獣医臨床皮膚科
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13 巻, 2 号
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原著
  • Danny W. Scott, William H. Miller, Jr.
    2007 年 13 巻 2 号 p. 71-79
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/10
    ジャーナル フリー
    18例の子犬,3週齢から5ヵ月齢を若年性蜂窩織炎と診断した。皮膚科診察時,すべての子犬が顔(口吻,口唇,眼瞼)の病変と下顎および前肩甲リンパ節の腫大がみられた。11例(61%)で耳介に,さらに6例(33%)で広範に皮疹がみられた。これら子犬において,発熱は22%,嗜眠は17%だけであった。免疫抑制グルココルチコイド療法で7~21日間に17例が軽快した。副作用はみられなかった。軽症だった1例は自然軽快した。再発例はなかった。
  • 藤井 武, 高津 暁志, ステグマン ミシェル, 小方 宗次, 鎌田 信一
    2007 年 13 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/08/10
    ジャーナル フリー
    獣医科診療所の来院犬を対象に,犬の細菌性皮膚感染症治療におけるセフォベシン注射用製剤の臨床的効果および安全性を検討した。対象症例に対し,無作為にセフォベシン(8 mg/kg単回皮下)あるいはオルビフルキサシン(1日あたり5 mg/kgを連続7日間経口)のいずれかを投与した。投薬前検査で,主要原因菌として Staphylococcus intermediusStaphylococcus aureusおよび Proteus mirabilisが分離・同定され,それら分離菌に対するセフォベシンおよびオルビフルキサシンのMIC90は,それぞれS. intermediusでは0.12 μg/mlおよび0.5 μg/ml,S. aureusでは1 μg/mlおよび1 μg/ml, P. mirabilisでは0.5 μg/mlおよび4 μg/mlであった。投薬の効果は,皮膚感染の程度を指標とした臨床スコアを用いて評価した。臨床スコアは投薬7および14日後に記録し,症例毎,改善度に応じ「治癒」,「改善」および「無効」に区分し,「治癒」および「改善」を有効症例と判定した。セフォベシン群における有効率は投薬7日後で63.8%(58例中37例)および投薬14日後で87.5%(56例中49例)であり,オルビフロキサシン群における有効率は初回投薬7日後で44.4%(54例中24例)および初回投薬14日後で73.3%(45中33例)であった。セフォベシンによる副反応および注射部位の異常は観察されなかった。以上の結果から,セフォベシン8 mg/kg単回皮下投与は,犬の皮膚感染症に対し有効かつ安全であることが確認された。
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