遺伝学雑誌
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11 巻, 3 号
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  • 1. 減數分裂染色體の二次接合
    酒井 寛一
    1935 年 11 巻 3 号 p. 145-156
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
    Bonn-Flemming 又は Nawaschin の固定液を用ひパラフィン切片法で作つたイネの減數分裂のプレパラートの觀察により2(3)+3(2)を最高限とする種々なる二次接合型 を見出した。イネが allopolyploid なる事は從來の細胞學的及び遺傳學的研究によりて明かである。著者も亦 diakinesis 及び MI に四放射状の四價を見出してイネのゲノム内に於る autosyndesis を實證した。從つてイネのゲノムの組成は結論にて示せる如き doubly hexasomic tetraploid であらう。二次接合の學説に就ては異論もあるが, 少くともイネに關しては眞理であらう。(昭和十年四月三十日札幌遺傳學談話會ニテ講演)
  • Yoshitaka IMAI
    1935 年 11 巻 3 号 p. 157-161
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
    Oryza sativa subjected to X-ray treatment resulted in chlorophyll deficiencies to the extent of about 14 times more than in the series untreated. The occurrence of cream and chlorina seedlings is more frequent than those of white, xanthic, and others.
    Chlorophyll deficiencies that have been reported previously in this plant are reviewed and classified into genic and plastid mutations, the latter including sporadic and mutable cases. There are two forms of auto-mutable plastids, the one changing from inconstant green to constant white and green, and the other to constant white, but not to constant green.
  • Kotaro KARASAWA
    1935 年 11 巻 3 号 p. 162-168
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
    1. The somatic chromosome numbers of fourteen strains of Crocus were studied, in which a new polyploid series having ten as the basic chromosome number, was also detected.
    2. The sterility observed in the cultivated Crocus is due to abnormality in reduction divisions.
    3. The genomes of some Crocus have been considered in connection with their constitutions.
  • 第二報 ワダンとヤクシサウとの雜種
    小野 記彦, 佐藤 重平
    1935 年 11 巻 3 号 p. 169-179
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
    牧野博士は三崎, 葉山附近に見られるヤクシワダンはワダンとヤクシサウとの中間形質を示すこと及びその生育する場所にこの兩種が見られることから之等の兩種の雜種であらうと述べてゐる(1917)。著者等は1932年の秋實際にワダンとヤクシサウとの交雜を行ひ, ヤクシワダンと全く等しいといへる雜種を生ずることを確めた。ワダンを母としても, ヤクシサウを母としても, 同樣の雜種を得るが,發育の初めにはやゝその母親に似た形態を示した。此事は此時期に於ては細胞質の影響の方が著しいことを示すものであらう。而してワダンを母とした方では不規則に發育した葉が見られ, 雜種強勢を示した。この不規則は生長するにつれて消失したが, 唯一株 (ClPd 4) だけは不規則な生長をつゞけた。この植物については後に報告することにする。雜種植物の體細胞染色體數は兩親の單數染色體數の和であつた。
    この雜種は1934年の秋に花を開いた。花も亦ヤクシワダンと全く同一であつた。減數分裂は極めて正常で, ワダンを母とした方では多數のキアズマが見られ, ヤクシサウを母とした方ではキアズマ數は少かつた。之はキアズマ數はワダンに多く, ヤクシサウに少いことや, 細胞質等の影響とを合せ考へれば興味ある事實である。
    對合の方法がアロシンデシスであるかアウトシンデシスであるかといふことは體細胞染色體の形態及びヘテロモルフィツク二價染色體が3個以上も見られた事等から考へると, アロシンデシスであると考へる方が自然である。
    とにかく減數分裂が正常で二價染色體のみが見られるといふことは屬間雜種としては珍しいことである。之等の2組の染色體は異るゲンを有し,異る形態を有するにもかゝはらず, 各組の一個宛が對合し得るのであつて, この例は染色體の對合といふものは必ずしも染色體の相同性と關聯するものではないといふことを支持してゐるやうである。
    尚比較のためにヤクシワダンの減數分裂を調べたが, 之でも正常の分裂が見られた。キアズマの行動と頻度とはヤクシサウ♀×ワダン〓に似てゐる。ヤクシサウは自家不實性であるので自分自身の花粉よりもワダンの花粉の方がよりよく働くから, 自然界にある大部分のヤクシワダンは恐らくヤクシサウを母として生れたものであらう。
  • Tamaki SHIMAMURA
    1935 年 11 巻 3 号 p. 180-184
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
    公孫樹は雌雄異株にて授粉は風媒に依る。授粉したる雌花は約四ケ月後初めて授精するものなり。今囘 (1) 花粉の影響無くもよく結實する “Parthenokarpie” なる現象ありや, (2)花粉よりの或刺戟が雌性配偶體内に於ける發育(特に藏卵器の形成の如き)に必要なりやに就き調査せり。その結果公孫樹に於ても蘇鐵類植物と同樣に花粉よりの或る刺戟が雌性配偶體に影響して雌性配偶體を發育せしむるものなりと思惟するに至れり。授精現象に就いては特に癒合核内にて雄核がその核膜を失ふ前後に仁に似たる多數の顆粒が示す行動に就て述ぶ。即ち雄核が卵核に癒着する以前より卵核中に若干の仁に似たる染色性顆粒あり。雄核が卵核内に入る頃には該顆粒はその數を増加して核内の一方に集合する。この癒合核の顆粒の偏在する現象と雄核との關係を見るに雄核が核膜を有し明瞭に輪廓を見らるゝ間は顆粒は雄核に接して存すること少く離れて存在し雄核がその形を失ふて卵核質中に混ずる際に該顆粒は雄核質に向つて著しく集合する。癒合核の第一囘核分裂の際には該仁樣顆粒の集合は全く見られぬ。目下染色體形成と該顆粒とは如何なる關係にあるか不明なり, 因に該仁樣顆粒はヌクレアル反應に對しては負反應なり。(昭和十年四月廿六日日本遺傳學會東京談話會講演)
  • Masayosi Sato
    1935 年 11 巻 3 号 p. 185-192
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
  • 徳田 御稔
    1935 年 11 巻 3 号 p. 193-194
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
  • 久保 忠夫
    1935 年 11 巻 3 号 p. 194-195
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
  • 福岡 五郎
    1935 年 11 巻 3 号 p. 195-196
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
  • 大町 文衞, 十龜 千鶴雄
    1935 年 11 巻 3 号 p. 197-198
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
  • 明峰 俊夫
    1935 年 11 巻 3 号 p. 199-204
    発行日: 1935年
    公開日: 2007/04/04
    ジャーナル フリー
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