Skin Cancer
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21 巻 , 3 号
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  • 安達 勇
    2006 年 21 巻 3 号 p. 252-260
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    緩和医療の歴史は宗教を背景にした人類愛から古典的なホスピス, 近代ホスピスそして現代ホスピスへと展開されてきた。現在の緩和医療は, 1) がん患者に対する医療者としての態度 (attitude) を基本に, がんに伴う患者の身体的, 心理社会的苦痛や苦悩に対して医学的知識 (knowledge) と技量 (skill) をもって全人的に対応している。2) がんの診断から治療過程そして終末期いたるまで適応されている。3) 多職種専門家からなるチーム医療で取り組むべきとされている。4) 緩和ケアの対象は緩和ケア病棟内に入院した患者・家族にのみではなく, 一般病棟に入院中のがん治療の患者, 通院治療中の外来患者, さらに在宅療養中の患者, 死別後の遺族となっている。このように緩和ケアは, がん診断, 治療段階から在宅, 終末期に至までより積極的に, 継続して, 総括的に, 幅広く提供されるがん医療の分野として認知されてきている。
  • 戸倉 新樹
    2006 年 21 巻 3 号 p. 261-267
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    皮膚リンパ腫においても高齢患者が多くなりつつあり, その治療上の対処に窮するケースにしばしば遭遇する。特に皮膚未分化大細胞型リンパ腫, 皮膚B細胞性リンパ腫, 成人T細胞性白血病/リンパ腫, Sézary症候群, 菌状息肉症は70歳以上の高齢者が増加している。皮膚B細胞性リンパ腫の中ではprimary cutaneous marginal zone B cell lymphomaいわゆる皮膚MALTリンパ腫が増えている。高齢者の治療の選択肢として, エトポシド, インターフェロン-γ, 放射線, ステロイドパルス療法, THP-COPなどがあるが, それぞれの治療法の特性と患者の全身状態を勘案して選択する。
  • 山口 隆広, 中山 樹一郎
    2006 年 21 巻 3 号 p. 268-272
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    成人T細胞白血病/リンパ腫は, ヒトT細胞向性ウイルスI型の感染による末梢T細胞の白血病ないしリンパ腫である。確定診断にはリンパ球中のHTLV-1プロウイルスDNAのモノクローナルバンドをサザンプロット法により証明することが妥当である。今回我々はATLLの皮膚病変の臨床像, 病理組織像とその予後との関係について解析した。血中HTLV-1抗体陽性で, ATLLの皮膚病変が疑われた80例すべてをサザンプロット法にてHTLV-1 proviral DNAのmonoclonalな取り込みの有無を確認した。臨床像は紅斑, 丘疹, 結節に分け, 組織像は異型リンパ球の浸潤パターンで分け, 血管周囲性, びまん性, 結節性に分けた。また異型リンパ球の大きさを小型, 中型, 大型に分け, 各々予後曲線を描き有意差を検討した。その結果, 結節, 丘疹, 紅斑の順で予後が悪く, 組織像では結節性, びまん性, 血管周囲性の順で予後が悪かった。大型の異型リンパ球で構成されるものが, より予後が悪い傾向があった。
  • 影下 登志郎, 尹 浩信, 石原 剛
    2006 年 21 巻 3 号 p. 273-278
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    最近10年間 (平成8~17年) に当科で加療したメラノーマは220例である。そのうち手術を行った症例は205例で, 32例が再発・転移を来した。内訳は局所再発3例, intransit転移4例, 所属リンパ節の再発・転移8例, 所属リンパ節と内臓転移が同時に検出された症例5例, 内臓転移12例であった。治療方針は再発が所属リンパ節までであれば多数の皮膚転移があっても積極的に手術を行い, 化学療法やIFN-βの局所投与を併用する。内臓転移に対しては化学療法が中心であるが, 脳転移にはγ-ナイフ, 肺・肝転移にはラジオ波焼却を併用する。
