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幸塚 広光, 栗栖 忠臣, 石川 雄大, 三宅 英数, 米田 昌訓
セッションID: 1A17L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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電子材料などの機能性セラミック薄膜をゾル-ゲル法により作製する際、ゲル膜の焼成過程で発生する亀裂が問題になることが多い。昇温過程で膜の面内方向に発生する引張応力が亀裂の発生の原因である。また、引張応力は基板のそりを誘起する。本発表ではアルコキシド溶液から作製されるゲル膜の焼成過程での応力のその場測定にもとづき、応力発生に及ぼす種々の因子を実験的に調べた結果について総合的に説明する。
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舟窪 浩, 桑原 弥紀, 横山 信太郎, 西田 謙, 河東田 隆
セッションID: 1A18L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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強誘電体のメモリに用いるPZT膜の要求項目として、動作電圧を下げるための低電圧化がある。このためには薄膜化は不可欠であるが、これまで安定した特性が得られるとされる(111)配向の多結晶薄膜に関して、薄膜化を試みた緩急はほとんどなかった。今回は(111)配向した導電性SrRuO3をバッファー層に用いることで、33nmまでの薄膜化に成功したので報告する。
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滝沢 佳世, 保科 拓也, 大石 真徳, 掛本 博文, 鶴見 敬章, 和田 智志, 駒林 正士
セッションID: 1A19L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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真空中でシュウ酸塩の熱分解法によりチタン酸バリウムナノ粒子を作製した。真空度を変化させて粒成長させても誘電特性がほとんど変化しなかった。本研究では、中間生成物である二酸化炭素に注目した。チタン酸バリウムナノ粒子を作製し、誘電特性の評価を行うことにより、サイズと誘電特性の関係を明らかにする。試料作成時に発生する二酸化炭素の相関から、誘電率の最適条件を見出す。
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北中 佑樹, 片山 真一, 野口 祐二, 宮山 勝
セッションID: 1A20L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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層状構造を持つチタンビスマス(BiT)は、非鉛圧電デバイスや抵抗変化型不揮発性メモリ(RRAM)用強誘電体材料として期待されている。BiTの自発分極ベクトルは、a-b面内からc軸方向に4-5º傾いているため、比較的大きいa軸方向成分(P
s(a))と小さいc軸方向成分(P
s(c))から成る。強誘電体の実用化において、ドメイン構造を明らかにして制御することは必須であるが、BiTのドメイン構造は明らかにされていない。本研究では、走査型プローブ顕微鏡によりBiT結晶の三次元ドメイン構造を観察すると同時に、光学顕微鏡によりドメインダイナミクスを評価した。これによりP
s(a)に由来する90ºドメインの中に、P
s(c)ドメインが形成されていることを明らかにした。また、90ºドメインダイナミクスを干渉色を利用して観察することによって、光学観察のみでP
s(a)の方向を決定することができた。P
s(c)の反転に伴うドメインダイナミクスについては、結晶を傾けた状態でa-b面内の干渉色変化を観察することで、簡便にその場観察を行った。
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坂下 達生, 澤田 武志, Deluca Marco, 山本 晋輔, 鈴木 利昌, Pezzotti Giuseppe, 茶園 広一
セッションID: 1A21
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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強誘電体や圧電体における応力をPiezospectroscopy法を用いてミクロスケールの空間分解能で測定する技術を検討している。強誘電体や圧電体においては応力によるドメインスイッチングが発生するため、これらの影響も同時に考慮した応力測定法が必要である。われわれは強誘電体、圧電体の残留応力の測定評価技術を偏光顕微ラマン分光法とカソードルミネッセンス法を用いたPiezoSpectroscopy法による応力測定法を用いて検討してきた。検討事例として、小型化、薄膜化が著しい大容量積層コンデンサにおける強誘電体層の応力評価の結果を報告する。
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井川 博行, 中井 亨, 齊藤 健一, 竹本 稔
セッションID: 1A22
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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結晶相は静的情報であり、ラマン散乱は動的情報であるため、後者により相を判定すると間違うことがある、と発表者ら従来より指摘している。この度、各種チタン酸バリウムについて、その粉末X線回折図形とラマン散乱の温度変化を測定した。その中に、温度変化させた粉末X線回折で立方晶と判定されるチタン酸バリウムについて、そのラマン散乱が正方晶と立方晶で同一といえる事例を発見したので、それを報告する。
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明渡 純, 小木曽 久人
セッションID: 1A23
