大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
Print ISSN : 1341-4178
検索
OR
閲覧
検索
51 巻 , 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
あおぞら
研究論文(原著論文)
  • 板橋 秀一, 速水 洋
    51 巻 (2016) 5 号 p. 197-217
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー

    領域化学物質輸送モデルに適用したトレーサー法を用いて、2010年度を対象にわが国の微小粒子状物質(PM2.5)の発生源寄与を評価した。最新の排出量インベントリや文献等から2010年度を対象とした発生源データを構築した。国内の人為起源発生源を種別に10区分、国外の人為起源発生源を領域別に中国、韓国、その他の領域とし、船舶、自然起源の計15区分を発生源寄与評価の対象とした。月別無機イオン成分濃度、季節別PM2.5成分濃度、日別PM2.5濃度の観測データを用い、モデル再現性を統計解析の指標から検証し、発生源寄与評価への適用に十分な再現性を有することを確認した。わが国における発生源寄与評価の結果、年平均の日本全域のPM2.5濃度に対し、国内の寄与が3.60 μg/m3(相対比で33.9%)と最大で、中国の寄与は3.10 μg/m3(同29.2%)であった。国内の寄与の内訳は自動車(同7.4%)、製造業(同7.0%)、家畜(同5.5%)、その他の国内発生源(同5.4%)、肥料施肥(同2.8%)、以下、電気業、機械、業務、廃棄物処理(同1–2%前後)であった。さらに、長期基準と短期基準の達成・非達成局別に発生源寄与を評価し、非達成の要因を地域別に評価した。九州域においては特に短期基準非達成の要因として国外の強い影響が懸念されること、瀬戸内では製造業と船舶、近畿ではこれに加えて自動車の寄与が大きいこと、関東では短期基準非達成の要因には自動車と製造業の寄与が大きいが、長期基準の点からは自動車が重要な発生源であることなどが明らかとされた。

    抄録全体を表示
  • 西川 雅高, 早崎 将光, 森 育子, 大西 薫, 清水 厚, 日下部 正和
    51 巻 (2016) 5 号 p. 218-229
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー

    日本に飛来した黄砂エアロゾルの化学組成には、発生源土壌由来成分と輸送過程で付加した化学成分が反映されている。本研究は、黄砂エアロゾル試料の多成分分析結果を基に、黄砂飛来判定に有用な特徴的成分を明らかにすることを目的とした。その成果は、輸送過程中に黄砂粒子に付加する成分の特定や挙動解析にも役立つはずである。2001年以降、ハイボリュームサンプラーで黄砂現象中に大気粉じんを捕集してきた。黄砂以外の発生源寄与を小さくするために、大気中の粉じん濃度が200 μg/m3/日以上であった典型的黄砂事例 (16事例、以降大黄砂と呼ぶ) を解析対象にした。元素濃度比の考察から、大黄砂に含まれていた15元素 (Al, Ba, Ca, Cr, Fe, K, La, Mg, Mn, Na, Ni, P, Sr, Ti, V) は土壌起源系元素であることがわかった。これらの元素濃度は大気粉じん濃度と明瞭な相関関係 (r>0.7) を示した。特に、Fe、Mn、BaのAl相対濃度比の相対標準偏差は10%以下であり、黄砂発生源に寄らず一定の組成比を示した。それに対し、SO42-、NO3、Zn、Pbの4成分については、成分間の相関係数が0.7以上と大きかったが、粉じん濃度との相関関係は認められなかった。これら4成分が低濃度である黄砂事例は、大略、中国沿岸部上空を通過するときの後方流跡線の最低高度が高い傾向が見られた。

    抄録全体を表示
研究論文(ノート)
  • 吉門 洋
    51 巻 (2016) 5 号 p. 230-237
    公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー

    光化学オキシダント(実質はオゾン)や微小粒子状物質の高濃度状況の改善を目指して、前駆物質である揮発性有機化合物(VOC)の排出規制が2006年度に施行された。施行後10年を経過して、その規制効果の検証が求められており、検証につながる近年のデータ解析やモデルシミュレーションに関する報告をレビューした。さらに本稿では、関東中央部におけるオゾン高濃度事象発生の典型気象パターンとして、早朝に首都圏が静穏で前駆物質が高濃度に蓄積し、それを含む気塊が朝以降に海風に輸送される過程で高濃度オゾンが発生した日をVOC規制までの7年間から抽出した。並行して、VOC規制後の7年間からも同じ気象パターンの日を抽出した。両グループのオゾン濃度の日変化を比較すると、海風の内陸進入が早い日には東京湾岸の濃度上昇が緩和されたが、内陸では変わっていない。一方、海風の内陸進入が遅い日は東京湾岸でも内陸でも顕著な改善はない。今後、VOC削減のような施策の検討に化学輸送モデルを活用するためには、この種のデータ解析結果に照らした気象再現性と汚染濃度レスポンスの検証が望まれる。

    抄録全体を表示
研究論文(技術調査報告)
入門講座
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top