朝鮮人蔘は普通莖色暗紫色にして顆色鮮紅色を呈するものなるに1926及び1928年偶然一般當業者の蔘圃中に緑莖にして顆色鮮黄色を呈する2個體と緑莖にして鮮紅色顆を呈する1個體の植物を發見せり。之等個體の次代觀察並びに交配實驗の結果顆色鮮紅色は鮮黄色に對して常に優性にして F
2 に於て單因子性分離を呈するも莖色に就ては緑色は暗紫色に對して劣性なる場合と優性を示す場合とあり。優性緑莖は常に鮮紅色顆と劣性緑莖は鮮黄色顆と相伴ふの事實より朝鮮人蔘の莖色 (暗紫色, 緑色), 顆色 (鮮紅色, 鮮黄色) の出現には少くとも花青素因子
Pと抑制因子
Hとの2因子が關與するものなることを確めたり。
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