ネットワークポリマー
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35 巻, 5 号
フェノール樹脂の新展開
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
総説
  • 雑村 史高, 小泉 浩二
    2014 年35 巻5 号 p. 190-202
    発行日: 2014/09/10
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
    フェノール樹脂が世界初の合成プラスチックとしてLeo Hendrik Baekeland により工業化されたのは1907 年のことであり,それ以降現在に至るまで100 年以上にわたりプラスチック産業の先駆的役割を果たしてきた。信頼性の高いプラスチックとしてその用途も多岐に渡り,工業用(摩擦材,シェルモールド,接着剤等),成形材料,積層板等のさまざまな分野に使用されている。 特に自動車用途においてはフェノール樹脂の耐熱性,耐薬品性,高強度,高接着力などを活かして,アルミ鋳造用の鋳型となるシェルモールド用,クラッチフェーシングやブレーキパッド等の摩擦材用,ゴムと配合するタイヤ用等に,またフェノール樹脂をガラス繊維などで強化したフェノール樹脂成形材料がエンジン周辺部品,各種電装部品,ポンプ関連部品等に用いられている。近年では金属部品の樹脂化が進んでおり高強度,高剛性フェノール樹脂成形材料の需要も増加している。本稿では,フェノール樹脂及びフェノール樹脂成形材料についてその特徴を,次いで自動車用途における適用事例及び高性能化の取り組みについて解説する。
  • 松本  泰宏
    2014 年35 巻5 号 p. 203-210
    発行日: 2014/09/10
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
    1907 年,Dr. Leo H. Beakeland によるフェノール樹脂の発明以来,フェノール樹脂は接着剤や成形材料等あらゆる用途で使用され続けている。しかしその後さまざまな熱可塑性樹脂が発明されたり,新たな加工技術が開発されたりしたために,その用途の一部を熱可塑性樹脂や金属に置き換えられている。しかし,フェノール樹脂がもつ特性を利用した用途に限っては現在も使用され続けている(フェノール樹脂の指定席用途がある)。フェノール樹脂の用途についてはたくさんあるが,本編では,フェノール樹脂の特性を利用した用途や今後の展開について述べる。
  • 木本 誠二
    2014 年35 巻5 号 p. 211-217
    発行日: 2014/09/10
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
    フェノール樹脂は加熱により3 次元ネットワークを形成する熱硬化性樹脂である。優れた耐熱性,機械的強度を示すことから,安全性が重要視される自動車部品に多数使用されている。その中でも本稿では,ブレーキやクラッチの部材である摩擦材に使用されるフェノール樹脂について総説した。最近の摩擦材要求特性とそれに対するフェノール樹脂の変性技術,開発動向について解説する。また,含浸加工における樹脂組成最適化によるマイグレーションの防止,VOC 低減を目指したフェノール樹脂水溶性化への取り組みについても解説する。
  • ─シェルモールド用フェノール樹脂と耐しゅう動摩耗性フェノール成形材料について
    和田 勝
    2014 年35 巻5 号 p. 218-225
    発行日: 2014/09/10
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
    フェノール樹脂は,塗料,接着剤,電気電子工業,自動車産業等において大量に使用されている。また,これらの分野向けに,新規のフェノール樹脂が開発されている。ここでは,シェルモールド用フェノール樹脂における造型時の臭気低減,鋳造時のヤニ低減など環境対応に関する技術動向を紹介する。また,フェノール樹脂成形材料の技術展開として,新たな耐しゅう動摩耗性のコンセプトを導入したフェノール樹脂成形材料について紹介する。
解説
  • 大久保 明浩
    2014 年35 巻5 号 p. 226-232
    発行日: 2014/09/10
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
    自動車産業ではフェノール樹脂がさまざまな形態で使用されている。ブレーキパッドやエンジン周りの成形部品,タイヤに至るまで,さまざまな部品において重要な素材の一つとして利用されている。また,車載部品だけではなく鋳造用の副資材としてエンジンの製造に重要な役割を担っている。こうした自動車産業の各分野で長期に渡り使用されてきた理由としては,フェノール樹脂が優れた特性とコストとのバランスの良い材料であることとともに,厳しい性能要求に応え進化し生き残ってきたからであるともいえる。本稿では自動車産業に関連した代表的なフェノール樹脂の適用用途の現状と技術動向について解説し,さらに自動車部品開発の上で重要なテーマである開発支援技術へのフェノール樹脂の適用に関してまとめた。
  • 井出 勇
    2014 年35 巻5 号 p. 233-240
    発行日: 2014/09/10
    公開日: 2015/01/21
    ジャーナル フリー
    熱硬化性のフェノール樹脂は,架橋反応を継続することで不溶不融性の硬化物になる。硬化物の代表的な特性に1)電気絶縁性と2)耐熱性とがある。耐熱性を見ると,加熱を続けても溶融することなく炭化に至る。このことが,耐熱性を要求する用途に利用される由縁である。これらの特長を活かした用途への応用に加えて,フェノール樹脂には新しい機能性の発現とその利用が求められている。他の高分子材料を見ると,ここ20 数年近く,工程を簡素化した球状の微粒子の合成方法が開発され,新素材として使用されている。熱硬化性のフェノール樹脂においても,効率的な球状微粒子の生産方法が数多く提案されている。また,得られた球状微粒子や,さらに炭化した炭素化微粒子は,その特性を活かした多くの用途に使用され始めている。ここ数年,合成方法や用途に関する特許出願は多数散見される。しかし,参考文献は多く見当たらないのが実情である。著者らも20 数年来,研究を重ねてきたことで多種多様なフェノール樹脂微粒子の合成方法を確立し,その製造と用途展開を行っている。本稿では,フェノール樹脂微粒子の製造方法や応用・用途に関する特許や研究結果を概観するとともに,フェノール樹脂微粒子の利用や炭化物用の先端材料素材としての新展開の可能性について紹介する。同時に弊社の開発したフェノール樹脂微粒子の一端についても触れて報告したい。 熱硬化性のフェノール樹脂は,架橋反応を継続することで不溶不融性の硬化物になる。硬化物の代表的な特性に1)電気絶縁性と2)耐熱性とがある。耐熱性を見ると,加熱を続けても溶融することなく炭化に至る。このことが,耐熱性を要求する用途に利用される由縁である。これらの特長を活かした用途への応用に加えて,フェノール樹脂には新しい機能性の発現とその利用が求められている。他の高分子材料を見ると,ここ20 数年近く,工程を簡素化した球状の微粒子の合成方法が開発され,新素材として使用されている。熱硬化性のフェノール樹脂においても,効率的な球状微粒子の生産方法が数多く提案されている。また,得られた球状微粒子や,さらに炭化した炭素化微粒子は,その特性を活かした多くの用途に使用され始めている。ここ数年,合成方法や用途に関する特許出願は多数散見される。しかし,参考文献は多く見当たらないのが実情である。著者らも20 数年来,研究を重ねてきたことで多種多様なフェノール樹脂微粒子の合成方法を確立し,その製造と用途展開を行っている。本稿では,フェノール樹脂微粒子の製造方法や応用・用途に関する特許や研究結果を概観するとともに,フェノール樹脂微粒子の利用や炭化物用の先端材料素材としての新展開の可能性について紹介する。同時に弊社の開発したフェノール樹脂微粒子の一端についても触れて報告したい。
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