堆積学研究
Online ISSN : 1882-9457
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71 巻 , 2 号
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カバー·ストーリー
  • 藤野 滋弘
    71 巻 (2012) 2 号 p. 102-103
    公開日: 2012/11/08
    ジャーナル フリー
    津波が沿岸低地を遡上した際に残される津波堆積物は様々な粒度や層厚,堆積構造を持つため,露頭スケールでの特徴も一様ではない.津波堆積物の粒度は供給源の堆積物の粒度に左右され,シルトが主体のものもあれば,礫が主体のものもあり,場合によっては巨礫を伴う(Figs. 1-4).また,同じ地域内の同じ津波イベントでできた堆積物でも,供給源からの距離などによって粒度は変化する(Figs. 1, 2, 4).層厚も 1 cmに満たないものから 1 mを超えるものまである.堆積構造も様々であり,平行葉理を示すものもあれば塊状のもの,級化・逆級化構造を示すものもある(Figs. 1, 2, 3).また偽礫を伴うものや(Fig. 2),複数回の波の浸入を反映した級化ユニット構造(Nanayama and Shigeno, 2006)を持つものもある.津波堆積物に見られる特徴の多くは津波以外の堆積作用でも形成され得る.そのため過去の津波堆積物を地層中で識別する場合には含有化石や化学的な指標も含めできるだけ多くの証拠を提示することが求められる.
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巻頭言
総説
  • 後藤 和久, 箕浦 幸治
    71 巻 (2012) 2 号 p. 105-117
    公開日: 2012/11/08
    ジャーナル フリー
    津波堆積物研究は,いまや国や自治体の防災計画に直結するものとなった.本稿では,2011年津波発生後の対応と今後の津波堆積物研究の課題を議論する.2011年津波直後の緊急地質調査は,網羅的に実施されたとは言い難いが,津波の浸水過程と堆積物の分布様式の関係や堆積物の供給源,地球化学的な津波遡上範囲の推定など,新たな知見も得られている.古津波堆積物の理解には,最近の津波で形成された津波堆積物の研究は不可欠で,災害直後のデータ収集を行い続けなければ,津波リスク評価方法を改善していくことは難しい.今後の災害直後の調査では,情報共有と学会レベルで網羅的かつ組織的な調査を実施することが望ましい.また,将来の巨大津波に備え,工学や防災科学の研究者と連携しながら古津波堆積物研究を推進する必要があると同時に,人の一生を超える災害がイメージできるように,地学の素養を防災教育に取り込んでいくことが重要である.
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  • 小松原 純子
    71 巻 (2012) 2 号 p. 119-127
    公開日: 2012/11/08
    ジャーナル フリー
    これまで地層中の砂質津波堆積物を扱った論文のうち,堆積環境が浅海域および沿岸低地であるものについて,著者らがなにを根拠に津波堆積物であると判断したのかについてまとめた.根拠は大きく分けて(1)砂層の分布範囲が広い,(2)歴史記録と年代が一致する,(3)特徴的な堆積構造がある,(4)地殻変動を伴う,(5)特徴的な構成粒子を伴う,の5つに分けられる.地層中の津波堆積物を識別するには,現世の津波堆積物の観察が重要だが,地層としてそのまま保存されないものもあること,過去と現在の海岸線の条件が違うことに注意が必要である.すべての津波堆積物に適用可能な識別基準はなく,根拠の組合せや堆積場の条件わけが必要となってくると考えられる.
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  • 後藤 和久
    71 巻 (2012) 2 号 p. 129-139
    公開日: 2012/11/08
    ジャーナル フリー
    津波石は,低頻度巨大津波のリスク評価材料の一つとみなすことができる.本稿では,近年めざましく進展した研究の現状を整理し,課題と将来の展望をまとめる.2009年以降の津波石研究の大きな進展は,最近の津波または台風などの高波により運搬された巨礫群の記載事例が増え,その実態が詳しくわかってきたことと,理論的または数値計算による津波石の認定および運搬過程の理解が進み,津波石を用いた水理量推定の試みも始まっていることである.一方で,津波か高波のどちらで打ち上げられたのかが不明な巨礫群の報告も相次いでいるが,両者を識別できる確たる手法はまだなく,多くの巨礫群について議論が続いているのが現状である.津波石は,古文書記録や砂質の津波堆積物などと並び,歴史・先史津波の発生や規模を知る重要な物証であり,日本においてもサンゴ礁地域以外での津波石の認定方法の確立と,津波石を用いたリスク評価法の検討が急務である.
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  • 池原 研
    71 巻 (2012) 2 号 p. 141-147
    公開日: 2012/11/08
    ジャーナル フリー
    2011年東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波では大きな被害が生じた.地震/津波後の海底調査の結果は,三陸沖の広い範囲においてこの地震/津波によるイベント堆積物が形成されたことを示唆した.これらの堆積物の詳細な検討によるイベント堆積物の形成過程の解明は,沖合海域における地震/津波イベント堆積物の認定・識別やこれらを用いた過去の地震/津波の発生時期や間隔の推定に重要である.今後,三陸沖の沿岸から日本海溝底にわたる広範囲での調査研究と,イベント堆積物の時間変化の研究並びに研究結果と数値計算や実験やモデル研究との結合が重要となる.
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ノート
学会報告
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