    治療法の選択には患者の年齢・PSや化学療法既往歴を考慮する。一方, 患者は既に病名告知や予後告知を受けているので再発告知は精神的ダメージが大きい。従って, 初診時から患者および家族との継続的対話は不可欠であり, 希望を持たせながら集学的治療を行い, 延命効果を計るように努めている。
  • 藤澤 康弘, 大塚 藤男
    2006 年 21 巻 3 号 p. 279-285
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    血管肉腫は軟部悪性腫瘍の2%を占めるに過ぎない稀な腫瘍である。皮膚科で遭遇する血管肉腫の80%以上が高齢者の頭部に発生する悪性血管内皮細胞腫 (Malignant hemangioendothelioma, 以下MHE) であり, その予後はその他の血管肉腫と比べて不良であるとされる。これまで様々な治療が試みられてきたが, 標準治療は存在しない。従来はMHEと診断されれば組織学的特徴に関係なく広汎切除と放射線照射の組み合わせや, インターロイキン2 (IL2) による免疫療法が行われる症例が多かった。しかし治療にあたっては各治療方法の特徴と, 病変そのものの特性を踏まえたうえで決定していく必要がある。分化度が高く, 腫瘍内浸潤リンパ球 (TIL) の多い斑状病変の場合はIL2を中心とした免疫療法が奏効する。一方で分化度が低く, TILがほとんどない結節・潰瘍病変の場合は免疫療法の効果は期待できないために免疫療法以外の選択も必要である。適切な治療により原発巣をコントロールしても1~2年の間に肺転移を中心とした遠隔転移を生じてしばしば致命的となる。今後は原発巣の治療だけにとどまらずに再発予防のアジュバント治療の確立が必須である。
  • 清原 隆宏
    2006 年 21 巻 3 号 p. 286-292
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    皮膚に生じる悪性腫瘍が原発か転移かを適切に判断することは非常に重要である。皮膚原発であるにもかかわらず転移を疑わせる特殊型, 転移であるにもかかわらず皮膚原発に類似する症例を中心に解析し, 文献的に考察した。
    転移性有棘細胞癌は, 表皮との連続のない境界明瞭な腫瘤を形成する。皮膚原発未分化有棘細胞癌は単層上皮型ケラチンが陽性になり, 転移性腺癌に類似することがある。膀胱癌, 子宮癌・膣癌, 直腸肛門癌は外陰部・肛門周囲にバジェット現象を生じ, 真皮・粘膜固有層の深部にリンパ管内腫瘍塞栓が観察されることがある。また, バジェット病とバジェット現象の鑑別にGCDFP15とサイトケラチン20の染色が有用である。眼瞼原発の印鑑細胞癌はサイトケラチン20陽性である。原発性真皮メラノーマという表皮内病変を有さない特殊型が存在する。clear cell sarcomaの臨床病理組織学的特徴を有するものには原発と転移の2種類がある。epidermotropic metastatic malignant melanomaはin situ melanomaに類似することがある。その他, 原発か転移かの判断にはtime courseが非常に重要である。
  • 勝沼 栄明, 竹内 章晃, 村尾 尚規, 本間 豊大, 山本 有平
    2006 年 21 巻 3 号 p. 293-297
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    43歳男性。1994年12月頃より左眼の違和感が出現。1995年3月, 近医眼科にて左上眼瞼結膜の腫瘍を指摘され, 切除したところ, mucoepidermoid carcinomaの病理診断であったため, 同年3月当科初診。上眼瞼結膜に3mmの結節を認め, 5~10mm離して切除し, 反転皮弁および頬部皮弁にて再建を行った。術後5年間経過観察を行ったが, 局所再発や遠隔転移はみられなかった。その後, 左上眼瞼の赤色の腫瘤に気付き, 2002年12月当科受診。腫瘤は有茎性で残存結膜に付着していた。切除生検を行ったところ, mucoepidermoid carcinomaの再発であった。上眼瞼結膜の追加切除のみ施行し, 30Gyの放射線照射を行った。術後約3年が経過し, 現在のところ局所再発や遠隔転移は認めていない。
