エノキタケのセルロース培養系から精製した糖質加水分解酵素ファミリー7に属する2種のセロビオヒドロラーゼ(
FvCel7A,
FvCel7B)について特性解析を行った。
p-ニトロフェニル-β-
D-ラクトシドを基質として両酵素の反応速度パラメータ(
kcat/
Km)を比較したところ,
FvCel7B(0.15 s
-1・mM
-1)が
FvCel7A(0.069s
-1・mM
-1)の約2倍の反応速度を示した。しかしながら,非晶性セルロースの分解活性は
FvCel7Aの方が
FvCel7Bよりも高かったことから,不溶性セルロースへの親和性は
FvCel7Aの方が高いことが示唆されたが,両酵素とも結晶性セルロースをほとんど分解しなかった。
FvCel7Aは糖質結合性モジュールファミリー1に属するセルロース結合性ドメインを有しているが,結晶性セルロースよりもキチンに対する吸着能が高かったことから,結晶性セルロースを基質として利用できないことが考えられた。
抄録全体を表示