本報では前報に引き続き,ギンザケ養殖が周辺の環境に及ぼす影響を調べるために,流れ場・生態系結合モデルに養殖施設の抵抗とギンザケ養殖負荷モデルを組み込んで養殖場周辺の海水流況の数値シミュレーションを実施するとともに,残餌と糞の拡散と沈降特性を調べた.その結果,養殖生簀は周辺海域の流れに影響を及ぼすことが確認された.生簀直下の残餌と糞の負荷が最も多かった.また,残餌と糞の周辺海域への拡散の範囲とこれらの濃度も把握できた.さらに,生簀直下での残餌と糞の堆積量と水深,流速との関係が得られた.今後は, 底質環境評価ために底生系モデルの再現性を向上する必要がある.
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