電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
14 巻, 3 号
選択された号の論文の25件中1~25を表示しています
表紙
目次
ごあいさつ
解説論文
RCC研究会提案
  • 林 直樹, 原 尚之
    2021 年 14 巻 3 号 p. 170-180
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/01/01
    ジャーナル フリー

    風力発電は温室効果ガスの排出量が少ないクリーンな発電方式として注目されており,世界各国において導入が進められている.一般に,風力発電では,多数の風車を大規模に展開するウィンドファームの形態が取られる.このようなウィンドファームは,各風車を一つのサブシステムとみることで,多数のサブシステムから構成されるマルチエージェントシステムとしてモデル化できる.近年,マルチエージェントネットワーク上で自律分散的に最適化処理を行う分散最適化に関する研究が活発にされている.本稿では,ウィンドファームにおける協調制御への分散最適化の応用について紹介する.

US研究会提案
IMQ研究会提案
  • ―研究,標準化,そして普及―
    杉山 賢二
    2021 年 14 巻 3 号 p. 194-204
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/01/01
    ジャーナル フリー

    20年前までほとんどなかったディジタル動画像は,現在それがないことが想像できないほど,社会に浸透している.現代人はそれが情報圧縮されていることを意識せずに使っているが,ディジタル動画像がこのように広く普及したのは,高能率符号化により大幅な情報圧縮が実現できたからにほかならない.このような動画像符号化は「英知の結晶」といえるもので,その技術は極めて高度化している.この解説においては,この技術がどのように進歩してきたかを,まず標準化と応用の観点から説明する.そして,長らく主流となっている動き補償フレーム間予測+離散コサイン変換を中心に,なぜ効率が良いかを丁寧に解説する.そして,それがどのように改良されてきたか,どのように符号化すべきかについて述べる.

SITE研究会提案
  • ―改正著作権法第35条の施行と課題―
    芳賀 高洋
    2021 年 14 巻 3 号 p. 205-216
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/01/01
    ジャーナル フリー

    本稿は,2020年度,COVID-19パンデミックの対応として,教育関係者だけではなく,世間一般からもかつてない大きな注目を集めた「教育の情報化」,特に「オンライン教育」における著作権取扱いに関して詳しく解説し,今後の課題を述べる.なお,著作権取扱いに関しては2020年1月に「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」が発表した「改正著作権法第35条 運用指針策定に関する論点整理」に基づき解説する.

IT研究会提案
  • ―Robert G. Gallager先生の2020年日本国際賞受賞に寄せて
    内川 浩典
    2021 年 14 巻 3 号 p. 217-228
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/01/01
    ジャーナル フリー

    2020年の日本国際賞をマサチューセッツ工科大学名誉教授であるRobert G. Gallagerが受賞した.受賞の対象となった低密度パリティ検査符号(LDPC符号)は,Gallagerが1960年に彼の博士論文で提案した誤り訂正符号である.30年以上という長い歳月を経て評価されたLDPC符号は,またたく間に我々に身近な情報機器にも搭載されるようになり,現在では我々の生活に欠かせない技術となっている.本稿ではこのLDPC符号について解説する.特に確率推論の観点から最適な復号アルゴリズムがLDPC符号により実行可能な形で導かれることを紹介する.更に実用的なLDPC符号をどのようにして構成するのか,その構成方法を紹介する.

NLP研究会提案
  • ―ベルヌーイシフト写像の場合―
    池口 徹
    2021 年 14 巻 3 号 p. 229-238
    発行日: 2021/01/01
    公開日: 2021/01/01
    ジャーナル フリー

    カオス応答を示す非線形力学系の一つにベルヌーイシフト写像がある.ベルヌーイシフト写像は,傾きが2の線形写像を組み合わせた区分線形力学系であるが,その記述の単純さにより,様々な場面で用いられている.ベルヌーイシフト写像では,状態値を2倍し,その結果に応じてmod 1演算を施す.そのため,2進体系を用いる現在のディジタルコンピュータでベルヌーイシフト写像の応答を実装する際には注意が必要となる.本稿では,まず,ディジタルコンピュータを用いた数値計算により,ベルヌーイシフト写像の応答を実装する際に生じる問題について述べる.続いて,この問題を解決する方法として,ベルヌーイシフト写像により状態値を更新する際に,写像の傾きの大きさに微小な変位を与える方法と状態値に変位を与える方法を導入し,これらの性能について,解軌道,リアプノフ指数,不変測度に対する実験的な調査を行った結果に基づいて議論する.更に,本稿では,微小変位を与えることで実装したベルヌーイシフト写像を擬似乱数生成器とみなすことでカオス乱数を生成し,得られたカオス乱数の性能という側面からの検討も行う.具体的には,ベルヌーイシフト写像の応答をしきい値を用いて変換した0,1の2値乱数系列に対して,NIST検定による解析を行った結果を示している.

その他
ESSニュース
研究会へ行こう!
国際会議開催報告
受賞者の声
論文募集
委員会・編集後記
feedback
Top