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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エアロゾルデポジション法におけるセラミックス材料の常温衝撃固化現象について、常温での緻密化メカニズムの検討結果を報告する。サブミクロン粒径のセラミックス微粒子単体の圧縮破壊試験により、常温での塑性変形挙動や結晶の微細化が観察された。
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保科 拓也, 掛本 博文, 八島 正知, 鶴見 敬章, 和田 智志, 黒岩 芳弘
セッションID: 1A24
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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シュウ酸塩の2段階熱分解法により、20nmから430nmの粒子径を持つチタン酸バリウム微粒子を合成した。これらの微粒子の誘電率を測定した結果、誘電率が粒子のサイズに大きく依存することがわかった。また、高輝度放射光X線回折によって結晶構造を詳細に検討した結果、チタン酸バリウムナノ粒子には内部とは構造の異なる表面層が存在し、その層の厚さは粒子のサイズに依存することがわかった。結晶構造の粒子サイズ依存性や温度依存性、他の物質の粒子構造を検討することにより、チタン酸バリウムナノ粒子の表面層の起源、表面層が誘電特性に与える影響などについて考察を試みた。
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西山 満康, 保科 拓也, 掛本 博文, 鶴見 敬章, 和田 智志
セッションID: 1A26
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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噴霧熱分解法によりナノオーダーの蓚酸バリウムチタニル粒子を作製し、それを原料に2段階熱分解法を適用することにより、ナノオーダーのチタン酸バリウムナノ粒子を作製した。この結果、5nmの平均粒子径を持つチタン酸バリウムナノ粒子の作製に成功した。これらの粒子を用いて種々のキャラクタリゼーションを行った。
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本間 格, 平林 正之, 周 豪慎, 松田 弘文
セッションID: 1A27
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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メカニカルアロイング法を用いてSrOやTiO2などの酸化物粒子を前駆体として用いて粒径約6-8nmのBaTiO3ナノ結晶の合成を行った。室温合成でありながらペロブスカイト結晶構造を有するナノ粒子を作製することが出来た。
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吉川 智明, 樋口 昌史, 淺香 隆, 東 保男, 片山 恵一
セッションID: 1A28
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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SrZrO
3は、化学的安定で誘電体に用いられているが難焼結性である。そこで、本研究では、SrZrO
3の焼結性改善を目的とした。所定のモル比になるよう原料を秤量し、固相反応法により仮焼、焼成してSrZr
1-XAl
XO
3(X=0.00~0.1)を作製した。得られた焼結体は、粉末X線回折法により単相であることが確認された。焼成温度の上昇とAlの添加量が多くなるにつれ相対密度は増加し、仮焼温度1300℃、焼成温度1600℃の時、90%以上の相対密度を持つ緻密な焼結体が得られた。誘電特性は、Alの添加により誘電率は向上しているが、誘電損失に差が見られなかった。
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高崎 慶子, 小舟 正文, 矢澤 哲夫, 嶺重 温
セッションID: 1A29
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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近年、自動車衝突防止レーダなどの高度道路交通システム(ITS)分野において通信機器の小型化、軽量化及び高速化が強く要求されている。この要求を満たす半導体デバイスの有望な方式としてシステムインパッケージ(SIP)が注目されている。本SIP技術の特長は、能動及び受動素子部品を基板内蔵化することにある。これにより、低消費電力化、高性能化、実装面積の削減が期待される。しかしながら、SIP構成部材の一つである高誘電率絶縁体層で比誘電率が100を超える低誘電損失な無機?有機複合材料は見当たらない。とりわけ、環境低負荷の非鉛系材料はない。
そこで本研究では、[0.97{0.8BaTiO
3・0.2BaZrO
3}・0.03Ba(Fe
1/2Ta
1/2)O
3 + 0.5 mass% FeTaO
4](BZT-FT)系無機粉体を用いて表面改質を行った後、エポキシ樹脂との複合化を検討する。表面改質の諸条件及び無機粉体の粒径分布が複合体の高周波誘電特性に及ぼす影響について報告する。
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高木 健太, 今野 剛彰, 妹尾 和則, 川崎 亮
セッションID: 1A30
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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近年,テラヘルツ領域の電磁波が医療・通信分野で期待を集めており,その制御デバイスとしてはフォトニック結晶が注目されている.フォトニック結晶を構成する材料は高い誘電率と高い電磁波透過性が必要とされており,テラヘルツ領域においてはセラミックスがその候補として挙げられる.しかし,現在までにその周波数領域におけるセラミックスの誘電・透過特性は殆ど調査されていない.そこで,テラヘルツ領域分光法を用いて,様々な酸化物,窒化物セラミックスの誘電・透過特性を評価した.その結果,希土類酸化物がテラヘルツ領域内で比較的高い誘電率と透過率を示した.特に,CeO2は20以上の誘電率を有すにも関わらず,数10%の比較的高い透過率を有することが分かった.
