ネットワークポリマー
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23 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 高橋 栄治, 三田 文雄, 遠藤 剛
    2002 年 23 巻 4 号 p. 170-177
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    N-ベンジル, N-(1-ナフチルメチル), N-(α-フェニルベンジル), N-シンナミル-3-プロモキノリニウムヘキレフルオロアンチモネート塩を3-プロモキノリンと対応するハライド化合物との反応後, 六フッ化アンチモン酸カリウムとの塩交換から合成し, これらを用いたエポキシモノマー, アクリルモノマーの重合を検討した。これらのキノリニウム塩は, 以前報告したN-ベンジル-2-シアノピリジニウム塩とほぼ同等の熱活性を示し, 効果的にエポキシモノマーをカチオン重合させた。また, ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物を添加すると, キノリニウム塩単独の場合より重合開始温度が低下した。更に, キノリニウム塩は光重合開始剤としても作用し, ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類, 2, 2-ジメトキシ-2-アセトフェノンのような光ラジカル発生剤および2-エチル-9, 10-ジメトキシアントラセンのような芳香族化合物を光増感剤として併用すると活性が向上した。一方, キノリニウム塩は光ラジカル重合開始剤としても機能した。
  • 仙北谷 英貴, 山本 秀朗, 党 偉栄, 久保内 昌敏, 津田 健
    2002 年 23 巻 4 号 p. 178-187
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    ケミカルリサイクルを行う目的で3種類のエポキシ樹脂を80℃の4mol/1およひ6mol/1の硝酸水溶液により分解した.DDM (diaminodiphenylmethane) 硬化ビスフェノールF型エポキシ樹脂では, 樹脂は4molAで約400時間, 6mol/1で80時間の分解時間を要した.DDS (diaminodiphenylsulfone) 硬化TGDDM (tetraglycidyldiaminodiphenylmethane) 型エポキシ樹脂は, 4mol/1では約50時間, 6mol/1では約15時間で分解した.硝酸水溶液から酢酸エチルによって抽出された化合物の分析の結果, C-N結合の開裂とニトロ化が起こっていることが明らかになった.また, 一般的に耐酸性の高い酸無水物硬化エポキシ樹脂について, 樹脂主剤の化学構造の中にC-N結合をもつ無水メチルハイミック酸硬化TGDDM型エポキシ樹脂を硝酸水溶液で分解させた.4molA硝酸水溶液では約80時間, 6mol/1では約250時間で分解し, 本手法が酸無水物硬化エポキシ樹脂にも応用可能であることが明らかになった.分解生成物の分析結果から, 回収された分解生成物を再重合する目的であればビスフェノールF型エポキシ樹脂の4mol/1硝酸水溶液による分解が優れ, 単純に廃棄物処理するだけであればDDS硬化TGDDM型エポキシ樹脂を6mol/1硝酸水溶液で分解させる方法が最も適していることが明らかになった.
  • 深谷 太郎, 佐谷 志保子, カオミン タイ
    2002 年 23 巻 4 号 p. 188-194
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    ウレタン樹脂を連続分解法を用いて化学的に分解し, その分解物をエポキシ樹脂の硬化剤として再利用した。分解物の混合量と分解剤の使用量を変化させ, 再生樹脂の特性を評価した。分解物とエポキシ樹脂の配合を変化させたところ, いずれの分解物においても最適な配合比が存在し, その配合比においては機械的特性・電気的特性・熱的特性が最も良好であることが判明した。またその値は酸無水物硬化エポキシ樹脂と同等の特性を示し, ウレタン樹脂分解物はエポキシ樹脂の硬化剤として十分使用できることを示した。
  • 竹市 力, 日下部 祐介
    2002 年 23 巻 4 号 p. 195-202
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    ポリベンゾオキサジンの靭性向上を始めとする高性能化を目的としてポリイミドとのアロイ化を検討した。ベンゾオキサジンモノマーとポリイミド前駆体のポリアミド酸とを溶液ブレンドし, 得られるキャストフィルムを加熱処理してベンゾオキサジンの開環重合とイミド化を行うことにより, 三次元網目構造のポリベンゾオキサジンと直鎖状ポリイミドとからなるセミー相互侵入高分子網目 (IPN) 型のポリマーアロイフィルムを作製した。また, ポリイミド主鎖にフェノール性水酸基を導入することによって活性化された芳香環とベンゾオキサジンとの共重合によって, AB-共架橋型のポリマーアロイフィルムも作製した。ポリアミド酸をベンゾオキサジンモノマーにブレンドすると, カルボキシル基の触媒作用でベンゾオキサジンの開環重合温度を大幅に低下させることができた。いずれのポリイミドもポリベンゾオキサジンの高靭性化に有効であったが, セミ-IPN型の方が, 高靭性化にはより有効であった。ポリイミドとのアロイ化により, ポリベンゾオキサジンのガラス転移温度や熱分解温度が高くなり, ポリベンゾオキサジンの高性能化に有効であった。
  • 第1報研磨粉の磁化による導電性の改善
    吉川 俊夫, 中原 崇文, 木村 圭一郎
    2002 年 23 巻 4 号 p. 203-210
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    研磨粉/不飽和ポリエステル混合物に磁場を印加して研磨粉を磁化したのち硬化させ磁場の印加が硬化物の導電性に与える効果を調べた。いろいろな磁場印加方法を比較した結果, 樹脂がゲル化するまでソレノイドによる磁場印加を続ける方法が導電性向上効果が大きいことがわかった。しかしながら, 電磁石を使った更に簡便な方法でも一定の導電性向上効果があった。一方この系は, 硬化前は導電性を示さないが硬化収縮の過程で導電性が発達する性質があることもわかった。
  • 高磁場勾配NMR法によるアプローチ
    山根 祐治, 黒木 重樹, 安藤 勲
    2002 年 23 巻 4 号 p. 211-220
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    高分子ゲルは, 溶媒をゲル内に含み保持するだけでなく, 温度, pH, 電場等の外的刺激に応答して形状を変化させることから, 刺激応答材料や新規高機能性材料への展開が期待されている。これらの物性や機能の発現は, 網目鎖の構造やダイナミクス, 網目鎖と溶媒分子またはプローブ分子との分子間相互作用, さらに, これに関連したプローブ分子の拡散過程と密接な関係がある。このためにゲル内の物質拡散の情報から高分子ゲルの機能の発現を解明することは高分子ゲル科学の進歩には欠かせない。ゲル内のプローブ分子の拡散過程を解析する有力な手法のひとつにパルス磁場勾配スピンエコーNMR法がある。本総説では, 本手法の基本的な理論と, 得られたデータの解析方法及びその解釈について解説し, 本研究室で開発した超高磁場勾配NMRシステムを用いて高分子ゲル中の物質拡散を解析した例を紹介し, 今後の期待される展開について述べる。
  • 西森 誠
    2002 年 23 巻 4 号 p. 221-222
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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