静脈経腸栄養
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23 巻 , 1 号
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特集:NSTにおける各職種の専門教育のあり方
  • 竹山 廣光
    2008 年 23 巻 1 号 p. 5-7
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    栄養教育の目的は、患者治療の結果を改善することにより、国民の健康福祉に寄与することである。したがって、教育の医療に携るすべての人が対象者である。残念なことに、臨床栄養教育は大学においてさえ卒然・卒後を通して不十分である。日本静脈経腸栄養学会など学会主導の教育活動は重要な責務を負っている。また、教育は持続的に行われるべきものであり、かつ医学の進歩により変化し時代の要求にこたえなければならない。さまざまな要望に答えるため教育内容を多様化しさらに充実する必要がある。一方、良い教育を行うには優れた教官が必須である。そのために、講師資格を提示し広く募集したいと考えている。さらに、講師育成のためのセミナーを学会として開催することを計画している。
  • 佐々木 雅也, 岩川 裕美, 柏木 厚典, 藤山 佳秀
    2008 年 23 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    日本の医学教育において、臨床栄養に関する教育は重視されてこなかった。近年、医学部教育の中に栄養管理に関する講義が組み込まれている医科大学・大学医学部は増加しているが、欧米と比べると、栄養教育の講義時間数はまだまだ十分とは言えない。しかしながら、医学部附属病院の臨床実習のなかで、ベッドサイドの栄養教育を実践する大学も増えつつあり、多職種から構成されるNSTのスタッフが臨床栄養教育を担当する大学もみられるようになった。講義による医学教育からベッドサイド・ラーニングへの転換である。さらに、研修医・医師への栄養教育においても、各病院のNSTが中心となって様々なプログラムが組まれている。このように、医師への卒前卒後教育における栄養教育にも新しい潮流がみられる。今後は、新臨床研修制度のなかで、医師の栄養教育をいかに発展させていくかが課題である。
  • 杉浦 伸一
    2008 年 23 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    Nutrition support teamが医療環境に定着したことで、栄養療法に興味を持つ薬剤師も急速に増加した。しかし、その一方で、医学的根拠に欠ける研究報告も増加した。この原因は、学部教育において静脈経腸栄養療法に関する基礎教育の必要性を示唆している。薬学部では臨床技能評価に注射薬の調製業務を取り入れたが、患者を想定していない。日本静脈経腸栄養学会でも「NST専門療法士スキルアップセミナー」を開催し、各職種の特異性を発揮させるための検討が開始された。薬剤師の職能教育の観点からは、栄養療法は、therapeutic drug monitoring(TDM)の一環と考えられる。何故ならば、投与成分のすべてを生化学検査でモニターできるからである。従って、薬剤師の専門教育はTDMとして栄養療法を化学的に評価する能力に焦点を当てるべきである。
  • 富田 真佐子, 山田 繁代, 矢吹 浩子, 伊藤 美智子, 野田 さおり, 伊東 七奈子
    2008 年 23 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
  • 寺本 房子
    2008 年 23 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    管理栄養士は健康の保持増進、傷病者への適切な栄養教育や栄養補給を行うものとされている。これを受け、平成14年よりスタートした管理栄養士養成は、人間栄養学(human nutrition)をベースにしてカリキュラムが構築され、チーム医療の重要性や他職種とのコミュニケーション能力、栄養給食関連サービスのマネージメント能力、健康の保持増進・疾病予防のための栄養指導を行う能力を養うこと等を目指している。医学や栄養学の基礎を重視し、ベッドサイド活動で必要となる栄養評価や栄養指導、フードサービスなど臨床での実践活動に必要な項目の学内実習が強化された。一方、ベッドサイドでの研修はアメリカでは6~12ヶ月行われているが、我が国では1~2週間である。NSTで活躍できる管理栄養士養成教育については、今後も種々の角度から検討が必要と考える。
  • 坂本 芳美
    2008 年 23 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    検査技師教育では、臨床検査は診断のための検査として、より迅速に、より精確に報告することが目的のごとくされてきた。
    そして、臨床現場では検査室からの報告値が絶対的な値として利用されている。
