遺伝学雑誌
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13 巻, 3-4 号
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  • 芳賀 〓
    1937 年13 巻3-4 号 p. 135-145
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    3倍性のシラオヒエンレイサウ(Trillium Hagae; 2n=15)はその外部形態, 生態並びに染色體の數, 形態, 行動から2倍性のオホバナノンレイサウ(T. kamtschaticum; 2n=10) と4倍性のシロバナエンレイサウ (T. Tschonoskii; 2n=20)との間の異質3倍性自然雜種であることが結論されました。この雜種の減數分裂に於ける染色體對合の統計的分析からオホバナノエンヒイサウ, シラオヒエンレイサウ, シロバナエンレイサウ, エンレイサウ(T. Smalii; 2n=20)のゲノムは第8表に示示すやうに推定されました。
    ゲノムK1, K2, Tの相同關係は第8圖に示す如くでありまして, その結果を同質3倍性のクルマバツクバネサウ(Paris hexaphylla; 2n=15)に於る結果と比較しまして, この屬に於るゲノムと染色體倍數性の分化乃至進化の問題について二三の推論が試みられました。
  • 前田 威成
    1937 年13 巻3-4 号 p. 146-159
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    1. ネギ, タマネギ, それ等の雜種F1, F2及び戻雜腫に於けるキアズマ分布の状態を檢した。
    2. ネギ(飛彈葱), 及びタマネギ(黄玉葱)にて得たる數的結果を第1表, 第2表に示す。
    3. ネギ(飛彈葱)×タマネギ(黄玉葱)のF1にては, 偏在キアズマは觀察せられなかつた。一價染色體, 染色體片, 不等の一價染色體對よりなる二價染色體を發見する。
    4. F1を自殖して得られたF2の13個體中の4個體と, 戻雜種ネギ(早生葱×九條葱)×F1(飛彈葱×黄玉葱)の21個體中の15個體とに於ては, 8 gemini 中の一部 gemini のみが偏在キアズマを有して居て, 其爲十字形像を示す(第4表, 第1表)。此結果は一個のゲン, 又は一群のゲンの作用を假定する事によつては, 説明不可能である。
    5. F2及び戻雜種の或個體で, 一價染色體, 不等の一價染色體對よりなる二價染色體, 染色體片, 及び二個の染色體と一個の染色體よりなる鎖状體を發見する(第4表, 第6表)。
    6. 以上のF2及び戻雜種のキアズマ觀察より得た數的結果は, 個體間にキアズマ分布の状況及び頻度に顯著な差違の存することを示す。
  • Akira YUASA
    1937 年13 巻3-4 号 p. 160-170
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
  • ミスラ エー ビー
    1937 年13 巻3-4 号 p. 171-174
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    札幌にて採集せるハサミムシの一種 Forficula scudderi の雄の生殖細胞にて染色體を研究せるに次の結果を得た。即ち精原細胞にはXYを含む24個の染色體が觀察せられ(1-2圖)、第一精母細胞には12個の二價染色體現はる(3-5圖)。其内1個はX-Y染色體である。第二精母細胞は何れも12個の染色體を含めども、X及Yの存在により2種に區別さる(6-9圖)。以上よりして此の種に見られた性染色體型は既に研究されたるハサミムシの數種例へば Lobidura riparia, Labidura bidens, Labia minor 等と同樣にX-Y型なれど、同一屬の一種 Forficula auricularia (此の種にてはXX-Y型) と異るは奇異なる事實である。
  • A. B. MISRA
    1937 年13 巻3-4 号 p. 175-176
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
  • 中島 吾一
    1937 年13 巻3-4 号 p. 177-184
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    1. Crossing Triticum turgidum (n=14) with the pollen of a plant of Secale cereale (n=9), a hybrid individual was produced. The rye plant, used as pollen plant, had 2 specially small chromosomes besides 7 normal ones. In the individuals of the next generation raised by open pollination from this rye plant, 7, 8, and 9 chromosomes are found in P.M.C-s.