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寺西 貴志, 田嶋 健太郎, 張替 貴聖, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章
セッションID: 1A31
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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本研究では、Bサイト置換型ペロブスカイト型酸化物であるSrTiO3および SrZrO3について、それぞれの光学フォノンモードの解析により、両者間の低周波領域における有意な誘電性の差異の発現因子を解明することを目的とした。まず、自作のSrZrxTi1-xO3 系酸化物のマイクロ波帯における誘電特性を、測定周波数に応じて2つの新規評価法(微小平面電極を用いたインピーダンス法、およびリング共振器法)により評価した。さらに、THz帯域でのFT-IR反射率測定を行い、誘電特性のデータを併用してFPSQモデルによるSrZrxTi1-xO3 の誘電分散フィッティングを行った。結果として100_から_100THzまでの誘電分散スペクトルを得た。
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古賀 英一, 森分 博紀, 柿本 健一, 大里 斉
セッションID: 1A32
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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プラズマ焼結により低温度、短時間でBa(ZN1/3Ta2/3)O3を合成し,結晶構造とマイクロ波誘電特性を評価した.
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宮崎 広行, 平尾 喜代司
セッションID: 1A33
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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代表的な構造用セラミックスである窒化ケイ素ついてはその機械的、熱的特性に関してこれまで多くの研究が行われてきた。しかし、電磁気特性についての系統的な研究は殆ど行なわれていない。本発表では、焼結助剤の組成、焼成温度及び時間、アニール処理などのプロセス因子が窒化ケイ素焼結体のマイクロ波領域での誘電特性に及ぼす影響について報告する。
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堺 香代, 大平 晃也
セッションID: 1A34
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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高周波帯で使用される酸化物系誘電体セラミックスは応用範囲が広く、その必要特性に応じた種々の組成が提案されている。誘電特性は純度や微構造の影響を受けるため、組成以外に合成法の検討も重要である。本研究では、数秒間での昇温・高温反応を特徴とする燃焼合成法により、
BaO-Nd2O3-TiO2系誘電体セラミックスを合成した。合成粉末の結晶構造を調べたところ、
BaNd2Ti5O14もしくは
BaNd2Ti4O12のタングステン-ブロンズ型を示した。焼結体の比誘電率は約
81、比誘電率温度係数は
-66.7ppm/℃であった。
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関根 崇, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章, 明渡 純
セッションID: 1A35
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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電子機器の小型化・高速化が進むのに伴い、キャパシタを基板に内蔵する技術が求められているが、Aerosol Deposition Method(AD法)は低温で緻密な膜を高速で作製出来るため、その有力な候補と考えられている。本研究では、より高いキャパシタンス密度を持つ誘電体厚膜を得るための方法を提案することを目的とする。その方法として、原料粉の粒径を変化させることで、誘電体厚膜の微細構造を制御することを検討した。それに関連してサイズ効果による影響の大きいBaTiO3以外の固溶体材料(BZT, BST)の検討を行った。最後に、成膜中の原料粉加熱の効果について検討した。
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桃谷 光保子, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章, 明渡 純
セッションID: 1A36
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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既存のマイクロ波誘電体は高温焼結により作製され、バルク形状に制限されていた。本研究では、セラミックスの室温成膜法であるエアロゾルデポジション(AD)法を用いて、低温プロセスによるマイクロ波誘電体厚膜作製を行う。出発原料としては、既往の研究により優れた特性が認められているBa4.2Sm9.2Ti18O54を選択し、粒径の異なる3種類の粉末を用いた。これを、AD法を用いてCu基板上に作製し、誘電特性の評価を行った。粒径による特性の違いおよびアニーリング効果を通して、微細構造が誘電特性に及ぼす影響を解明する。
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武田 博明, 後藤 隆平, 西田 貴司, 塩嵜 忠, 島田 武司, 寺尾 公一
セッションID: 1B17
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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BaTiO
3-(Bi
1/2Na
1/2)TiO
3(BT-BNT)系半導体セラミックスの作製を行い、そのPTC特性の評価を行った。キュリー温度が170℃付近である組成に対し、原料粉末混合時にLa
2O
