関節リウマチ(RA)では8種の生物学的製剤(bDMARDs)が使用可能で,選択因子は,年齢,メトトレキサート(MTX)の併用なしで有効か.腎不全や呼吸器病変など合併時や妊娠希望時に使用可能か.点滴静注,皮下注.半減期.感染症状のマスク.速効性.効果減弱.価格.バイオフリー(BF),テーパリング,スペーシングが可能か.発症直後から開始できるか.などがある.
1. インフリキシマブ
静注のキメラ型抗TNF抗体で効果発現が早く増量・短縮で高疾患活動性でも有効.BFの実績あり.
2. エタネルセプト
TNFの可溶性受容体で半減期が短く中止で早く効果が切れ高齢者で使用可能.妊娠希望時も使用可能.
3. アダリムマブ
完全ヒト型抗TNF抗体.MTX併用で有効性が得られる.早期使用での寛解導入,BFの達成と維持が可能.
4. トシリズマブ(TCZ)
抗IL-6受容体抗体でMTXなしで有効.感染症のマスキングに注意.
5. アバタセプト
T細胞選択的共刺激調節剤で効果発現が穏やかだが安全性に優れている.MTXなしで有効で間質性肺炎合併例でも使用可能.
6. ゴリムマブ
完全ヒト型の抗TNF抗体でMTXなしで有効.効果発現は穏やかだが免疫原性が低く効果減弱が少ない.
7. セルトリズマブペゴル
ポリエチレングリコール化抗TNF抗体で胎盤通過性,乳汁分泌が無く妊娠可能年齢の女性で使用可能.高疾患活動性の高齢発症RAで有効.
8. サリルマブ
2剤目の抗IL-6受容体抗体でTCZの効果減弱例,副作用による脱落例で有効.
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