2010年4月1日、世界に先駆けて『栄養サポートチーム加算』が新設された。2006年の診療報酬改正に際して認可された『栄養管理実施加算』に引き続いての新設であり、しかもこの『栄養管理実施加算』と連動した上乗せ加算である。これによって、2001年の日本静脈経腸栄養学会・NSTプロジェクト設立以来、10年の歳月と多くの医療人達の絶え間ない努力を経て、望み続けてきた理想の栄養管理体制実現に向けての扉が大きく開き始めた。既にNSTを稼働する施設は1,500を超え、それに伴ってわが国の代謝・栄養学を基盤とする医療体制が構築されていくものと思われる。われわれはこの機会を決して逃さず、NSTの普及がもたらしたわが国独自の栄養療法を確固たるものとすることが大切である。それはわが国だけでなく同じように少子高齢化や癌などの難治性疾患の増加に悩む世界の国々の将来にとっても、多大な恩恵をもたらすものと考えられるからである。
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