  • 大守 誠, 寺師 浩人, 田原 真也, 福本 礼
    2006 年 21 巻 3 号 p. 298-301
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    80歳, 女性。湯たんぽによる低温熱傷を左下腿に負った。保存的治療にて創治癒をみたものの約1年半後に同部が潰瘍化した。保存的治療に反応せず, 上皮化と潰瘍化を繰り返したために7ヵ月後に潰瘍切除, 植皮術を施行した。病理結果は基底細胞癌であり, 追加切除を行い, 再度植皮術を行って治癒した。術後2年の現在まで再発を認めない。熱傷瘢痕より発生する基底細胞癌で本症例のように比較的経過の短いものは稀であり, 文献的考察を加えて報告した。
  • 江尻 浩隆, 寺師 浩人, 見目 和崇, 岩谷 博篤, 永田 育子, 田原 真也
    2006 年 21 巻 3 号 p. 302-305
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例: 22歳女性。約7年前より自覚していた右前胸部皮下腫瘤を単純切除したところ, 病理所見にてBednar腫瘍と診断され, 拡大切除術を施行した。病理所見ではstoriform patternに増殖した異型性のある紡錐形細胞に加え, 腫瘍組織内にメラニン色素を有する樹状の細胞が散見された。Bednar腫瘍はDermatofibrosarcoma protuberans (DFSP) の亜型と考えられている稀な腫瘍で, 1975~2006年までの本邦報告例は自験例を含め56例であった。これらをDFSPの本邦報告例151例と比較検討し報告する。
  • 石田 和加, 濱田 正明, 酒井 剛, 関谷 政雄
    2006 年 21 巻 3 号 p. 306-309
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例は87歳女性。平成12年9月に傍矢状洞部髄膜腫にて手術を施行されている。平成17年5月に右こめかみに紅色丘疹が出現した。急速に拡大し, 潰瘍化し, 7月からは膿汁分泌も伴うようになった。9月上旬に近医皮膚科を受診し, 有棘細胞癌を疑われ, 当科で切除術を施行した。病理組織所見では, HE染色にて核分裂像, 好酸性封入体様構造を示すラブドイド細胞のシート状の増生を認めた。免疫染色ではcytokeratin7, vimentinが陽性で, desmin, S-100蛋白は陰性であり, 悪性ラブドイド腫瘍と診断した。既往症の髄膜腫とは組織像が異なり, 髄膜腫の転移は否定的であった。外来にて経過観察中であるが, 現在のところ転移や再発は認めていない。
  • 奥田 未加子, 竹本 朱美, 小篠 純一, 江嶋 崇浩, 一宮 誠, 武藤 正彦
    2006 年 21 巻 3 号 p. 310-313
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    62歳, 男性。右大腿屈側原発の有棘細胞癌にて平成17年5月当科初診。術前造影MRIにて大腿二頭筋間に約1cm大の腫瘤あり, 病理組織学的に有棘細胞癌 (StageIII (N1) ) のリンパ節転移と診断した。
    Interval nodeとは, 一般に認識されている領域リンパ節と原発巣の間にあるリンパ管に沿って存在するリンパ節を指し, 下肢では少ないとされる。これまでに大腿二頭筋間のリンパ節ではinterval nodeの報告はないが, 自験例における大腿二頭筋間リンパ節を解剖学的な位置関係からinterval nodeと考えた。
  • 山田 陽三, 藤原 進, 山本 哲久, 福永 淳, 高井 利浩, 長野 徹, 錦織 千佳子, 寺師 浩人