3を添加して大気雰囲気焼結を行ったところ、試料は半導体化せず、低酸素分圧下で焼成することによりPTC特性が発現した。(1-x)BT-(x)BNTで表されるBNT置換量に関し、x=0.1-0.9まで0.1刻みで作製した試料は全て室温でTetragonal単相であることをXRDで確認した。これらを低酸素分圧下で焼結を行ったところ、x≦0.3で半導体化かつPTC特性を示し、x≧0.4では半導体化が困難であることがわかった。また、基準温度(25℃)での抵抗値の2倍であるスイッチング温度はx の増加に伴って上昇し、x=0.3で210℃を示し家電用ヒーター素子への応用も期待できることがわかった。
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竹内 信行, 平田 雄一, 石田 信伍, 小林 久芳
セッションID: 1B18
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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焼結助剤としてB
2O
3を用いて、通常より100℃程度低い1275℃で水素中で焼成した。焼成試料の比抵抗は10Ωcm以下の低抵抗体となったが、正温度特性(PTCR特性)は発現しなかった。これは、粒界に存在するアクセプター種である吸着酸素が水素中の焼成によりほとんど消失たためと考えた。水素中焼成試料を800℃で空気中で再酸化すると、粒子界に吸着酸素が導入され、PTCR特性が発現した。焼結助剤無添加試料の相対密度は添加試料とほぼ同程度であったが、室温比抵抗は高かった。これは、助剤無添加試料では、粒成長しにくく、高抵抗の粒界部分が相対的に大きかったためと考えられる。
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森分 博紀
セッションID: 1B19A
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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排気ガスの浄化には,排気ガス温度の精密な測定による制御が必要不可欠となる.著者らは(Al,Cr,Fe)2O3系高温サーミスタ材料を開発し、従来の高温サーミスタ材料を一新し、1100℃の最高耐熱温度を有し,100_から_1000℃の広い温度範囲にて+/_-_10℃の高精度な温度測定が可能な「ワイドレンジ高温サーミスタ」を開発・量産化に成功した.当デバイスは、自動車排気ガスの環境問題を解決するキーデバイスとして排気ガス浄化システム用温度センサとして採用され、自動車分野への応用が拡大しつつある.この材料開発において,著者らは第一原理計算を積極的に利用し,材料開発の効率化を図ることに成功した.本講演では,第一原理計算と精密な実験の連携により,スピネル型MgCr2O4系材料について解析を行った部分を中心に解説する.
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三浦 忠将, 中山 晃慶, 新見 秀明, 田村 博
セッションID: 1B21
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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フリー
電子機器に対する小型・薄型・軽量化のニーズにより、基板の高密度実装化が可能な各種表面実装型チップ部品の需要が拡大している。このような表面実装型チップ部品では信頼性向上のため、特性の安定性に加え、機械強度の向上が重要な課題である。 我々は、温度補償や温度検知に使用されるチップNTCサーミスタについて、代表的な組成系である(Mn,Ni)3O4を中心に、Fe,Co,Alを添加した材料の機械強度を調査した。材料組成や焼成条件、微細組織構造が機械強度に及ぼす影響について、得られた知見を報告する。
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島田 武司, 田路 和也, 勝山 義昭, 武田 博明, 塩嵜 忠
セッションID: 1B22
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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近年、環境を考慮した種々の電子セラミックスの開発が盛んになってきた。我々は130℃以上の温度でスイッチングするPTC材料に注目し、非鉛系の成分を有する材料の開発を行っている。本研究ではBaTiO
3-(Bi
1/2Na
1/2)TiO
3系のPTC特性とこの材料の作製過程における焼結時間の効果について調査した。これまでの研究により、鉛系材料にはジャンプ特性で劣るもののデバイスとして充分利用できるレベルに達している。特に焼結時間に対し興味ある結果を得たのでその結果について報告する。
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高岡 英清
セッションID: 1B23A
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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環境規制へ対応するために、世界中でSn-PbはんだからPbフリ_-_はんだへの移行が急ピッチで検討されている。プリント配線基板への実装用はんだについてはSn-3Ag-0.5Cuが実用化されているが、電子部品の内部接続用はんだは、電極が薄くかつ高温で接合されることから、このようなはんだで接合すると電極の溶食が生じる問題がある。このような要請に対して、一般的なPbフリ_-_はんだであっても、はんだに遷移金属を微量添加することによって、電極の溶食が抑制できることを見出した。遷移金属としてNiを選択した場合は、Cu母材との接合界面に通常形成される反応物(Cu6Sn5)ではなく、CuとNiが置換した(Cu,Ni)6Sn5を形成する。Cu6Sn5より熱に安定な接合界面となり、電極/はんだ間の拡散速度が低下したため溶食が抑制できる。有効元素にはNiの他、Al,Mn,Pd,Co,Fe,Znも見出している。
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田中 圭介, 薬師寺 勇治, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介
セッションID: 1B26
