ネットワークポリマー
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34 巻, 3 号
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報文
  • 松本 泰宏, 冨安 敬, 村井  勇太, 坂本  淳, 木村 純奈
    2013 年34 巻3 号 p. 122-127
    発行日: 2013/05/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    非食料植物由来原料であるフルフリルアルコールを単独乳化重合させることで,平均粒子径約500nm ~800μm の球状硬化フルフリルアルコール樹脂粒子(FA 粒子)の作製を行った。また,得られたFA 粒子の焼失試験,炭化・賦活試験を行い,得られた活性炭(ACFA)の尿毒素吸着性能を調べた。FA 粒子は空気中では約300℃の耐熱性をもち,かつ,約200℃かけてゆるやかに燃焼焼失していくことを確認した。不活性雰囲気下中では残炭率が大きく一般的に炭素材料原料として使用されているフェノール樹脂粒子(Ph 粒子)と同等の残炭率をもつことが確認された。また,得られた炭素は緻密であり,Ph 粒子由来炭素と比較して賦活されにくい構造となっているものと考えている。ACFA の尿毒素吸着性能は,毒素の種類にかかわらず優れていることを確認した。
  • 乾 純, 佐藤 慎一, 松本 幸三, 遠藤 剛
    2013 年34 巻3 号 p. 128-134
    発行日: 2013/05/10
    公開日: 2014/06/25
    ジャーナル フリー
    ヒマシ油とイソシアナート化合物から,分子内にエステル結合・ウレタン結合を有し,かつ架橋性基を有する樹脂・有さない樹脂を合成し,耐加水分解性を評価した。架橋性基を有する樹脂を硬化皮膜とし加水分解性を評価したところ,ルイス酸触媒では劣化が殆ど見られないのに対し,有機スズ触媒を用いた皮膜においてはエステル結合・ウレタン結合の顕著な劣化が見られた。また,一定の劣化が進んだ後,劣化速度が促進される傾向が見られた。一方,原料のヒマシ油,あるいは架橋性基を有さない樹脂の加水分解性を測定したところ,ウレタン結合においては,ルイス酸触媒・有機スズ触媒共に劣化が観察されず,エステル結合においても,有機スズ触媒で多少の劣化が観察されたものの,その度合いは架橋性基を有する物に比較して小さかった。これは有機スズ触媒による架橋のメカニズムに起因すると考えられ,触媒種とともに,架橋構造が劣化に大きく影響していることが分かった。
  • (1) ネットワーク基材の調製と評価
    青栁 充, 舩岡  正光
    2013 年34 巻3 号 p. 135-143
    発行日: 2013/05/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    針葉樹であるヒノキ(Chamaecyparis obtusa)の脱脂済み60 メッシュパス木粉から相分離系変換システム(Phase-separation system, PSS),二段法プロセスII に従い調製したヒノキリグノフェノール(LP,p- クレゾールタイプ,HCLC)ならびにカテコールタイプ(HCLCat)を基材として,前者には窒素雰囲気下で0.1 M NaOH 中60℃でホルムアルデヒドを反応させヒドロキシメチル(HM)基を導入し,天然リグニンの活性構造の一つであるベンジル構造を誘導した。またHCLC にはグリオキザール(GO),グルタルアルデヒド(GA)の導入を併せて試みた。各誘導体HCLC-HM,HCLC-GO,HCLC-GA ならびにHCLCat-HM はそれぞれ94.3%,88.9%,101.0%ならびに96.0%の収率で得られた。これらの前駆体を針葉樹未晒クラフトパルプ(フリーネス100)の表面にテトラヒドロフランを用いて収着させ,LP の凝集と導入フェノールの散逸を抑制し,表面積を維持しつつ徐々に加水分解される消失型担持体(VRS)として用いてPSS を適用させp- クレゾールの二次的な導入を試みた。 二次導入体HCLC-HM-pC,HCLC-GO-pC,HCLC-GA-pC ならびにHCLCat-HM-pC はVRS により凝集沈殿も生じず,それぞれ77.8%,81.5%,72.1%ならびに77.5%の収率で得られた。これらの誘導体に対しFT-IR,1 H-NMR による構造解析とTMA,TGA による熱特性評価を行った。HCLC-HM-pC ならびにHCLCat-HM-pC はp- クレゾールの逐次導入が認められた。他方,HCLC-GO ならびにHCLC-GA ではネットワーク化は確認されなかったが,TMA,TGA の結果,一時的な保護が生じ熱安定化を受け,酸性条件で脱保護されることが示唆された。以上の結果から,HCLC-HM 誘導体と同様に多官能フェノールを導入したLP から誘導したHCLCat-HM を基材とした場合のフェノール類の二次導入が効果的であり,PSS を介したネットワーク設計に適していた。
総説
  • 岸 肇
    2013 年34 巻3 号 p. 144-150
    発行日: 2013/05/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    エポキシ樹脂は,構造材料や接着剤等として,広く工業界で用いられているネットワークポリマーである。その硬化物の強靭化を目的として,エポキシ樹脂オリゴマーや硬化剤の化学構造探索のみならず,ゴム,フィラー,熱可塑性樹脂等の改質剤添加による組成物設計が従来から検討されてきた。最近,ブロック共重合体の自己組織化能力によるナノ相構造形成を,エポキシ樹脂ブレンドの強靭化に活かす研究が注目を集めている。ここでは,それらの相構造形成および力学特性発現に関する研究例を紹介する。
  • 佐々木 裕, 栗山 晃
    2013 年34 巻3 号 p. 151-159
    発行日: 2013/05/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    エポキシ樹脂の類縁体であるオキセタン樹脂は,1990 年代に至るまでその工業的な応用例はほとんど見られていなかった。西久保らによるオキセタン環の有機化学的な反応性に関する一連の報告に引き続き,著者らもオニウム塩系の光酸発生剤を用いたオキセタン類の光カチオン重合特性についての報告を行っている。これらの報告によりオキシラン環とは異なるオキセタン環の反応性についての知見が深まり,その特性を生かした応用に向けての研究・開発が行われてきている。本稿では,オキセタン樹脂の反応性という観点から,西久保らによるオキセタン化合物の素反応に関する研究,および,著者らが行ってきた光カチオン開環重合への応用に関する研究結果を概観し,オキセタン樹脂の熱硬化および光硬化によるネットワークポリマーへの応用の可能性について紹介する。
解説
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