ネットワークポリマー
Online ISSN : 2186-537X
Print ISSN : 1342-0577
ISSN-L : 1342-0577
17 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 山岸 忠明, 柳川 俊之, 金内 成, 石田 真一郎, 中本 義章
    1996 年17 巻3 号 p. 111-120
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    ヒドロキノン骨格からなる新規環状オリゴマーを, 簡便な方法で合成することができた。まず, p-メトキシフェノールとパラホルムアルデヒドとを, カリウムt-ブトキシド触媒下, テトラリン中で縮合させると, p-メトキシカリクス [8] アレーンが高収率で生成し, その際副生物として [7] アレーンが少量単離された。一方, p-メトキシフェノール線状オリゴマーをジフェニルエーテル中水酸化ナトリウム存在下で加熱すると, [6] アレーンが選択的に生成した。
    次に, 得られた環状オリゴマーのp-ヒドロキシカリクスアレーンへの変換を試みた。 [6] および [7] アレーンは三臭化ホウ素で処理すると容易に変換されたが, [8] アレーンについては低い溶解性のため困難であった。これらヒドロキノン型環状オリゴマーにおける下部水酸基は, 強く水素結合していることが明らかとなった。
    さらに, 合成が容易であるp-ヒドロキシカリクス [6] アレーンの機能化を目的とし, エステル基を導入した。このイオノホアはアルカリおよびアルカリ土類カチオンに対してCs選択的捕捉能を示した。また, 塩化セバコイルとの重縮合反応についても検討を加えた。
  • 船岡 正光, 井岡 浩之, 寳勝 智貴, 田中 ゆきこ
    1996 年17 巻3 号 p. 121-130
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    フェノール誘導体および硫酸より構成される2相分離系処理法により, 天然リグニンからフェノール系高分子リグニン素材を誘導すると共に, 側鎖フェノール核の置換パターンを応用し, その分子構造の精密制御を試みた。天然リグニンより誘導したリグノクレゾール分子中の側鎖Cβ-アリールエーテル結合は, 緩和なアルカリ条件下で側鎖クレゾール核水酸基の隣接基効果により選択的に解裂すること, そしてリグノフェノール誘導体におけるこのような側鎖フェノール核のCβ攻撃は, リグニン結合位に対しオルソ位に水酸基が位置する場合効果的に発現することが示された。したがって, 天然リグニンの1次誘導体を合成する際, 隣接基関与効果発現可能なフェノール核の導入量をコントロールすることにより, その頻度にしたがって側鎖フェノール核とリグニン母体の芳香核間でフェノール活性が交換, それに伴いリグノフェノール誘導体の分子量が規則的に制御されることを確認した。
  • 越智 光一, 永渕 泰広, 北村 多嘉子, 浜 正俊, 池川 加代, 清水 義弘
    1996 年17 巻3 号 p. 131-138
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    メソゲン基の一種であるビフェニルエーテルを骨格とするエポキシ樹脂に, 低温でも運動性の高い脂肪族屈曲鎖を導入し, このエポキシ樹脂硬化物の力学物性を検討した。その結果, 脂肪族屈曲鎖を導入したビフェノール型エポキシ樹脂硬化物は, 室温以下の低温域でも高い伸び及び靭性を示すことが明らかになった。また, この硬化系では, 引張り試験後の試料の破断面に明瞭な複屈折パターンが観察された。これらの結果は, 脂肪族鎖を導入したビフェノール型樹脂硬化系では, 平面構造のメソゲン基と運動性の高い脂肪族屈曲鎖の両者を網目鎖に含むため, 低温域でも外力の方向に網目鎖の配向が起こり, 硬化物が強靱化されたことを示すものと考えられる。
  • 松本 昭, 高橋 重晶, 森田 武彦
    1996 年17 巻3 号 p. 139-148
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    ゲル化を伴うエチレンジメタクリレート (EDMA) の単独重合およびメチルメタクリレート (MMA) -EDMA共重合について, それらのゲル化点以前でのミクロゲル化を重合液の直接光散乱測定から追跡した結果, ビニル系ミクロゲルポリマーを分子設計する上での重要な指針を得た。先ず, ミクロゲル形成との関連で重要な分子内架橋反応の生起しやすい条件下で慣性半径および第二ビリアル係数の大きな低下が認められたことから, 重合液の直接光散乱測定がミクロゲル化を追跡する上で有力な手段となることを明らかにした。次いで, EDMAの単独重合におけるミクロゲル化を連鎖移動剤添加量を種々変えて追求し, ミクロゲル形成と一次ポリマー鎖長の相関は重要であり, 鎖長が短い際にはミクロゲル化しないことを示した。さらに, MMA-EDMA共重合系のミクロゲル化においてはペンダントビニル基含量の影響が顕著であり, EDMA添加量の低い系ではミクロゲル化しないことを明らかにした。最後に, MMA-EDMA (90 : 10) 共重合系のミクロゲル化に及ぼす長鎖アルキル基の立体効果を検討し, 分子内架橋反応の抑制を示唆する結果を得た。
  • 石倉 慎一, 奥出 芳隆
    1996 年17 巻3 号 p. 149-158
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    最近工業用塗料に耐酸性雨性を付与することが必要となり, これをきっかけにして新しい架橋反応系を塗料に導入する開発が盛んになっている。また, この分野では非脱離型の架橋反応をする塗料への潜在的な要求があり, この開発も続けられている。技術的には2液型常温反応系の高い反応性に着目し, その反応性官能基や触媒をブロックしたりマスクすることで貯蔵時の安定性を確保して, 1液型としようとするものが多い。このような開発事例に関し解説する。
  • 星野 太
    1996 年17 巻3 号 p. 159
    発行日: 1996/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
feedback
Top