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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Pd単層薄膜光検知式水素センサは、雰囲気の水素濃度の変化に応じてPdの光学特性が変化することを作動原理としている。これまでの研究で、ガラス基板上のPd薄膜は優れた水素検出感度と応答・回復特性を示すことがわかっている。本研究は、より高感度で安定した繰り返し水素検知特性を有する水素センサの作製を目的とした。R. F. マグネトロンスパッタリング装置を用いて、Arガス圧1 Pa、出力50 Wの条件でガラス基板上にPdとガラスを同時スパッタリングすることによってセンサ試料とした。得られた試料の繰り返し水素検知特性、及び水素化に伴うPd薄膜の表面形状変化の観察結果を報告する。
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伊藤 敏雄, 松原 一郎, 申 ウソク, 伊豆 典哉
セッションID: 1B27
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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層状酸化物半導体の一種である酸化モリブデン層間に有機化合物をインターカレートしたハイブリッド材料は、VOCガスセンサに必要な信号変換機能と分子認識機能を、それぞれ酸化モリブデンとその層間の有機化合物に分担させることで、高い選択性と感度を有した新しいセンサ材料への応用が期待される。特に、その分子認識機能を担う層間の有機化合物を多様化させることで、種々のVOCガスに対する選択性を制御できるものと期待される。本発表では、基板上の酸化モリブデン配向膜の層間にポリアニリン誘導体を取り込ませて得た有機無機ハイブリッド薄膜について種々のポリアニリン誘導体が与えるVOCガスセンサ特性について報告する。
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栗原 丈, 薬師寺 勇治, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介
セッションID: 1B28
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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Pd単層薄膜光検知式水素センサは、Pd薄膜の水素化に伴う形状や自由電子の現象による光学定数変化を利用して水素を検知している。これまでの研究で、Pd薄膜は膜厚が数十 nm以上になると水素吸蔵時に10 %もの体積膨張が発生するため、ガラス基板を用いた場合には、繰り返し水素を検知することによりPdが基板から剥離するという耐久性の問題を有している。そこで本研究は、Pd薄膜光検知式水素センサの基板として用いているガラスの組成が検知特性に与える効果を検討した。
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松原 一郎, 伊藤 敏雄, 申 ウソク, 伊豆 典哉, 村山 宣光
セッションID: 1B29
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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酸化タングステンはガス分子の吸脱着によって抵抗が変化するため、ガスセンサへの応用が期待されている。本研究では、タングステン錯体のイソプロパノール溶液を用いてスピンコーティングあるいはインクジェット法により、シリコン基板上に薄膜素子を作製した。硫化水素ガスに対するセンサ特性を評価したところ良好な応答特性を示した。さらに700℃でアニール処理を行うことにより高感度化が達成され、0.5ppmの硫化水素ガスを検知することが可能となった。抵抗値の温度依存性を測定した結果、アニール処理による高感度化はキャリヤ濃度が減少したことに帰因することが明らかとなった。
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薬師寺 勇治, 黒木 雄一郎, 岡元 智一郎, 高田 雅介
セッションID: 1B30
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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我々は、Pd薄膜の水素化に伴う光学特性の変化を作動原理とする光検知式水素センサの研究を行っている。ガラス基板上のPd薄膜は優れた水素検出感度と応答・回復特性を示すことがわかっている。しかし、Pd薄膜は膜厚が数十 nm以上になると水素吸蔵時に10 %もの体積膨張が発生するため、ガラス基板を用いた場合には繰り返し水素を検知することによりPdが基板から剥離するという耐久性の問題がある。耐久性向上のためにはPd薄膜と接する基板表面の改質を行うことが有効であると考えられる。本研究では基板の逆スパッタリングを行うことにより基板表面の改質を試みた。その結果、基板に逆スパッタリング処理を施した水素センサは高い耐久性を有することが確認された。
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吉川 信一, 大滝 信二, 長坂 一輝, 八田 直也, 山本 伸一, 武田 隆史
セッションID: 1B31L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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窒化ガリウムにおける機能融合化を目指して、ゲル化窒化法による異種金属カチオンをドープした。クエン酸をゲル化剤として得られたガリウム化合物は、陽イオン欠損したウルツ鉱型酸窒化ガリウムであった。さらにCrおよび希土類は1%程度しか固溶せず、欠損ウルツ鉱型であった。しかしMnおよびLiは10%程度固溶し、これらの酸化物クラスターがGaN中に形成された。
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川口 晋之介, 並木 恵一, 大塩 茂夫, 西野 純一, 斎藤 秀俊
セッションID: 1B32L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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我々は、大気開放型化学気相析出(CVD)法により結晶性の高い酸化イットリウム(Y
2O
