症例1:79歳,男性。初診の1年前より左肩甲骨部に腫瘤を認めた。近医の皮膚生検で平滑筋肉腫と診断され当科へ紹介。初診時,左肩甲骨部に40×35mmの腫瘤を認めた。MRIで腫瘍が皮下脂肪織内まであり,水平マージンは3cm,深部マージンは筋膜を含めて切除し,遊離分層植皮術を施行した。
症例2:67歳,男性。初診の4ヵ月前より右大腿後面に腫瘤を認めた。近医の皮膚生検で平滑筋肉腫を疑われ当科へ紹介。初診時,右大腿後面に45×25mmの腫瘤を認めた。MRIで腫瘍は真皮内に限局しており,水平マージンは5mm,深部マージンは筋膜上で切除した。
2症例とも皮膚型平滑筋肉腫と診断した。症例1では免疫組織学的検査で腫瘍結節部のSMAが陰性,desminが弱陽性であった。悪性度が高く脱分化している可能性があり,通常の皮膚型平滑筋肉腫と異なっていた。症例1は術後1年2ヵ月,症例2は術後7年経過したが再発や転移を認めていない。
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