電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
12 巻, 1 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
表紙
目次
ごあいさつ
解説論文
WBS研究会提案
ISEC研究会提案
  • ―データを隠しつつ計算する仕組みとその発展―
    菊池 亮, 五十嵐 大
    2018 年 12 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/01
    ジャーナル フリー

    データを隠したまま任意の関数を計算する秘密計算(secure computation)は,1980年代から始まった暗号技術の一大研究分野である.秘密計算を用いれば,例えば個人の病歴は秘匿しつつ健康指導を行ったり,通信内容は秘匿しつつ異常検知を行うなど,今まではプライバシーの問題や企業の秘密のために外に出すことが難しかったデータを,安全に流通させることができる.秘密計算は近年に至るまで,理論研究の発展に比べ,その社会実装は限定的であった.その大きな理由の一つはその計算速度の遅さである.「データを隠しながら計算する」という性質上,データを秘匿するオーバヘッドに加え,通常の計算機で用いるような高速なアルゴリズムを秘密計算ではそのまま用いることができず,結果として秘密計算の計算速度は非常に遅くなってしまっていたのである.しかし近年,計算機やネットワークの性能向上に加え,高速な秘密計算用のアルゴリズムの研究開発が進み,秘密計算の速度は飛躍的に向上し,今正に研究レベルから実用レベルに移ろうとしている.本稿では,この秘密計算について,なぜ秘匿したまま計算ができるのか,その原理を解説するとともに,近年に至るまでの速度向上の取組みについて紹介する.

IT研究会提案
  • ―オフライン無ひずみユニバーサル符号の架け橋として―
    横尾 英俊
    2018 年 12 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/01
    ジャーナル フリー

    2010年に提案された部分列数え上げデータ圧縮法は,無ひずみデータ圧縮法の代表例であるジブ・レンペル符号と同様,情報源の確率構造についての事前知識を前提としないユニバーサル符号の一種である.ただし,後者が逐次的な処理を基本とするのに対し,部分列数え上げデータ圧縮法は対象データ全体を読み込んで一括して処理するオフラインの圧縮法である.オフラインのユニバーサルデータ圧縮法としては,BW変換に基づくブロックソート法が有名である.部分列数え上げデータ圧縮法は,ブロックソート法をはじめ,数え上げ符号,反辞書法との関係が深く,これらを体系として理解する上で欠かせない学習材料である.しかも,情報理論的な解析から実装のためのデータ構造に至るまで,分野横断的な諸側面において興味深い性質を有している.本稿では,そのような諸側面を簡潔に紹介する.

SIP研究会提案
  • 山田 一郎
    2018 年 12 巻 1 号 p. 30-37
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/01
    ジャーナル フリー

    超高齢社会を迎えて,受け身の医療から健康管理・予防医療へのシフトが緊急課題となっており,ウェアラブルヘルスケアモニタリングの実現が強く望まれている.

    本稿では,まず,ウェアラブルヘルスケアモニタリングの基盤技術を概観する.次いで,生体情報センシング技術について,最近注目されている研究開発の中から,カフが不要なウェアラブル血圧センシング技術と,ストレスモニタリング技術について紹介する.生体情報センシング技術については,拘束感のないモニタリングを実現するウェアラブルセンサ(ハードウェア)と,複数のセンサ情報から,人間の行動・体調(体の状態),心理・感情(心の状態)といった高次情報を抽出する分析技術(ソフトウェア)の両面からの研究開発が必要である.

R研究会提案
  • ―モデリングアプローチ―
    山田 茂, 井上 真二, 田村 慶信
    2018 年 12 巻 1 号 p. 38-50
    発行日: 2018/07/01
    公開日: 2018/07/01
    ジャーナル フリー

    品質の高いソフトウェアを開発できるようにプロジェクトを確実に成功させるためには,品質を重視したプロジェクトマネジメント(品質指向ソフトウェアマネジメント)を徹底し,その技術の持続的向上を図る必要がある.本稿では,品質指向ソフトウェアマネジメントの立場から,実際のソフトウェアプロジェクトに対する実用性を考慮して,ソフトウェア信頼性工学における計測・評価技術とマネジメント技術に関する四つのトピックスについて,その具体的適用例を挙げながら解説する.

CCS研究会提案
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