生物環境調節
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21 巻, 1 号
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  • テワリー P. D., プラサド B. N.
    1983 年 21 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    インドのVaranasi (lat.25°18'N, long.83°01'E) 付近でとらえた頭の赤いホオジロRedheaded Buntings (Emberiza bruniceps) の雄を, 15L: 9Dの長日環境に15日間あるいは30日間一定条件のもとで飼育した後, 常暗 (DD) あるいは短日環境 (8L: 16D) に移した個体について脂肪の貯蔵・体重の変化を調べた.その結果, DDに移された個体にのみ貯蔵脂肪の減少がみられ, DDあるいは8L: 16Dに移された個体の体重は, さきにおかれた長日環境の長さにはまったく関係なく等しく減少した.これらの結果は, このトリが光環境に対し, B霍nning-Pittendrighのいうexternal coincidence modelに合致する反応を示すことを明らかにしている.
  • テワリー P. D., クマール ヴィノド
    1983 年 21 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    ホオジロの一種Crested Buntingを短日8L: 16D, 長日15L: 9D, 常明LLの光環境のもとに, 60日, 85日, 105日間飼育して生殖腺と体重の変化について観察した結果, 精巣の発育は15L, LLの個体にみられたが, 8Lの個体にはみられなかった.しかし, LLの環境では75日後に急速に光不感応現象が現れて精巣の退縮がみられた.しかるに, 体重の変化は実験の開始時と終了時においてほとんどみられなかったことから, このトリは自然環境において季節的光環境に反応し, 繁殖期の後に光不感応期をもつ種類であることが判明した.
  • III.光質と孵化型
    新野 孝男
    1983 年 21 巻 1 号 p. 11-16
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    カイコ卵の孵化に及ぼす光の強さ (照度) の影響と波長感受性について, 孵化型を調べることによって検討した.その結果, 光の強さに関しては孵化直前の卵では相対的な照度隔差が孵化型を変化させることがわかった.また, 低照度 (3, 1, 0.1lux) の場合, 同一照度では1lux以下で全暗型を示したが, 同じ1luxでも暗への切替えでは明・暗II型を示した.さらに暗からの切替えでは0.1luxでも「明」と感受し, 切替え前後の光の強さが微妙に孵化型に影響することがわかった.
    波長光に関しては, 白色光からの切替えでは540nmを移行閾として, 377~500nmの単色光では「明」と590~700nmの単色光では「暗」と感受することがわかった.一方, 暗から波長光への切替えでは照度差の影響によってすべて「明」として感受された.さらに, 540nmの単色光は切替えがなければ全明型の孵化を示し, 700nmへの切替えでは明・暗II型を示した.また, 700nmの単色光は切替えがなければ全暗型の孵化を示し, 540nm以下への切替えでは暗・明型を示した.一方, 12時間サイクルリズムづけを白色光と590nmあるいは白色光と665nmで行った場合の孵化型は12L-12Dのリズムづけの場合と異なる明・暗II型の孵化を示した.このことは, 波長光で得られる「暗」と完全な暗とが必ずしも同一のものではないことを示すと考えられた.
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