目的:Visual display terminal(VDT)作業時の眼精疲労に対する調節誘導型モニタの効果について検討した。
方法:調節誘導型モニタとノートパソコン(PC)のそれぞれで2時間のVDT作業を行い,その負荷前後における他覚的屈折値と調節微動高周波成分出現頻度(HFC)について評価した。対象は,器質的眼疾患のない正常有志者6名(男性5名,女性1名)(平均年齢±標準偏差:29.5±7.6歳),測定眼は右眼とした。
結果:PCによるVDT作業では,負荷後に他覚的屈折値が有意に近視化し,HFCについても有意な上昇を示した。一方,調節誘導型モニタについてはPCのような有意な変化はなく,若干の遠視化とHFCの低下を示した。
結論:調節誘導型モニタはVDT作業中の持続的な毛様体筋の緊張状態を抑制し,眼精疲労に対する予防効果が期待された。
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