視覚の科学
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43 巻, 1 号
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総説
  • 森 紀和子
    原稿種別: 総説
    2022 年 43 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/30
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    近年,近視人口が増加しており,それに伴って失明につながりうる様々な眼疾患を起こす強度近視が問題となっている。近視は環境,遺伝の複合因子により発症,進行するとされ,早期からの積極的介入が強度近視への進展の予防として重要である。近視進行予防法としては,これまで光学的,薬学的,環境的な角度から介入が試みられており,複数の研究によりいずれもが一定の効果を示している。本稿では各々の近視予防法についてそのメカニズムや成績など,最新の知見を詳述し解説する。

原著
  • 生方 北斗, 戸田 春男, 八百枝 潔, 小林 昭子, 可児 一孝, 前田 史篤, 阿部 春樹
    原稿種別: 原著
    2022 年 43 巻 1 号 p. 8-16
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/30
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    目的:Goldmann視野計(GP)トレーニングシステムを用いて視能訓練士と学生とが模擬患者に対して測定した視野の結果を定量的に比較し,両者の差異を明らかにする。

    方法:対象は視能訓練士養成校学生8名と臨床経験5年以上の視能訓練士5名であった。GPトレーニングシステムを用いて緑内障性視野異常の模擬患者に対する視野測定を課した。V/4e,I/4e,I/3e,I/2e,I/1e視標のプロット点から視野を立体角で算出した。模擬患者の視野データと対象者が検出した視野データを重ね合わせたときの和集合の領域(UA),一致した積集合の領域(IA),一致しなかった対象差集合の領域(SDA),IAをUAで除したIntersection percentage(IP)を解析した。

    結果:IAは学生の方が視能訓練士より有意に狭く,SDAは有意に広かった。IPは学生の方が視能訓練士より低かった。

    結論:視能訓練士は学生に比べて視野を忠実に測定できた。

  • 添田 浩生, 稗田 牧, 中村 葉, 中井 義典, 外園 千恵, 木下 茂
    原稿種別: 原著
    2022 年 43 巻 1 号 p. 17-23
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/30
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    【目的】学童期における身長発育と屈折度数変化の関係性について検討すること。

    【方法】2016年から2019年に「詳しい視力検査」へ参加し,経時変化を追うことのできた小学1年生から中学2年生の延べ642名1261眼(男児342名,女児300名)を対象とした。非調節麻痺下での両眼開放型オートレフケラトメーターにて屈折度数を測定し,等価球面度数を算出した。身長のデータはアンケート回答から取得した。学年,性別で14群に分類し,各群における1年間での屈折度数変化量と身長変化量の関係性について検討した。

    【結果】屈折度数変化量と身長変化量には,男児は小学6年生~中学1年生で有意な相関が認められ(r = −0.27, p = 0.005),女児では小学4~5年生で有意な相関が認められた(r = −0.32, p = 0.003)。

    【結論】男児は小学校高学年から中学校,女児は小学校中学年から高学年にかけて屈折度数と身長の変化が相関していた。

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