電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
5 巻, 3 号
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表紙
ごあいさつ
特別寄稿
技術の原点
  • — 後編:充足から商品化の時代 —
    大賀 寿郎
    2012 年 5 巻 3 号 p. 205-222
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2012/01/01
    ジャーナル フリー
    1964年の600形電話機の実用化以降,高度成長下の社会で電話機需要は増え続けた.しかし,その流れが1973年末の石油ショックで断ち切られて諸物価が急激に上昇し,社会が大混乱に陥った.電電公社は緊急プロジェクトで大幅なコストダウンを果たしながら通話性能を向上した601形電話機を実用化した.その頃から電話機への半導体ICの導入が現実のものとなり,電話機の構成を100年振りに全面変革する研究が開始された.オーディオトランスデューサもカーボン粉粒マイクロホンや高感度電磁イヤホンに代えて小形トランスデューサが検討され,パイロット商品に導入された.1980年代に入って電電公社の電話端末独占が見直され,電話機が競争市場の家電商品となる.この時期に電電公社が発表した801P電話機「ハウディ」は最後の標準電話機というべきもので,電気通信研究所で20年来検討されてきたセラミック圧電トランスデューサを活用し,その後約10年にわたる世の電話機技術の源流となった.
解説論文
ITS研究会提案
  • 野崎 敬策
    2012 年 5 巻 3 号 p. 223-229
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2012/01/01
    ジャーナル フリー
    ITSは人とものの移動を安全・効率・快適に行う手段として日米欧3極を中心に1993年から推進されている.交通手段としては車,鉄道,船,飛行機等があるが,日本国内では主として道路交通を対象に産官学挙げて取り組んできた.具体的取組みは大都市圏主体に全国レベルのカーナビ,VICS,ETC,安全運転支援等が実用化されているが,各地方都市・自治体においてはそれぞれ固有の課題を抱えている.地域ITSではそれらの課題解決のために地方自治体が主となってITS活用を推進している.本解説では地域ITSの推進動向と将来に向けた今後の取組みについて紹介する.
IT研究会提案
  • 最適な変調方式のために
    池田 思朗
    2012 年 5 巻 3 号 p. 230-238
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2012/01/01
    ジャーナル フリー
    通信路容量は,情報理論,通信理論において重要な役割を持つ量である.また,その通信路容量を達成する入力の確率分布は最適な変調方式を与えるため,実用上も重要である.本稿では,連続値を入出力とする通信路について,通信路容量とそれを達成する入力の分布について考察する.入力が連続値を取り得る場合,一見すると連続な測度を持つ分布が最適となりそうだが,実際には多くの通信路と入力の制約のもとで,離散値のみを取る離散測度が通信路容量を達成する入力の分布となることが知られている.このような研究は1970年代に始まり様々な通信路に対する考察がなされてきたが,国内ではほとんど研究されていない.本稿では既知の事実を証明の概要とともに示し,通信工学への応用について考える.
SITE研究会提案
  • 酒井 善則, 鶴原 稔也
    2012 年 5 巻 3 号 p. 239-243
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2012/01/01
    ジャーナル フリー
    学会への論文投稿は研究者等の重要なミッションであるが,最近二重投稿問題や剽窃問題等の増大が懸念されている.特に,最近のICTやインターネットの発展によりこれらの問題が顕著になっており,学会としての対応も求められている.剽窃問題等が明らかになった場合,研究者個人だけでなくその所属する大学や企業等の組織に与える影響も大きく,更には科学技術全体に対する社会的評価をおとしめることとなる.本稿ではこれらの問題の現状の一部を紹介し,背景について解説するとともに,倫理に関する啓発活動が重要なことを述べる.
US研究会提案
  • 蜂屋 弘之
    2012 年 5 巻 3 号 p. 244-252
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2012/01/01
    ジャーナル フリー
    超音波断層装置を用いた医用診断は大きな成果を上げ,超音波診断装置は非常に普及しているが,断層画像を用いた診断には医師の経験や熟練を必要とする.生体の音響特性を利用し定量的な診断情報を得ようとする試みも行われてはいるが,生体組織の大きな特徴である不均一な構造は十分に考慮されておらず有用な定量診断情報には今一歩届いていないのが現状である.本解説では,生体の音響特性の特徴と超音波定量診断技術の現状について紹介し,何が問題なのかを考察し,将来の研究についての展望を述べる.
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