さきに金沢兼六園にある竹根石を調査し, これをヤシ類の幹と根の化石であることを組織学上から鑑定して
Palmoxylon Maedae と名付けた.この化石の由来に外来説があるが確かな根拠がなく, 筆者はむしろ内地産と考えていた.果せるかな, 金訳の浅野川の河床から新しい
Palmoxylonの破片が発見せられたが, この新化石は組織学的に
P. Maedaeに非常に似ているが別種であるので, これを
P.kagaenseと命名する.恐らく浅野川上流の緑色凝灰岩 (中新世) に含まれたものが流れて来たものであろう.昭和28年8月常盤園下の砂礫中から来国飽君の採集したもの.
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