    2006 年 21 巻 3 号 p. 314-317
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    68歳男性。2003年5月中旬より右腎部に腫瘤を自覚し, 右鼠径部にリンパ節が腫脹してきたので2003年6月23日当科を受診した。初診時3.4×3.7cm大で弾性硬の紅褐色皮下腫瘤を呈し, 生検にてメルケル細胞癌と診断した。2003年7月30日広範囲切除, 右鼠径・外腸骨リンパ節郭清術を施行し, 右鼠径部リンパ節転移を認めたため, 術後放射線療法を追加した。その後再発転移なく経過したが, 2005年4月血清NSE値が上昇し, CT上で多発肝転移像を認めた。エトポシド・シスプラチン療法は効果なく, シクロフォスファミド・ドキソルビシン・ビンクリスチン療法が著効し, 一旦CRとなった。しかし, 10月に肝転移が再発し, 胸腔内転移も認め, アムルビシンを投与するも効果なく, 2005年12月永眠された。多発肝転移を来した症例で, 化学療法の選択に難渋した。
  • 影山 葉月, 島田 信一郎, 今井 美智子
    2006 年 21 巻 3 号 p. 318-322
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    90歳男性。頭部全体に広範囲に紫斑および紅斑を認めた。紅斑は前額部にも及び, 頭頂部の一部には軽度浸潤, 隆起性病変も存在した。血液検査所見, 頭部MRI, 胸腹部CTで異常所見は認められなかった。紅斑部の病理組織像では真皮の上~中層にかけて不規則な管腔形成が認められ, 一方, 頭頂部の隆起性病変部では真皮内に腫瘍細胞が充実性に増殖していた。これらの細胞は強拡大像で大型円形の核を有する類上皮様細胞で, 胞巣状に増殖し一部に裂隙を形成し赤血球を入れていた。腫瘍細胞の核の異型性やクロマチンの濃染はやや乏しく, 核分裂像も少なかった。免疫組織化学では腫瘍細胞に一致してFacter VIII, CD31が陽性, CD34は陰性であった。血管肉腫,Stage Icと診断し, 病変部に対しIL-2の局注開始したが, 数日で好酸球の上昇と腎機能障害が著しくなったため中止し, 以後広範囲電子線照射の治療に切り替えたところ, 皮疹は著しく改善・消失した。
  • 吉木 竜太郎, 杉田 和成, 古賀 千律子, 安田 浩, 椛島 健治, 戸倉 新樹
    2006 年 21 巻 3 号 p. 323-326
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    72歳男性。2003年1月初診。1998年より陰嚢部に湿疹様局面を自覚。市販の抗真菌薬を外用するも難治であり, 近医皮膚科受診。生検で乳房外Paget病の診断を受け, 加療目的に当科紹介受診となった。初診時, 陰嚢, 陰茎, 両鼠径部から臍下部まで至る広範囲の境界明瞭な紅色局面を認めた。表面は全体に糜爛化し, 大量の滲出液を伴い, 一部結節状に隆起する箇所もあった。全身造影CTの結果, 両鼠径部リンパ節転移と傍腹部大動脈リンパ節への転移を疑わせる所見を認めた。2003年1月23日, 本人, 家族の希望にて腫瘍を一期的に切除, 大腿部からの網状分層植皮術を行った。退院後は定期的な経過観察を行っていたが, 2005年9月16日, CEA167.4ng/ml (正常6ng/m1以下) と腫瘍マーカーの著明な上昇を認め, 9月26日永眠された。文献的にみても進展が広範囲に及ぶ乳房外Paget病であった。
  • 松本 由香, 大久保 ゆかり, 伊藤 友章, 古畑 由美子, 河島 尚志, 泉 美貴, 小板橋 珠代, 菊地 陽, 大島 宏一, 坪井 良治
    2006 年 21 巻 3 号 p. 327-331
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    4ヵ月女児。生後3ヵ月より皮疹が出現し, 当科受診時には, 体幹, 大腿を中心に鱗屑を伴う, 米粒大までの常色から淡紅色の扁平丘疹が孤立性に多発し, 一部に出血性丘疹を伴っていた。組織像では真皮上層と一部表皮内に, 馬蹄形の核を有する大型の組織球様細胞の稠密な浸潤を認め, 免疫組織化学でS-100蛋白, CD1a陽性であった。電顕では細胞質内にBirbeck穎粒を認めた。以上より, ランゲルハンス細胞組織球症と診断した。全身検索の結果, 皮膚以外に異常を認めず, 単臓器, 多病変のSM型LCHと病型を決定した。化学療法によく反応し, 皮疹は消退傾向にある。LCHの皮膚限局例は乳児期の発症が多いが予後良好の例も多くみられる。その治療, 予後につき若干の文献的考察を交えて報告した。