    2. The characters of the F1 were intermediate between those of the parents, but the plant was smaller than the parents.
    3. Chromosome counts in root tip cells of the F1 plant showed that the somatic number is clearly 23, the sum of the reduced numbers of the parents.
    4. In P.M.C-s 0-5 bivalents and 23-13 univalents were observed. One specially small bivalent was occasionally observed which may probably be made of 2 extra chromosomes of Secale cereale by autosyndesis.
    5. In the F1 chromosome behaviour in Ist. and 2nd. division of P.M.C-s was irregular, and frequently laggards and subsequent formation of extra nuclei were observed. At tetrad stage 3-6 cells often containing one or more extra micronuclei were found.
    6. In one P.M.C. nine bivalent chromosomes were found together with 14 univalents. This may be attributed to the doubling of 9 rye chromosomes which may have occurred in the archesporial cell.
  • 萩原 時雄
    1937 年13 巻3-4 号 p. 185-192
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    (1) 茶褐色種子に關する因子 br (brown) を有する白種子の系統と茶褐種子系統間の交配のF2に於て豫期の如く茶褐色種子, 白種子が3:1の比に分離されたが, この外に, 若干の黒種子個體と, 茶褐色種子の〓と黒種子の〓を共に着生する1個體を見た。F3代の處理により, 出現した若干の黒種子は恐らく主としてF2植物に起つた seminal mutation に原因し, 兩種の〓を着生した個體は vegetative mutation に原因する。而して後者は ontogenesis の最初に中組織原に起つたbrBr なる轉化に次で外組織原の一部に於ける同樣の轉化に原因するものと認む。
    (2) 黒種子と茶褐色種子間の交配のF2に分離された茶褐色種子の個體の蔓の先端に近く時に黒種子や, 茶褐色種皮上に黒色の條斑の入つた條斑種子の混査する〓を見た。次代の鑑定により出現した黒種子は vegetative mutation に原因し, 外組織原のみに brBr なる轉化の起つたに因る場合と, 同時に中組織原にも起つたに因る場合とがある。
    (3) 條斑種子はその成因が少なくとも次の二通りあるものと考へられる。即ち其一は茶褐色種子のものが ontogenesis の初期に中組織原のみに brBr なる轉化を起し, その結果 Br 又は BrBr となれる外觀茶褐色のものが, その末期に外組織原でbrBr なる轉化を起した場合で, 他の一つは茶褐色種子の外組織原のみに ontogenesis の末期に同樣の轉化を起した場合である。
    (4) 茶褐色種子に關與する br 因子は易變因子で, 生殖細胞に於ても體細胞に於ても常習的に優性因子 Br に轉化を起す。
    (5) 取扱個體數僅少であつたので, 適確なる轉化率は求め難いが生殖細胞に於ては約4%位であつて, 體細胞では中組織原にも, 外組織原にも起り, ontogenesis の最初と最後に多い。
  • 山崎 義人
    1937 年13 巻3-4 号 p. 193
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
  • 山下 孝介
    1937 年13 巻3-4 号 p. 194-195
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    Die Chromosomenzahlen von 3 Zuckerrohr-Sorten in Formosa wurden festgestellt. Die Resultate sind in folgender Tabelle angegeben.
  • 中山 包
    1937 年13 巻3-4 号 p. 196-199
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    1. 稻の矮性ゲンA, 及びB, は營養器官(莖, 穗, 頴, 護頴)では明らかな成長抑制作用を呈するが, その強さは器官に依つて一樣でない。
    2. この作用は, 花粉では殆んど全く認められず, 生殖器官では甚だ不顯著である。
    3. 胚芽では矮性ゲンの作用は殆んど未だ現はれない。
  • 久保 忠夫
    1937 年13 巻3-4 号 p. 200-203
    発行日: 1937年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
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