堆積学研究
Online ISSN : 1882-9457
Print ISSN : 1342-310X
71 巻 , 1 号
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カバー·ストーリー
論説
  • 伊藤 拓馬, 公文 富士夫
    2012 年 71 巻 1 号 p. 3-13
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    木崎湖の表層堆積物について,全岩試料の比重計法による粒度分析の結果は,6 φよりも細粒な堆積物でそれに含まれる珪藻の殻を受けることがこの研究により示された.したがって,細粒な陸源性砕屑物の堆積過程を明らかにするためには,粒度分析を行う際に全岩試料中の陸源性砕屑物を抽出する必要があることが具体的に示された.レーザー回折散乱法による陸源性砕屑物の粒度分析結果から,木崎湖の表層堆積物は4つのグループに区分された.グループ I とグループ II は粘土質シルトに,グループ III は砂質シルトおよび砂-シルト-泥に,グループ IV はシルト質砂から砂に分類され,各々の分布域は沖合帯,遷移帯,沿岸帯にほぼ相当する.グループ III と IV の堆積物の境界線は,河口部では沖合に張り出しているため,木崎湖では洪水イベントによる堆積作用が重要な役割を担っていると判断される.沿岸帯は,沿岸に分布する堆積物が波浪の影響で洗われた砂質および礫質の残留物からなる.また,通常時やイベント時の波浪によって沿岸帯から巻き上げられた細粒な砕屑物や,洪水イベントによって河川水から懸濁運搬される.それは,沖合へ運搬され,シルトサイズの懸濁物が堆積した場所が遷移帯となる.さらに,より細粒な懸濁物はさらに浮遊を続け,湖流により運搬されて堆積したものが沖合帯を構成すると考えられる.
  • 中条 武司, 佐藤 隆春
    2012 年 71 巻 1 号 p. 15-23
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    奈良県北部に分布する中新統石仏凝灰岩層は,室生火砕流堆積物の非溶結部とその再堆積物からなる.この再堆積性火砕堆積物はその堆積相から,下位よりユニットAからCに区分することができる.ユニットAは火砕流堆積物上の凹地を流下した土石流堆積物や粒子濃集流堆積物から構成される.ユニットBは均質~細かい葉理をもつシルト質~細粒凝灰岩からなり,停滞水域での堆積作用を示すと考えられる.ユニットCは全体として上方粗粒化・厚層化する土石流堆積物と水流作用による凝灰岩の互層からなる.この堆積相の変化は,斜面崩壊が卓越する環境から停滞水域へ,そして再び斜面崩壊が頻発する場へと変化したことを物語っている.これの過程は火砕流堆積物上における侵食・崩壊や埋積過程をよく保存しているといえる.
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