本研究は,都市住民の,共有緑地保全活動への参加過程を明らかにすることを目的とした。調査対象を都市集合住宅の居住者に設定し,対象に対し調査者が共有緑地保全活動への参加を働きかけ,それらへの応答を調査するアクションリサーチにより研究を行った。この働きかけは,共有緑地の自然環境,管理作業,産出物,居住者どうしの交流をプログラムとし,参加者に向けて動機づけするものであり,グリーンワークショップと名づけた。調査者が働きかけた結果,活動に参加している居住者への聞き取り調査より,以下のことが示された。一部の参加者は共有緑地の知識,関心,動機などの意識を変化させ,共有緑地保全活動の参加に至っていた。また共有緑地への愛着,利得感,自信,楽しさなどの意識が,対象への意欲に変化し,活動の参加に至る参加者も存在した。
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