ネットワークポリマー
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23 巻, 1 号
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  • 久保内 昌敏, 仙北谷 英貴, 深谷 太郎, 津田 健, 熊谷 正志
    2002 年23 巻1 号 p. 2-10
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    硬質フィラーのアルミナ粒子および軟質フィラーのCTBNゴム粒子を充てんしたエポキシ樹脂の破壊じん性および耐熱衝撃性について, アルミナ表面処理の影響に注目して検討を行った。破壊じん性については, アルミナおよびCTBNの充てん効果は顕著に認められたが, アルミナ表面処理の寄与は小さかった。耐熱衝撃性については, CTBNの充てん効果は認められたが, アルミナを充てんすることにより耐熱衝撃性が低下する場合があった。アルミナ表面処理を行ったところ, 耐熱衝撃性は概ね向上した。じん性の異なるエポキシ樹脂について同様の検討を行った結果, 低じん性エポキシ樹脂の耐熱衝撃性はCTBNの有無にかかわらずアルミナ表面処理により向上したが, より高じん性のエポキシ樹脂では, CTBNを添加した場合にアルミナ表面処理による耐熱衝撃性の向上が見られないことが明らかになった。破面観察を行ってこれらの破壊機構を検討した。
  • 奥平 浩之, 紀 朝也, 越智 光一, 武山 秀一
    2002 年23 巻1 号 p. 11-16
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    一級アミノ基がケトンで保護されたケチミンは, エポキシ樹脂の室温一液化に有効な湿気潜在性硬化剤である。保護基のケトンを替えた際の立体障害効果に着目し, エポキシ樹脂組成物の保存安定性と硬化性の関係について検討した結果, メチルイソプロピルケトン (MIPK) 等ある特定の構造をしたケトンを用いた時にのみ, 保存安定性と硬化性の両者に優れる特性を示した。分子軌道計算ソフトでケチミンの立体障害効果について解析した結果, 実験値と良い相関が得られた。
    一方, 硬化に際しては, 加水分解により生成するケトンが硬化物内部に残存した。せん断接着試験では, ケトン分子量の大きい系ほど高い値を示した。これは接着界面への応力集中が, ケトンの可塑化効果により緩和されたことと, ケトンの体積分率が高い程, 接着層の反応率が高くなることの両者に起因するものと考えられた。
  • 松本 明博, 小幡 光範, 木村 肇, 大塚 恵子
    2002 年23 巻1 号 p. 17-22
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    難燃剤が人体や環境に与える影響をできるだけ少なくするため, 非ハロゲン, 非リン系難燃剤の開発が望まれている。そこで, 本研究ではトリアジン骨格を有するフェノール樹脂中間体を合成し, これを用いて紙基材フェノール樹脂積層板の難燃性向上を図った。まず, 4-フェニルフェノールとホルムアルデヒドから2, 6-ジメチロール-4-フェニルフェノール (DMPP) を合成し, これとベンゾグアナミン (BG) からベンゾグアナミン変性フェノール樹脂 (DMPP-BG) を得た。このDMPP-BGをアンモニアレゾールに配合した変性レゾールのゲル化時間および硬化開始温度は, DMPP-BGの添加量が増加してもほぼ一定値を維持した。また, 紙基材フェノール樹脂積層板の物性を検討した結果, DMPP-BG含量が10phr以上の系ではUL94垂直法に準拠した難燃性試験でV-0を示した。また, DMPP-BG変性紙基材フェノール樹脂積層板の平均燃焼速度は未変性品の約1/10と遅く, レゾール中のDMPP-BG含量が増加するに従って酸素指数は若干増加した。さらに, DMPP-BG変性紙基材フェノール樹脂積層板の電気絶縁性および耐水性は未変性品よりも優れていた。
  • 遠藤 剛
    2002 年23 巻1 号 p. 23-32
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    スチレン, メチルメタクリラートなどの一般のビニルモノマー類, エポキシ化合物などの環状エーテル類, ラクトン類などが重合する際, 大きな収縮を伴うことはよく知られている。また, エポキシ樹脂, フェノール樹脂, 不飽和ポリエステルなどのネットワークポリマーも硬化の際, 収縮を引き起こすことはよく知られ, 材料化において大きな問題となっている
    著者らはスピロオルトエステル類 (SOE), スピロオルトカーボナート類 (SOC), ビシクロオルトエステル類 (BOE) がカチオン開環重合において非収縮性を示すことはすでに報告してきた。
    本稿ではSOE, SOC, BOE構造をもつ種々のビニルモノマー類の合成法をそれぞれ述べる。さらにこれらの単独重合, 一般のビニルモノマーとの共重合により側鎖に非収縮性機能団であるSOE, SOC, BOE構造をもつポリマーのカチオン開環重合によるネットワークポリマーの合成法を示し, その際非収縮性を示すことを明らかにした。
  • 竹市 力
    2002 年23 巻1 号 p. 33-42
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    環状モノマーの開環重合で得られるポリベンゾオキサジンはフェノール樹脂に似た構造を有し, 従来のフェノール樹脂固有の耐熱性難燃性を有している上に, 開環重合で硬化するため, 多くの優れた特性を有する。この新しいタイプのフェノール樹脂として注目されているポリベンゾオキサジンについて, 開環重合の低温化, 高靭性化, より一層高い耐熱性の付与などを目指す手法を例を挙げて解説した。1つの手法は, 新しいモノマーの合成とその重合であり, 熱分解による重量減少を抑制する手法として, 揮発性成分を架橋で高分子量化する手法が有効である。もう1つの手法は, ポリマーアロイの手法であり, アロイ化によって靭性, 高温での機械的強度, 熱安定性など, 多くの物性を簡便に向上させることができる。種々の高分子やオリゴマーおよびアロイ化の手法を使い分けることによって, 特定の性質を改善することができる。
  • 山口 征志
    2002 年23 巻1 号 p. 43
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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