3)の作製を行なってきた。酸化イットリウムは、耐プラズマ性に優れ半導体装置部品や蛍光体膜などで応用が期待されている。現在の堆積速度0.5 μm/hを大きく増加させることにより大きく実用化が進むと考えられる。本研究では、膜成長促進のためにキャリアガスに少量の酸素を導入すること、また、ノズル部に囲いを設けることを提案し、大気開放型CVD装置を用いて酸化イットリウムの堆積速度を上げる試みを行った。
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末松 久幸, 斉藤 祐介, 村井 啓一, 鈴木 常生, 中山 忠親, 江 偉華, 新原 晧一
セッションID: 1B33L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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有機物蒸気中でパルス細線放電することにより、導電ペースト用有機物被覆卑金属超微粒子が容易に作製できることが報告された。一方この際、ヒーターで雰囲気ガス中に有機物蒸気/ミストを発生させ、この中で原料の金属細線にパルス通電加熱を行う必要があった。この金属細線にオレイン酸を直接塗布して通電すれば、オレイン酸の蒸気/ミスト発生と、金属蒸気の発生が同時に行えると考え、実験を行った。直径0.25mmの銅細線にオレイン酸を塗布し、窒素ガス中でパルス細線放電を行った。作製した超微粒子のX線回折図形から、作製後室温大気中に4日間放置しても酸化物のピークが見られない有機物被覆超微粒子が作製できたことが判明した。
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安盛 敦雄, 大垣 武, 牧野 充浩
セッションID: 1B34L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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近年、燃料電池を始めとする水素や有機物を燃料とした新規エネルギー源の開発が進展している。これらの実用化や性能・安全性の向上をさらに進めるためには、可燃性ガスなどの濃度の迅速かつ高精度で測定できるセンサ材料の開発が必須となる。その中で半導体の電気抵抗変化を用いたガスセンサは、その簡便な構造や低コストにより、すでに広範囲な分野で実用化されているが、ガス選択性や応答性などさらなる性能の向上も求められている。本研究では湿式プロセスを用いて作製したチタニア薄膜に白金・パラジウム微粒子を共担持することにより、水素ガスに対して特に20%以下の低濃度領域で、電気伝導度変化の迅速な応答性と濃度依存性が認められたので報告する。
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青井 芳史, 藤澤 麻由里
セッションID: 1B35L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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パルスレーザー堆積法によりアモルファス炭素薄膜を合成し、その製膜条件と得られた薄膜の構造・物性について検討した。また、得られた薄膜の電気化学的特性について検討し、構造・物性と電気化学的特性の関連について明らかにした。得られたアモルファス炭素薄膜を電極としてFe(CN)
63-/4-の酸化還元特性について検討したところ、その可逆性は薄膜の構造により変化し、薄膜中のグラファイト成分の割合により変化した。また、硫酸水溶液中において電位窓を計測したところ、グラッシーカーボンに比べて広い電位窓を有し、電気二重層による静電容量が小さいことが明らかになった。このような特性を有するアモルファス炭素電極のセンサ等の電気化学デバイスへの応用についても検討した。
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岡元 智一郎, 櫻井 斉, 高田 雅介, 川本 昂
セッションID: 1B36L
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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我々が開発した通電加熱法は、導電性を有する材料の通電加熱によりナノメートルサイズの結晶を成長させるものであり、酸化物の結晶成長に有効な手法であることが明らかになってきた。とりわけ、酸化亜鉛のホロー状結晶やウイスカー等の成長に有効であり、この手法により得られた結晶からレーザ発振等の多くの研究成果が得られている。今回、炭素線材、SiC線材を通電加熱することにより、カーボンナノチューブを含むナノカーボン材料を合成したので報告する。
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加納 誠介
セッションID: 1C18
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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光学レンズの型材などで利用されているWC-Coの切削加工による高精度加工のための基盤研究として、ケモメカニカル効果を利用する方法を検討している。この効果を発現させるためには表面のクリーニングが重要となる。本研究では、可視レーザー光をパルスでWC-Coに照射しパルミ酸ブチル等の有機高分子を塗布し、表面の硬さや引っかき特性がどう変わるかを調べた。その結果、レーザーの照射エネルギー密度が0.25mJ/cm2の場合に、レーザー照射をしない場合と比べ10%程度硬さが低下することがわかった。また、これまでのスクラッチ試験では、潤滑の効果が支配的であることがわかった。
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日向 秀樹, ジョーンズ マーク, 平尾 喜代司, 山内 幸彦, 吉田 克己, 北 英紀
セッションID: 1C19
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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窒化ケイ素/W複合材料を、WBのIn-situ反応を利用しホットプレスによって作製した。得られた焼結体のXRD観察の結果、焼結体中の主な構成相はβ-Si3N4, W, W2B, W2Cであった。また、EDXの結果、分散したW粒子の近傍にB、Nがリッチな部分が確認された。本材料を水中で摺動した場合、Wを添加していない通常の窒化ケイ素セラミックスと比較して、初期なじみの距離が減少するととともに低摩擦領域での摩擦係数の安定性にも優れていることが確認された。また、耐摩耗性もまた向上していることが確認された。
