目的:エタネルセプト先行品(ETN-RP)を使用し関節リウマチ(RA)の疾患活動性が低下した患者に対してエタネルセプト後続品1(ETN-BS)に変更し,薬剤の有用性と患者デバイス評価を検討した.
方法:2019年7月-2020年1月に当院でETN-RPからETN-BSに変更したRA患者で,変更後6か月以上経過した42例を対象としてDisease Activity Score 28-C-reactive protein(DAS28-CRP),Simplified Disease Activity Index(SDAI)及びアンケートを用いた自己注射デバイス評価を行った.
結果:DAS28-CRPは,変更時1.86,3カ月時2.00,6カ月時2.03と推移した.SDAIは,変更時4.26,3カ月時5.01,6カ月時5.32と推移し低疾患活動性を維持できていた.疾患活動性の各パラメータ推移では,3か月目の圧痛関節数(p<0.05)と6か月目の患者全般評価(p<0.001)で有意な上昇を認めた.自己注射アンケートにおいては,使いやすさ,持ちやすさ,不安感,注射時痛,日常生活負担などの項目でETN-BSの評価が高かった.
結論:ETN-RPからETN-BSへの変更後の経過観察において全般的には疾患活動性を維持できたが,患者の主観的評価の悪化を示す症例も一部見られ,ノセボ効果の関与も考えられた.ETN-BSの自己注射デバイスの患者の評価は良好だった.
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