  • 笹田 佳江, 河合 正博, 藤田 直昭, 山田 元人
    2006 年 21 巻 3 号 p. 332-335
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例は58歳女性。1992年頃より出現した4cm大の右前腕有棘細胞癌 (以下SCC) に対し, 当院で2002年7月切除術およびセンチネルリンパ節生検を施行。センチネルリンパ節に転移は認めず, PT4NOMO・Stage IIIとして以後外来フォローするも2003年3月以降受診せず。2005年7月当院再診時, 右肘部に20cm大, 右腋窩に4cm大の糜爛を伴う腫瘤, 右上腕部内側には皮下腫瘤がみられた。SCC再発と診断し, 右上肢を肩関節より離断, 右腋窩リンパ節郭清術施行。センチネルリンパ節陰性であったにもかかわらず再発した理由については, リンパ管内やinterval (in-transit) nodeに転移があった可能性が考えられるが, これらを文献的考察を加え報告する。
  • 米田 和史, 林 美穂, 日置 加奈, 浅井 かなこ, 平光 裕子, 山田 鉄也, 遠渡 舞
    2006 年 21 巻 3 号 p. 336-339
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例1は71歳, 女性。初診の2~3ヵ月前, 右下腿の褐色調皮疹に気付いた。右下腿内側に16×14mmの一部痂皮と鱗屑が付着した紅褐色調の皮疹を認めた。症例2は63歳, 男性。初診の3年前から右下腿に紅褐色斑が生じ, 徐々に増大。右下腿外側に15×15mmのほぼ扁平な紅褐色斑があり, 一部痂皮と鱗屑を伴っていた。2症例とも肉眼的には基底細胞癌の診断が困難であった。ダーモスコピーで2症例ともpigment networkは無く, leaf-like area, multiple blue-gray dots/globules, 小潰瘍, 蛇行し拡張した樹枝状血管 (arborizing vessels) など基底細胞癌に特徴的な所見がみられた。病理組織はともに表在型基底細胞癌であった。このことから基底細胞癌の診断にダーモスコピーが非常に有用であることを改めて実感した。
  • 高井 利浩, 神吉 晴久, 村田 洋三, 熊野 公子
    2006 年 21 巻 3 号 p. 340-344
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    51歳, 男性。若年時より前頭部に黒色腫瘤が存在したが, 急激に増大したため受診。径15cm大と巨大な半球状腫瘍を呈した。エクリン汗孔癌と診断, 骨を含めた切除を行い, 術後に出現した頸部リンパ節転移に対し郭清術を施行。放射線療法を追加したが皮膚, リンパ節転移が新生, 拡大し, 化学療法も併用した。5-FU, シスプラチン併用療法で腫瘍の増大, 進展は一時抑制されたが, 薬剤変更後に再度急速となり, 全身状態悪化。初診から11ヵ月の経過で永眠された。エクリン汗孔癌の予後, 治療法につき考察した。
  • 荻田 あづさ, 青木 見佳子, 川名 誠司, 森山 マサミ, 本田 光芳, 新井 栄一
    2006 年 21 巻 3 号 p. 345-349
