電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
Online ISSN : 1882-0875
ISSN-L : 1882-0875
17 巻, 1 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
表紙
目次
ごあいさつ
特別寄稿
技術の原点
幹事団提案
  • 岡本 英二
    2023 年 17 巻 1 号 p. 26-35
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/01
    ジャーナル フリー

    第5世代移動通信システム(5G)の商用展開が進み,少しずつアプリケーションやユーザの体験も進化している.しかし移動通信では伝搬路変動が生じるため高品質伝送を保証するためには技術の適用が必要である.その技術の一つである線形等化処理を例に挙げながら,5Gを支える幾つかの信号処理技術を紹介し,線形・非線形信号処理の特徴を述べる.そして線形,非線形信号処理がそれぞれ計算量削減,システム性能向上に寄与することを示す.更に5Gの標準化動向の特徴を紹介しユースケースが細分化しつつ追加されている状況を述べ,5Gの次の世代である6Gのシステムモデリングであるセルフリーシステムの概念を紹介する.そして6Gでは通信資源配分の要素数が爆発的に増加し,目的関数も複数化がなされるため,干渉を分離・融合しながら機械学習などを適切に用いて準最適解を迅速に導出し,無線リソースを含むシステム制御を行うことを述べる.これにより,あらゆる用途やエリア,通信様式をカバーするという今後の超ユースケース拡張に対応することが可能となる.

  • 梶川 嘉延
    2023 年 17 巻 1 号 p. 36-43
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/01
    ジャーナル フリー

    本稿では不快な騒音を音で制御・低減するアクティブノイズコントロール(ANC)について,これまでの技術の変遷を展望するとともに最近の動向について解説する.ANCはスピーカ(二次音源)からの制御音により騒音源(一次音源)からの騒音を制御・低減する技術であり,近年ではノイズキャンセリングヘッドホンなどを通じて一般にもその技術が広く知られるようになった.しかしながら,オフィスやイベント会場などの公共空間や車内や住宅内などの交通・住環境において,三次元的に騒音を制御することは未だ広くは実用化されていない.このような音空間において三次元的に騒音制御を実現するためには乗り越えるべき課題が多々残されている.本稿では,まずANCシステムを実装する上で重要となる消音領域(ZoQ)を任意の位置に移動させるバーチャルセンシングについて,代表的な3手法を紹介するとともに,それらの性能比較を示す.また,フィードフォワードANCシステムにおいて重要となる因果性制約について説明し,その1解決策であるオーバーサンプリングを利用したANCシステムについて述べる.そして,近年様々な分野において利用されている機械学習のANCシステムへの適用方法について紹介する.

解説論文
CAS研究会提案
  • 大島 俊
    2023 年 17 巻 1 号 p. 44-51
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/01
    ジャーナル フリー

    加速度センサは,スマートフォンやゲーム機から,車やロボット,ドローンまで,幅広く用いられている.なかでも,量産化や小型化に適したMEMS型の加速度センサは,今後も多くのアプリケーションが期待される.しかし,MEMS加速度センサには,様々なノイズが内在しているため,低消費電力で高感度を実現するのは容易でなかった.近年,筆者らは,超高感度(極低ノイズ)と低消費電力を両立したMEMS加速度センサの開発に成功した.本稿では,センサの仕組みや,センサに適用したブレークスルー技術を説明し,更に,センサの新しい応用事例も紹介する.

IT研究会提案
  • 武石 啓成
    2023 年 17 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/01
    ジャーナル フリー

    2010年に提案された誤り訂正符号であるスパース重ね合わせ符号は,辞書と呼ばれる行列の列ベクトルのスパースな重ね合わせにより符号語を構成する.この符号はガウス通信路 (AWGN channel) に直接適用され,通信路容量に任意に近い伝送レートを達成することが証明されている.またこの符号の理論的限界として,計算量を無視した最適な復号(最ゆう復号)を行った場合の復号誤り確率が解析されている.一方,効率的復号については,圧縮センシングの解法の一つであるApproximate Message Passing (AMP) の適用など,実用化に向けた工夫が検討されてきた.本稿ではこれらの話題について,筆者らの研究成果である,辞書の生成分布を大幅に簡略化した場合の最ゆう復号の性能評価も交えて紹介する.

ISEC研究会提案
ITS研究会提案
  • 河合 由起子, 栗 達, 小野 晋太郎
    2023 年 17 巻 1 号 p. 72-80
    発行日: 2023/07/01
    公開日: 2023/07/01
    ジャーナル フリー

    Society 5.0では,フィジカル空間におけるユーザの様々な振る舞いがデータとして複製されたデジタルツインを通じて,サイバー空間でそれらを分析・管理し,検索や推薦により高度に融合することで経済発展や社会課題の解決を図る人間(ユーザ)中心の社会を目指している.筆者らは,ユーザの振る舞いデータとして,携帯端末(スマートフォン)から得られる位置情報が付与されたSNSデータやレビューデータ,時刻や位置情報を含む犯罪・購買・感染などに関するオープンデータ,更にストリートビュー画像や建物・道路情報となる地理データを対象とし,経路や店舗・名所の推薦,危険地域の予測などに関する研究開発に取り組んできた.本稿では,スマートフォンをデバイスとしたデジタルツインにおけるデータ取得,管理,分析,可視化の基本的仕組みから,歩行者や自転車のユーザにとって安全で快適な行動支援の応用技術の紹介を通して,デジタルツインにおける社会課題解決の役割について言及する.

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