【目的】身体計測が血清ビタミン濃度を反映しうるかについて検討した。
【対象及び方法】消化器外科手術患者20 名の術前と手術侵襲からの回復期に各身体計測及び8 種類の血清ビタミン濃度を測定し、両者の関連について検討した。
【結果】身体計測は回復期で全て有意に減少した。回復期で有意に低下した血清ビタミンはビタミンA及びB
2、フラビンアデニンジヌクレオチド、ニコチン酸であり、ビタミンB
12と葉酸は増加した。身体計測値と血清ビタミン値間には有意の正相関を認め、とくにクレアチニン身長係数 (CHI) と上腕三頭筋部皮下脂肪厚 (TSF) はビタミンB
2、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチドと強い相関を示した。血清ビタミンB
2が基準範囲下限値以上であると推定しうる身体計測値は、CHIは約77~84%以上、TSFは約12~13mm以上であった。
【結論】身体計測値のうちCHIとTSFはビタミンB
2、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチドの血清値を反映する指標になりうる可能性が示唆された。
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