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例1, 52歳女性。6ヵ月前より右耳前部に浸潤性紅斑と小結節が出現。症例2, 24歳女性。19歳時より肩から上腕にかけて淡紅色ドーム状結節が出現。組織像は, 両症例ともにgrenz zoneを有して真皮全層に巣状かつ融合状のリンパ球浸潤と, 濾胞様構造を認めた。濾胞周辺にはcentrocyte-like cellを認め, 症例2では病巣辺縁部に形質細胞様のものが増生していた。免疫染色では, 腫瘍細胞はCD20がびまん性に陽性, CD5とCD10はCD20陽性細胞には陰性であった。遺伝子解析では両症例ともパラフィン切片のPCR法で免疫グロブリンH鎖の遺伝子再構成を認めた。全身検索では異常なく両症例ともにcutaneous marginal zone B cell lymphomaと診断した。症例1は放射線治療後再燃し, ステロイド局注にて軽快, 症例2はステロイド局注にて軽快した。
  • 奥野 公成, 角田 孝彦, 木村 淳, 湯田 文朗
    2006 年 21 巻 3 号 p. 350-353
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    52歳, 男性。初診の1年前より顔, 背部に皮下結節と両頬の毛孔一致性丘疹が出現し, 増加してきた。当科を受診し, 皮膚生検で真皮から皮下組織の血管・付属器周囲に, 不整な核のくびれをもつリンパ球が主体となった腫瘍細胞が, 濾胞・結節を構成していた。免疫組織化学的には, 腫瘍細胞が免疫染色でCD10, CD20, CD79a陽性であり, フローサイトメトリーでもCD10, κ鎖優位であった。染色体検査ではt (14; 18) (q32; q21) の転座を認めた。また, CTでは頸部から骨盤腔でリンパ節腫大を生じていた。CHOP療法を6クール施行し, 皮疹・リンパ節腫大とも消退した。
  • 飯島 茂子, 二籐部 弘暁, 長山 礼三, 岡 邦行, 森 尚義
    2006 年 21 巻 3 号 p. 354-358
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    65歳, 男性。2005年5月6日より左臀部の帯状庖疹を発症。ほぼ同時期より前額部に座瘡様発疹が出現。以後上腹部, 左眉毛部にも同様の皮疹が出現し徐々に増大した。初診時, 前額部に38×35mm大と上腹部に17×22mm大の腫瘤, その他直径2cm大までの腫瘍を数個認めた。左眼囲から頬部にかけては腫脹し, 表在リンパ節を数個ずつ触知。上腹部腫瘤からの生検にて, 皮下組織を中心とした大型および小型リンパ球様細胞の高度な浸潤と広範な壊死を認めた。大型細胞は, CD20, CD79a, CD30, EBERs陽性で, 免疫グロブリンH鎖JHにて遺伝子再構成あり。全身的には咽頭壁の不整肥厚を伴う扁桃肥大, 肺野に2個の小結節像, 腹部にも腫大した3個のリンパ節を認めた。可溶性IL-2R 2760U/ml。CD4細胞数320/mm3, リンパ球幼若化能は著明低下。EBV抗体価は既感染パターン, EBV-DNA<2.0×10コピー。R-CHOPにて皮疹消褪傾向を示したが, 再燃および日和見感染症を繰り返し, 1年5ヵ月間の入院の後, 完全寛解となり退院した。皮疹を主とする本症は稀と考え報告した。
  • 山田 玉静, 谷岡 未樹, 生駒 晃彦, 是枝 哲, 宮地 良樹, 伊藤 僚子, 塩見 達志
    2006 年 21 巻 3 号 p. 359-362
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例は30代女性。右足関節の悪性軟部組織腫瘍にて当院整形外科で化学療法中であった。右足底の色素斑が拡大してきたという主訴で当科を紹介受診した。経過観察したところ1カ月間で色素斑は5.5×5.5mm大から7.0×5.5mmと拡大し, 色調も初診時に比べ濃淡差を認めるようになった。ダーモスコピーでは皮丘パターンを示しており悪性黒色腫を疑った。足底の色素斑を全摘生検したところ病理組織は単純黒子であった。色素斑は化学療法により生じたものであると推測された。
  • 苅谷 清徳, 山本 あい, 清水 愛, 黒川 麻里子, 新谷 洋一, 久野 芳範, 森田 明理
    2006 年 21 巻 3 号 p. 363-367
