画像電子学会研究会講演予稿
Online ISSN : 2758-9218
Print ISSN : 0285-3957
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 大平 英樹
    セッションID: 24-02-01
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/11/28
    会議録・要旨集 認証あり
    我々の感覚は、視覚や聴覚などの外受容感覚、身体位置や姿勢の感覚である固有感覚、内臓など身体内部の感覚である内受容感覚から成る。我々は、これらの諸感覚を統合的に処理することで、安定した世界像や自己像を形成し、環境に適切に働きかけることで、適応的に生きていくことができる。自覚的な認知は、そのような諸感覚の統合から生じ、また感情はそれらの過程がうまく進行しているか否かのバロメータとして理解することができる。近年、こうした諸感覚を統合する原理として予測的処理の理論が提唱されている。脳は単なる受動的な信号処理を行うのでなく、経験に基づいて世界や自己の内的モデルを形成し、到来する感覚信号を能動的に予測することで適応を図っていると論じられている。ここでは、そのメカニズムを説明し、そこからどのよう認知や感情が創発されるのかを考察する。
  • -迷走神経による内受容感覚が脳に及ぼす影響-
    久我 奈穂子, 佐々木 拓哉
    セッションID: 24-02-02
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/11/28
    会議録・要旨集 認証あり
    脳は,末梢臓器の内受容感覚を常に受容しており,これらの情報を統合することにより身体の恒常性を維持し,脳の機能も変化する.その中でも求心性迷走神経は,内受容感覚の伝達に重要な役割を担う.最近,末梢臓器の内受容感覚が脳機能を変容させるという報告が散見され始めされている.我々はこのように各分野に独立した迷走神経に関する知見の共通原理を見出することを目指している.そのために,齧歯動物を用いた電気生理学的計測・操作法などを確立し,脳に伝達された多次元的な内受容感覚情報が,どのように脳に神経活動パターンを生成し,各臓器の活動を制御するか検証してきた.本発表では,これらに関する多方面の実験データ等を紹介し,今後の展望について議論する.
  • 大平 英樹
    セッションID: 24-02-03
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/11/28
    会議録・要旨集 認証あり
    迷走神経の電気刺激(VNS)は、難治性てんかんやうつ病の治療に効果があることが報告されている。従来の方法は埋め込み型装置による侵襲的なものであったが、迷走神経耳介枝を刺激する非侵襲的な taVNS が開発・実用化されて効果が期待されている。この方法は新しく、その効果はまだ検証されていないが、ここではその原理と、認知・感情・生理的効果について既存の知見を紹介する。
  • ~ 気配を伝える技術 ~
    阪井 祐介
    セッションID: 24-02-04
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/11/28
    会議録・要旨集 認証あり
    距離を超えてリアルに”会う”感覚を生むテレプレゼンスシステム「窓」の技術
  • -実在感への認知神経科学および計算論的アプローチ-
    鈴木 啓介
    セッションID: 24-02-05
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/11/28
    会議録・要旨集 認証あり
    近年の拡張現実(XR)や生成 AI 技術の進歩により、現実と区別がつかない仮想環境や、画像や文章などが溢れかえっている。これらの技術的革新は、私たちの「現実」への認識に新たな視点をもたらし、認識論的な変革を促している。本講演では、まず、深層学習を用いて視覚的幻覚の現象学的特徴をシミュレートする「幻覚機械 (Hallucination Machine)」を紹介する。これは、意識経験の現象的特徴を直接的にモデル化し検証するこの手法は、計算論的現象学という新しい分野を切り開くものである。次に、我々が実際の物体にもつ知覚的実在感が生じるメカニズムを理解するために、仮想物体のもつ感覚運動随伴性が閾下の視覚処理に与える影響を検証した XR 実験について紹介する。急速に発展する XR と生成 AI が可能にする現実感への新しい取り組みは、古くからの哲学的問いである「現実とは何か?」に対して、新たな視点や答えを提供しうる可能性を秘めている。
feedback
Top