低炭素社会を実現する1つのコンセプトとして、「クオリティ・ストック」という概念に着目し、街区群における各建物の更新を予測し、その性能変化を予測するモデルを構築した。具体的には、1)街区群における空間構成から住民のQOL(Quality of Life)を評価し、2)その結果を受けて建物の建替時期を予測し、3)CO2排出量および市街地維持コストを評価するモデルとした。さらに、開発されたモデルを用いて、名古屋市の都心部に位置する錦二丁目地区においてケーススタディを実施した。その結果、お個々の建物が個別に更新を進める場合より、地区全体で計画的な更新を進めた方が住民のQOLが増加し、それにより建物の寿命が増加することで、CO2排出量や市街地維持コストの低減につながることが明らかとなった。