2004年の夏期から春期に, 鹿児島湾内の4定点より底泥を採取し, その粒度組成, IL, AVS, 硫化物量と硫酸還元細菌数を調べた. その結果, 湾奥域, 湾央域ではシルトと粘土を含むのに対し, 湾口域では砂や砂礫が主であった. ILは, 特に湾央域と湾奥天降川河口域で高い値を示した. AVSは0.01-0.9mg/gと定点間で大きな差を示し, 硫酸還元細菌数 (1.7×10
2-5.0×10
5cell/g), 硫化物量との正の相関が認められた. これら鹿児島湾における底泥の水平・垂直プロファイリングの結果から, 湾奥, 湾央, 湾口域の4定点では底泥の性状が異なることが明らかとなった. また, 硫酸還元細菌が鹿児島湾の底泥の性状を評価する上での有用な指標となり得ることが示された.
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