本論文は2015-2016年からパリで計画協議が進められた"Reinventons nos places"(私たちの広場の再発明)プロジェクトによる7つの広場の再編計画を取り上げ、その計画の特徴と計画協議のあり方を明らかにするものである。本広場整備の特徴として、1)車道の削減などによる歩行者空間の拡大、2)移動・横断の円滑化、3)異なる交通手段の共存、4)滞留空間の向上、5)歴史性・シンボル性の向上、が共通の方針として掲げられたことを示した上で、その具体的な内容について明らかにした。また代表例の計画協議内容の分析を通じて、パリ市当局による空間的な課題認識や整備により得られる効果の評価、住民意見の反映の方法とその内容、計画・整備における優先順位づけの具体的内容を明らかにした。