アスコルビン酸を豊富に含む葉菜類の生産を目的として, レタス (品種: レッドファイヤー) およびネギ (品種: 博多黒ねぎ) の根をpHの異なるL-アスコルビン酸の単一溶液 (1500mgL
-1) に12時間浸漬し, 葉部のアスコルビン酸含量の増加程度を検討した.この処理は, 温度27℃, 湿度45~55%, PPFD380μmol m
-2 s
-1に設定した人工気象室で行った.処理液のpHが低下するほど葉部アスコルビン酸含量は増加した.最もpHの低い処理区 (pH3.1) の葉部アスコルビン酸含量は, レタスで初期値の26±8mg (新鮮重100gあたり, 以下同じ) から191±21mgに, ネギでは34±8mgから183±17mgに, それぞれ増加した.レタスの場合, 処理時の生育ステージが遅くなるほど根の吸水能が低下し, 同時に葉部アスコルビン酸含量の増加率も低下した.以上から, レタスおよびネギは処理液のpHが低いとアスコルビン酸をよく吸収することが認められた.また, レタスでは処理時の生育ステージが早いほど, アスコルビン酸を葉部に高濃度に集積することが示された.
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