    しかし、報告値は必ずしも患者の病態を反映しているものばかりではない。生理的変動などの要因のほか、測定値は必ず一定の不確かさを伴っているため、今回値と前回値の変動が評価にたる値であるかどうかを検証することはNSTの一員である検査技師がしなければならない。今までの分析中心の検査だけでなく、報告値の解析も検査技師に必要である。
    また、“検査は診断のためにある”という基本的概念から基準範囲にこだわりやすく、栄養評価で“良くなる”=“基準範囲に入る”と解釈しがちである。しかし、臨床現場では今回値が前回値より基準範囲に近づくことで“良くなった”という解釈に切り替える必要がある。
    このような解釈は、患者に直接触れ合う環境でなければ教育できない。NSTにおける検査技師教育で求められていることは、検査結果の臨床適応に対する判断能力を身につけることである。
原著
  • 吉田 貞夫, 嶺井 強成, 竹之内 良美, 涌波 淳子
    2008 年 23 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    【目的】半固形栄養が普及しつつあるが、その適応や方法、効果や安全性の評価が待たれる。
    【対象及び方法】当院で半固形栄養を用いた72例で、誤嚥性肺炎や下痢などの改善率、合併症とその発症率を検討した。
    【結果】誤嚥性肺炎防止のため使用した50例で、60%(30例)が改善、繰り返す誤嚥性肺炎の既往が認められた重症例42例でも、62%(26例)が改善した。液体栄養を併用し、6000~8000cPまで粘度を下げても、改善率は64%(18/28例)で、併用しない群の改善率55%(12/22例)と比較し有意差は認めなかった。難治性下痢では、80%(12/15例)に水様性下痢の改善が認められた。胃瘻からの胃液漏れでは、57%(4/7例)に胃液漏れの減少が認められた。
    【結論】半固形栄養を、患者の病態に合わせ使用することによって、肺炎などの重大な合併症を軽減し、患者のQOLを改善し、ケアを効率化できる可能性がある。
  • 長谷川 忍, 田村 奈美, 中村 潤一郎, 小薬 祐子, 吉田 保子, 北村 信隆, 稲泉 あかね, 安孫子 美智子
    2008 年 23 巻 1 号 p. 51-58
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    【目的】低栄養患者に対する看護において、現状の栄養管理への介入行動は不十分であると思われる。そこで、現在の栄養管理に関する看護師の意識と実際の介入行動を分析することで、いかにすれば十分な介入行動がなされ得るかを明らかにするため本研究を行った。
    【対象及び方法】病棟勤務の看護師361人に対して、栄養管理に関する意識とその介入行動を問うアンケート調査を行い、83%の回答率を得た。調査結果について、カイ2乗検定、多重ロジスティック解析を行った。
    【結果】低栄養患者に対する看護師の意識について、看護介入の必要性に対する意識の違い(高低)及び知識不足に対する意識の違い(高低)は実際の介入行動(の高低)に影響しうることが示唆された。一方、年齢や経験年数の相違による意識と介入行動のパターンには差がないことが明らかとなった。多重ロジスティック回帰分析では、介入行動に有意に影響を与える因子として、看護介入の必要性について意識が高いこと及び栄養管理について医師と十分に連携が取れているという意識が高いことがあげられた。
    【結論】低栄養患者に対して看護師が十分に介入行動するには、栄養管理に関して医師と十分に連携を取ることが重要であると考えられた。
施設近況報告
  • 瀧川 洋史, 佐々木 富貴子, 永井 美保, 大井 康志, 石田 世紀子, 五明 良仁
    2008 年 23 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/05
    ジャーナル フリー
    浜田医療センターでは、2005年3月から全科型NSTを稼動した。PPM-Iに加え、各病棟でNST担当医/NST担当看護師によるNST担当チームによる活動を展開し、病院全体でのNSTに加え、病棟単位でのきめ細かい対応を行っている。NST活動のアウトカムを評価するためにNST稼動前後に当院で実施されたPEGの126症例を対象として、PEG実施後の合併症発症率、PEG実施前の栄養管理について抽出し比較検討した。PEG実施後2週間以内の合併症発症率は63.5%から41.3%へ減少した。また、経腸栄養の開始時期が入院後35.5日から24.6日へと有意に短縮され、PEG実施前に経腸栄養を併用した症例が44.5%から54.0%へ増加傾向を示し、経腸栄養が積極的に実施されるようになった。NST稼動によってPEG症例に対するシステムの見直しを行い、より良い医療効果がもたらされ、当院のNSTシステムが有用である可能性が示唆された。
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