リンゴ3品種‘ふじ’, ‘JG’, ‘SD’の無せん定樹とせん定樹を供試し, スパーを中心とする結果枝の長さ別および発生部位別構成割合に及ぼす品種とせん定の影響について検討した.
せん定樹における長枝 (10cm<) とスパー (5cm≥) の構成割合は, ‘ふじ’, ‘JG’, ‘SD’でそれぞれ25.3%と66.3%, 26.0%と71.0%および13.0%と81.1%であった. ‘SD’のスパー率は他の2品種より高く, 無せん定樹では約90%に達した. ‘ふじ’と‘SD’では, スパー率はせん定樹の方が無せん定樹より低かった. 長枝の頂生とえき生別構成割合は, ‘ふじ’, ‘JG’, ‘SD’でそれぞれ13.0%と12.4%, 13.2%と12.8%および9.8%と3.7%であった. ‘SD’では, 他の2品種より頂生とえき生の長枝率とも低い傾向を示した. せん定樹における頂生スパーとえき生スパーの構成割合は, ‘ふじ’, ‘JG’, ‘SD’でそれぞれ18.3%と48.1%, 21.9%と49.3%および46.1%と35.1%であった. せん定樹は無せん定樹に比べ, ‘ふじ’と‘JG’では, 水平枝と下向き枝において, ‘SD’では下向き枝において頂生スパー率が低くえき生スパー率が高い構成になった. せん定作業が, 長枝率を高めることにより樹勢を維持し, また頂生スパー率を下げてえき生スパー率を高めるように行われていることが示唆された.
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