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柏木 一美, 北岡 諭, 和田 匡史, 酒井 武信
セッションID: 1C20
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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近年、ディーゼル車の排ガス規制に伴い、軽油中に含まれる硫黄成分の削減が図られている。しかしながら、その環境下で使用している摺動部材のトライボロジー特性が及ぼす軽油中の硫黄成分や潤滑性向上剤の影響は明らかでない。本研究では実摺動部品の組み合わせである窒化ケイ素-軸受鋼の組み合わせにおいて、高温燃料中のトライボロジー特性に及ぼす硫黄成分および潤滑性向上剤の影響について評価した。その結果、境界潤滑下における窒化ケイ素-軸受鋼間のトライボロジー特性は、硫黄濃度、試験片接触形態の違い等に依存することがわかった。
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飛塚 俊秀, 今井 雅三, 小田原 修, 矢野 豊彦
セッションID: 1C21
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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宇宙構造材料として使用されるセラミックスは、金属とは違う優れた特性が期待されるが、特性変化に及ぼす宇宙曝露の影響は十分には明らかにされていない。そこで本研究では1年及び2年間宇宙環境曝露(SM/SEED)した試料について、宇宙環境曝露期間の差による特性変化の違いを明らかにした。試料は、窒化アルミ、炭化ケイ素(ホットプレス法と反応焼結法により作製)、アルミ板あるいはアルミナ板に窒化チタンをイオンプレーティングした試料の計5種類である。宇宙曝露とは別に地上対照試験として、上記試料に原子状酸素、紫外線、電子線を照射した。これらの試料について、質量測定、熱光学測定、表面粗さ測定、SEM観察、WDX分析、SIMS分析を行い、宇宙環境曝露の影響を評価した。
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松尾 陽太郎, 塩田 忠, 安田 公一
セッションID: 1C22
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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セラミックスの強度信頼性解析において、破壊に関する各種情報が果たす役割について、総合的に研究した例は、著者らの知る限りではまだない。本研究では、強度信頼性解析に及ぼす破壊情報ー強度データ、破壊原因データ、破壊位置データ、欠陥寸法データ、欠陥方向データなどが強度信頼性解析に及ぼす影響を理論的に考察し、これら各種情報の役割について総合的に考察した。
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鶴来 昌樹, 町田 隆志
セッションID: 1C23
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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珪酸とアルミナの混合多孔体と炭化珪素多孔体を用いて,4点曲げ疲労試験と球押し込み試験を行い,多孔質セラミックスの強度特性および破壊挙動に及ぼす試験方法および試験片寸法の影響を調べ,以下の結論を得た。1)疲労試験では,負荷時間あるいは負荷繰返し数に依存性が確認され、特に負荷時間に強く依存する傾向が認められた。2)応力比、試験片寸法には顕著な依存性は認められなかった。3)球押込み試験では、破壊荷重には,顕著な変位速度の影響は認められなかった。4)板厚さが増加すると,破壊荷重は増加する傾向が認められた。
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嶋津 季朗, 三浦 正嗣, 井須 紀文, 小河 俊哉, 市川 明博, 石田 秀輝
セッションID: 1C24
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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精密機械加工や電子顕微鏡分野において、現在のレベル以上の微細な制御や観察をするための阻害要因として、系内の構造材料に生ずる振動が考えられる。この問題の解決には、構造材料自体に優れたダンピング特性を持たせることが有効である。構造材料に用いられるような剛性の高い材料でかつダンピング特性の高い材料としては、制振合金や制振鋼板等があるが、高い製造技術を要する・形状に制限がある等の問題点があるため、我々は製作が簡便で形状の自由度が大きい材料を目指して、セラミックス多孔体を基材として高分子を含浸・複合化させる手法での材料開発を進めている。Al2TiO5-MgTi2O5固溶体系セラミックスのダンピング性を高め、高分子と複合化することで、ヤング率50から60GPa、内部摩擦0.01から0.03と、剛性・ダンピング共に併せ持つ材料を開発したきた。振動減衰材料として用いる際の最適な周波数領域を調べるため複合材料の内部摩擦の周波数依存性を動的粘弾性測定で評価した結果、複合材料は1Hz以下の低周波領域で内部摩擦ピークを持つ材料であることがわかった。
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古嶋 亮一, 松尾 陽太郎, 塩田 忠, 安田 公一
セッションID: 1C25
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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アルミナ/黒鉛質耐火物および等方性黒鉛に1軸圧縮応力を繰り返し負荷・除荷したときの損傷について評価を行った。超音波法により負荷・除荷過程における各々の耐火物の見かけの音速および減衰率をin-situ測定し、得られた結果を比較した。負荷除荷過程における見かけの音速の変化の傾向はアルミナ/黒鉛質耐火物と等方性黒鉛の間で大きく異なり、減衰率の変化においても見かけの音速の変化の傾向と逆位相で対応した結果を得た。除荷後の各々の変化量の大きさから、繰り返し負荷・除荷によりアルミナ/黒鉛質耐火物には残留歪が若干累積するが、等方性黒鉛にはほとんど累積しないと考えられる。以上の結果をもとに両方の耐火物において可逆的な損傷と不可逆的な損傷メカニズムを含む損傷モデルを提案した。
