種子の状態から12日間, 同一条件の下で栽培したシュンギク苗を, 温度・光・養分条件を各種組み合わせた条件下で, 既報において開発した重量生長計測システムを用い, 栽培計測実験を行い以下の結果を得た.
1) 収量の最大値は温度: 25℃, 養分: 159/10
l, 光照度16kluxの一定条件18日間栽培した場合に得られ, 一個体平均重量は13.6gであった.この値を単純に10aについての収量に換算すると8, 510kgとなるが, 平均的な施設栽培の約3.5倍の収量である.
2) シュンギクの重量生長データに, 指数生長式 (1) 式をあてはめると, 栽培したシュンギク25個体重量の和が50gを超えない範囲の生長については, 回帰曲線からの標準偏差の平均値は2.29g, すなわち重量50gに対する比は4.6%となり, あてはめは良好であると思われる.
3) 同一の実験データにRobertsonの生長式 (3) 式をあてはめると, 対数生長期の生長が実際のデータより大きくなり, また計測した生長データはいずれの場合にも生長の上限値が見られず, (3) 式をあてはめるには無理があると思われる.
4) 栽培計測実験の途中で光強度を弱くすると生長率は小さくなるが, 実験開始当初から光を弱く一定の条件で栽培した場合よりさらに小さくなる.
5) 一日一定の光照射時間で栽培したとき得られる収量は, 大略24時間連続照射のとき得られる収量に照射時間の比の二乗を乗じた値と考えられる.
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