ネットワークポリマー
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18 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 黒木 重樹, 安藤 勲
    1997 年18 巻3 号 p. 115-120
    発行日: 1997/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    本総説では, ケイ素を含む高分子, たとえばポリシランおよびSi-H結合とC≡C結合を有する熱硬化性樹脂ポリ (フェニルシリレンエチニレン-1, 3-フェニレンエチニレン) (MSP), の構造解析また熱硬化過程の機構の解明した研究例を紹介することと, 固体高分解能NMR法が不溶不融性高分子や非晶性高分子の構造およびダイナミックスの解析に優れた解析法であることを示す。
  • 鈴木 健訓
    1997 年18 巻3 号 p. 121-132
    発行日: 1997/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    本総説では各種エポキシ樹脂の自由空間 (高分子間の空隙) について説明する。T H P M (trisphydroxyphenylmethane) のノボラック樹脂では, 水分の吸着により空隙の大きさが減少し, τ3は小・さい方に移動するのが観測された。また, シアネート樹脂 (bisphenol A dicyanate) の場合には, 重合度の増加とともに比容積が増加することが知られているが, PALSでは寿命の増加として観測された。
    高分子の緩和現象についても興味ある結果が得られており, 液体窒素に浸けて瞬時 (数秒~数十秒) に77Kに冷却した場合と, 緩やかに77Kに冷却した場合では異なった現象が観測される。
  • 吉井 公彦, 堀江 一之
    1997 年18 巻3 号 p. 133-144
    発行日: 1997/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    高分子固体のキャラクタリゼーションの手法のひとつとして, 光プローブ法について紹介する。本稿では光プローブ法のうち蛍光プローブ法, 光反応プローブ法についてとりあげる。蛍光プローブ法はミクロ環境プローブ, 分子運動プローブ, ミクロ構造プローブとして分子オーダーでの空間領域やナノ秒オーダーでの時間領域での情報が得られることから, これまでに高分子固体にこだわらずさまざまな系について多くの研究がなされ, さまざまな結果が得られている。光反応プローブはフォトクロミック分子の光異性化反応などを利用して, 高分子固体の局所自由体積とその熱的なゆらぎについての情報を得るものであり, これまでにも多くの例が報告され, 興味深い結果が得られている。蛍光プローブ, 光反応プローブそれぞれについて具体例を中心に述べる。なかでも架橋ポリマーへの適用例について詳しく述べた。
  • 梶山 千里, 高原 淳
    1997 年18 巻3 号 p. 145-154
    発行日: 1997/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    高分子固体の表面構造および表面分子運動を解析するための手法について解説した。温度依存X線光電子分光 (TDXPS) 測定に基づき対称ジブロック共重合体の表面分子鎖凝集状態の再編成の解析を行ない, 表面のTgがバルクのTgに比べて著しく低下していることを明らかにした。一方, 動的二次イオン質量分析 (DSIMS) を末端基をラベルしたポリスチレン (PS) 固体膜の深さ方向の化学組成の評価に用い, PS固体膜表面における分子鎖末端基の局在化を明らかにした。走査粘弾性顕微鏡 (SVM) を高分子固体表面の力学的性質の評価に用い, 表面の力学的損失正接値がバルクに比べて高い値を示すことを明らかにした・SVMとDSIMSの測定結果よりPS固体膜表面の分子運動が末端基の表面濃縮により活性化され, 表面のガラス転移温度, Tgがバルクに比べて低下していると結論できた。さらに, SVMによるナノメータースケールでの粘弾的性質のマッピングに基づきポリマーブレンド薄膜の2次元の相分離状態を明らかにした。
  • 青田 浩幸, 松本 昭
    1997 年18 巻3 号 p. 155-169
    発行日: 1997/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    固体のキャラクタリゼーションの一環として, 架橋高分子を対象にしたESRによる研究を取り上げ, 特に, (1) 架橋を伴う多官能ビニル化合物のラジカル重合における成長およびペンダントラジカルのスペクトル形状とそれらの蓄積の仕方から網目構造の微視的不均一化を考察する方法, (2) スピンプローブ法およびスピンラベル法によりポリマーの微視的運動性を評価する方法と架橋反応の進行に伴う生成ネットワーク構造の微視的不均一性の発現を追跡する方法に焦点を合わせて述べる。
  • Yassin A. Aggour, Ikuyoshi TOMITA, Takeshi ENDO
    1997 年18 巻3 号 p. 170-177
    発行日: 1997/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    The mechanical properties of gels obtained by the cationic crosslinking of poly (ethylene glycol allenyl methyl ether) were examined both in the dried and swollen states. Relatively high elastic properties were observed in the dried state. The storage modulus (E′) and loss modulus (E″) were evaluated as a function of the cationic crosslinking conditions. In most cases, E″was much smaller than E'. The number of elastically effective crosslinking points (ne) and the molecular weight between two crosslinking points (Mc) were estimated from the storage modulus (E′) in a linear viscoelastic region. The maximum value of ne and the minimum value of Mc was observed for the dried gel produced by the reaction in CH2Cl2 (20wt%) with 1.2mol% of BF3·OEt2. Thus, the effectiveness of the crosslinker was found to be dependent upon the cationic crosslinking conditions.
  • 木村 肇
    1997 年18 巻3 号 p. 178
    発行日: 1997/09/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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