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羽切 教雄, 永谷 裕介, 松田 厚範, 逆井 基次
セッションID: 1C26
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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本研究は弾塑性薄膜/基板2層複合体の圧子力学において膜のみの力学物性を得るための定量解析手法の確立を目的としている。薄膜の圧子圧入試験において膜厚との比較で圧入量が増大すると基板の影響が顕著に現れる。このため、圧子力学により膜のみの力学物性を評価することは重要な課題である。ゾル-ゲル法を用いて、有機/無機ハイブリッドであるメチルシルセスキオキサンをソーダ石灰ガラス基板上にコーティングし、膜厚を異にする種々の弾塑性薄膜/基板2層複合体を調製した。Berkovich3面ピラミッド圧子を用いたナノインデンテーション試験を行った。膜厚と圧入深さの比を変えることにより薄膜の弾塑性変形挙動に与える基板の効果を体系的に精査した。
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赤津 隆, 佐々木 涼, 吉田 道之, 篠田 豊, 若井 史博
セッションID: 1C27
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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ナノインデンテーション法は生体材料や高分子材料などのような粘弾性を示す材料の力学特性評価に使われつつある。粘弾性を評価する場合、インデンテーションクリープが用いられることが多いが、インデンテーション荷重緩和試験の方が、力学的な単純さから便利である。この研究の目的は、圧子力学に依存することなく、粘弾性材料のインデンテーション荷重緩和に対する新しい逆解析法を開発することである。クリープパラメータ、例えばクリープ定数やクリープ応力指数、が荷重緩和挙動に及ぼす影響について発表する。
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安田 公一, 岡本 拓, 塩田 忠, 松尾 陽太郎
セッションID: 1C29
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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セラミックスの超塑性変形メカニズムを解明することを目的として,多結晶ジルコニアの繰り返し高温変形試験を行い,各試験前後の同一視野におけるFE−SEM観察を行った.画像解析により,各結晶粒子の位置ベクトルを求め,これらのデータから高温変形試験前後での変位ベクトルを算出した.約800個の変位ベクトル分布図を精査したところ,数十から数百個の粒子がドメインを形成していることが分かった.ただし,これらのドメインはある程度運動すると周囲に拘束されて消滅し,別の場所に,新たなドメインが形成されることが分かった.以上の実験結果から,組み換えドメイン運動という新しい超塑性メカニズムを提案する.
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和田 琢真, 岡本 泰則
セッションID: 1C30
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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立方晶安定化ジルコニア (CSZ) は一般に難焼結性で、得られた焼結体は数μm_から_数十μmの大粒径となり、高温での変形は容易ではない。Y-TZPの超塑性変形とは対照的である。これらの事実は、両ジルコニアの粒内でなくむしろ粒界の性質の違いを示唆している。そこで、8 mol%のイットリアを添加し安定化させた立方晶ジルコニア (8Y-CSZ) に粒内固溶型のTiO2と粒界偏析するAl2O3を添加し、1300 ℃から1450 ℃でクリープ試験を行った。粒界指数と応力指数を無添加の立方晶ジルコニアの高温変形と比較検討し、変形を律速する陽イオンの拡散経路を考察する。
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吉田 英弘
セッションID: 1C31A
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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多結晶Al
2O
3やTZPといった酸化物セラミックスの高温クリープ特性や超塑性変形挙動は、極微量のカチオン添加によって大幅に変化することが見出された。カチオンの粒界偏析に伴い、粒界近傍の原子間化学結合状態が影響を受け、粒界原子拡散が増減すると共に耐高温クリープ特性や超塑性特性が変化したものと考えられる。これは、粒界ナノ領域の原子構造・化学結合状態が、高温力学特性というマクロな性質に顕著に反映するという極めて興味深い現象である。講演では、セラミックスの高温変形特性と粒界ナノ領域での化学結合状態に関して得られた最新の成果を紹介する。
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中川 翼, 坂口 勲, 松永 克志, 山本 剛久, 羽田 肇, 幾原 雄一
セッションID: 1C33
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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アルミナは代表的な高温構造材料であり、高温挙動の起源となる拡散挙動に関する研究は数多く行われている。しかし、多結晶材料において特に重要になる粒界拡散に関する研究においては、各粒界の方位関係、または極微量の不純物の存在等によって拡散挙動が大きく異なるため、定量的な評価は非常に困難であり、自己拡散においても酸素、アルミニウムのどちらの拡散が速いかさえ解っていない。発表者らは、これまで双結晶を用いてアルミナ粒界における酸素の自己拡散挙動を各粒界の原子構造と対応付けて定量的に評価してきたが、今回、数種のカチオンの不純物拡散の評価を行ったのでこれについて報告する。
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