日本古生物学會報告・紀事 新編
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1978 巻, 110 号
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  • 奥田 尚, 山際 延夫
    1978 年 1978 巻 110 号 p. 297-305
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    奈良県大普賢岳東部に位置する山葵谷の緑色岩類中の礫状石灰岩から大和大峯研究グループによって採集された六射珊瑚化石を研究し, 1新種をふくむ9種および1新亜種を記載報告すると共に, それらを主体とする六射珊瑚化石群集の年代が後期トリアス紀をしめすことを論述した。
  • 松本 達郎, 原口 善光
    1978 年 1978 巻 110 号 p. 306-318_1
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    北海道上部白亜系産のTexanitinae (Collignoniceratidae科の中の1亜科)に属するアンモナイトは, MATSUMOTO (1970)のモノグラフに記載されているが, 最近大夕張地方を地質調査中に, 従来記載されていないテキサナイテスを採集した。これはマダガスカル産のTexanites hourcquiに, 殻形と肋の挿入や分岐が成年時まである点などが似ているが, 突起の配列の間隔や縫合線のLの性状などに明確な差異があり, 特異な1新種を代表するとみなされるので, ここに記載する。産出層はサントニアン相当部のほぼ中ほどであり, 住房を持ったやや大型の化石が, 比較的沖合相の泥岩に孤立して産したことも興味がある。
  • 田代 正之
    1978 年 1978 巻 110 号 p. 319-329
    発行日: 1978/06/30
    公開日: 2010/05/25
    ジャーナル フリー
    熊本県天草郡竜ケ岳町の姫浦層群の下部亜層群下層部より産する二枚貝Atreta intuleavis, sp. nov., Pycnodonte amakusensis, sp. nov., Thyasira (Thyasira) himedoensis, sp. nov., Chlamys (s.l.) tamurai immodesta, subsp. nov.の4属3新種1新亜種を記載した。そのうちAtreta, Pycnodonte, Thyasiraは, 本邦中生界では, おそらく最初の記載である(但し, Pycnodonte? sp., HAYAMI 1975 ; Thysira sp., TASHIRO 1976を除く).なおAtretaの所属については, PlicatulidaeとDimyidaeのどちらに加えられるか疑問な点があったが, 今回, 前者に属することが判明した。PycnodonteやThyasiraは, アフリカ, ヨーロッパ, 北アメリカでは, カンパニアン以降にその発達が顕著であるが, 本産地は, サントニアンの下部とされているので, 姫浦層群産のPycnodonte, Thyasiraは, 古い形態を示すものとして興味深い。また, Chlamys (s.l.) tamurai, Chlamys (s.l.) tamurai immodestaは, Camptonectes, Camptochlamysの中生代型のPectinidsとEburneopecten, Palliolumの新生代型のPectinidsの双方にそれぞれ共通する表面装飾を有する点, 分類学上, 極めて, 興味あるものである。
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