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    51歳, 女性。2004年10月頃左足底の黒色斑に気付き, 徐々に増大するため2005年8月26日当科紹介。初診時左足踵部に30×20mmの浸潤のない辺縁不正な黒色斑を認めた。ダーモスコープにてparallel ridge pattern。1cmマージン脂肪中層で切除・植皮。切除標本病理にて表皮基底層に異型メラノサイトの増生あり。免疫染色HMB45陽性からmalignant melanoma in situと診断。その他の皮膚所見で, 口腔に大黒色斑, 掌蹠に多発小黒色斑, 爪甲色素線条も併存していた。上部下部内視鏡にて数個の過形成性ポリープは認めたが, 過誤腫性ポリポーシスはなくまたPeutz-Jeghers症候群の遺伝素因も認めないこと, 内分泌学的異常も認めないことから1連の黒色斑をLaugier-Hunziker-Baran症候群と診断。
  • 千葉 由幸, 井畑 穣, 中山 裕樹
    2006 年 21 巻 3 号 p. 368-371
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例1, 73歳女性。平成17年6月18日頃から外陰部に違和感出現, 8月5日当院婦人科紹介受診となった。現症および前医での組織所見から悪性黒色腫と診断し患者希望による腫瘤減量目的で9月30日, 膣切除+単純子宮全摘+両側卵巣摘出術施行, DAV-Feron療法3回施行した。症例2, 49歳女性。平成17年夏頃, 外陰部の違和感出現し10月頃, 疼痛を伴うようになってきたため12月6日当院婦人科紹介受診。生検にて悪性黒色腫と診断され12月13日当科併診となった。12月15日当科入院しDAV-Feron療法1回施行したが病状改善せず平成18年3月15日永眠となった。女性器原発悪性黒色腫は全悪性黒色腫の中でも比較的稀であり, その解剖学的特長や羞恥心などから発見が遅れることも多い。治療は皮膚悪性黒色腫に準じ行われるが, 進行期悪性黒色腫は難治で予後不良のため今後症例の集積によりさらなる治療の進歩が望まれる。
  • 秦 洋郎, 青柳 哲, 合田 千穂, 古田 康, 清水 宏
    2006 年 21 巻 3 号 p. 372-375
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    結膜原発の悪性黒色腫は, 統計上, 本邦では年間発生数が5例前後と推察される稀な腫瘍である。
    2002年のUICCが発表した結膜悪性黒色腫のTNM分類には病期分類と治療指針は組み入れられていないため, 病期ごとに確立された治療指針が無いのが現状である。近年, 症例数の蓄積により, 進行期の症例では侵襲の大きい治療を行っても有意な生命予後の延長につながらないため, 全体として縮小手術に向かう傾向にある。
    今回, 我々は, 結膜悪性黒色腫に対して, 拡大切除とセンチネルリンパ節生検を施行した。治療法ならびに, 眼部におけるセンチネルリンパ節生検の意義とその実際の手技について, 文献学的考察も加えて報告する。
  • 武石 恵美子, 佐藤 伸一, 林 徳真吉, 廣瀬 寮二, 土居 剛士
    2006 年 21 巻 3 号 p. 376-379
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    症例1) 72歳, 女性。1998年右内果部悪性黒色腫 (tumor thickness 2.5mm) に切除, 予防的右鼠径リンパ節郭清術, DAVFeron療法6クール施行。2000年臍転移を切除。2001年右肺転移を切除し, 多発皮下転移, 右腋窩, 左鎖骨上リンパ節, 肝転移にDAC-Tam+Feron療法2クール施行。同年12月貧血あり, 内視鏡検査 (GIF) で十二指腸転移と出血を認め, TAE施行し止血するも2002年1月永眠。症例2) 51歳, 女性。2003年5月左腋窩腫瘤生検にて悪性黒色腫リンパ節転移と診断。1996年近医で切除された左上胸部色素斑 (tumor thickness 0.9mm) の転移と考えた。GIFで胃ポリープ状転移を認め, 左腋窩リンパ節郭清術, 胃全摘術施行。DAC-Tam+Feron療法1クール施行するも両肺転移を生じ, 2004年1月永眠。
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