目的:黄斑上膜(ERM)症例の光学式眼軸長測定(PCI)と超音波Aモード(US)による眼軸長(AL)測定値の比較。
方法:ERMを伴う38例40眼に対し,白内障および硝子体手術前にPCIとUSによるALと中心窩網膜厚(FT)を測定した。PCIでみられるダブルピーク(DP),ピーク間距離,PCIとUSでのAL測定値の差とFTの関係および術後屈折誤差に関して検討した。
結果:DPは14眼(35.0%)に認め,ピーク間距離とFTは正の相関を示した。PCIとUSのAL測定値の差はFTとは相関せず,PCIの後方ピークに基づき決定した眼内レンズ(IOL)挿入術後の屈折誤差は±1.0D以内が95.0%,USでは90.0%で,PCIの前方ピークを用いると術後屈折値が予測値より近視化することが示された。
結論:PCIはERM症例においてUSと同等に有用だが,DP症例ではIOL度数決定に後方ピークを使用する必要がある。
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