。その結果、シーニックバイウェイ導入後に観光客の回遊範囲が広がり、また一人あたりの消費者余剰が増加したことで、シーニックバイウェイ北海道大雪富良野ルートの観光期における経済効果は約3,413億円と推計された。
  • 小泉 日和, 横関 隆登
    2020 年 31 巻 2 号 p. 15-24
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は、「食べ歩き」という言葉を対象に、その概念を明らかにすることである。食べ歩きという言葉は2つの意味がある。つまり食べ物をあちこち食べてまわることおよび食べ物を歩きながら食べることである。このような概念が二分化した時期を新聞記事を用いて検証したところ、1985年に典型を見出すことができた。また、観光学として「食べ歩き」の概念は、“人”、“食べ物”、“店舗”、“地域”、“通過通路”、“滞留通路”で構成されていると考えた。さらに本研究では、「食べ歩き」の概念が有する応用上の意義も考察した。
  • 観光事業者での地域人材育成プログラムの実証から
    田中 智麻
    2020 年 31 巻 2 号 p. 25-36
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    国をあげて地方創生が推進される中、地域振興の中核を担う地域組織や人材育成の必要性が問われている。大学は、地域に新しいひとの流れを作る役割に期待されている。その手段として有効とされる地方創生インターンシップだが、インターンシップを取り巻く環境が変化する中、果たして本来の目的を果たす事業が推進されるだろうか。本稿は、地方創生インターンシップを取り巻く現状を整理し、高山市の観光事業者らと取り組んだ地域人材育成プログラムの実施検証から、地方創生の手段たり得る「地方創生インターンシップ」を推進するための要件と課題を考察する。
  • 所得弾力性の視点を中心に
    森田 金清
    2020 年 31 巻 2 号 p. 37-46
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    訪日外国人観光客者数は、2017年は前年比19.3%増の2,869万人に達し、日本経済の低迷が長引く中、「観光効果」に景気回復への期待されている。特に牽引力が大きいのは、中国人観光客数の増加と消費支出の拡大である。2017年の訪日中国観光客は736万人に達し、訪日外国人観光客者数の国籍・地域別で1位であり、25.6%のシェアを占めているばかりでなく、その旅行消費額が16,947億円と全体の38.4%を占め、訪日外国人観光客による経済効果を左右する存在となっている。本研究は、上記の背景を踏まえ、中国人の訪日観光需要が今後どのように変動するか、観光消費行動の特徴という視点からその経済的要因を考察する。
  • 大井田 かおり, 中辻 晴香, 河野 千春, 尾久土 正己
    2020 年 31 巻 2 号 p. 47-57
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    360度映像を使用したバーチャル観光ツールに、ドームシアター投影用のドーム映像とHMD映像がある。同一の景色を両者で見たのでは印象が異なる可能性がある。観光戦略に両者を用いた場合、もし印象が異なれば、それぞれのツールに応じた効果的な使い分けが必要となる。よって、本論では同一映像をドーム映像とHMD映像で視聴し、SD法で印象比較をする実験を行った。観光映像を使用した宣伝効果は、ドーム映像に関してのみ、見慣れていない人の方が全般的にい傾向がある。さらに、近さを強調したい景色はHMD映像、遠方に広がる景色の場合はドーム映像の方が適していることがわかった。
  • 飯田 なつみ, 横関 隆登
    2020 年 31 巻 2 号 p. 59-67
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は、伊豆半島河津川下流域における河津桜名所を対象に、その空間および花見利用者の特性を明らかにすることである。空間形成の特徴は、地域社会が河津桜という花木との触れ合い方を理解しながら進めてきたことであった。そして、ここでの花見利用者の特徴は、歩き廻る行動か、立ち止まったままの滞在行動であった。これらの行動は染井吉野における花見と比べて特異と指摘した。以上の成果を基に、河津桜名所での花見の保全・創造のあり方も考察した。
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