視覚の科学
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43 巻, 2 号
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原著
  • 佐伯 謙太朗, 永堀 智一, 久保田 慎, John Clamp, 大沼 一彦, 椎名 達雄
    原稿種別: 原著
    2022 年 43 巻 2 号 p. 35-43
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/30
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    【目的】角膜収差を軽減するコンタクトレンズの新しい設計手法の確立

    【対象と方法】Stage 1の円錐角膜の初期段階の傾向がみられる乱視眼,Amsler-Krumeich分類で分類したStage 1及びStage 4の円錐角膜眼を対象とした。OCT角膜前後面形状データを用いて,光線の光路長を一定,CL後面と角膜前面形状が同一という条件のもと,2次元光線追跡から最適な位置におけるハードコンタクトレンズの前面形状座標を算出し,装用前後の収差量及びMTFをシミュレーション評価した。

    【結果】全ての対象において,CL装用後に収差量の改善がみられた。また,水晶体に収差がないという条件で,CL装用後の乱視眼及びStage 1の円錐角膜眼は,視力1.0以上である結果が得られた。角膜形状変化が大きいStage 4の円錐角膜眼においても,CL装用前のタンジェンシャル方向のMTFが0.010,サジタル方向が0.003であるのに対して,CL装用後はそれぞれ0.075,0.038と改善し,視力 0.4~0.5程度の結果が得られた。また,2~4次収差のRMS値が5.483 µmから1.273 µmへと減少した。

    【結論】2次元光線追跡による新しいCL設計は,対象全てにおいて収差量及びMTFの改善を示した。本設計は,乱視眼及び円錐角膜眼に対して有効であることが示唆された。

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