日本画像学会誌
Online ISSN : 1880-4675
Print ISSN : 1344-4425
ISSN-L : 1344-4425
38 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
論文
  • 井出 収, 栗本 雅之
    1999 年38 巻3 号 p. 150-158
    発行日: 1999年
    公開日: 2006/06/16
    ジャーナル フリー
    面積変調画像の理想型であるMurray-Daviesの関係からのずれを記述するドットゲインを, 電子写真をふくめた種々のハードコピーの間で比較するために, ドットゲインを定義しなおした. ドットゲインのメカニズムをふまえると, 光学的または物理的なドット形状の観点から, ドットゲインを「ドット厚みの薄層化を伴ったドット面積率の増大現象」と定義できる. ここで, ドット厚みの基準はソリッド部の色材層厚みである. この定義に基づくと, 直接的にドット断面形状を観察する方法および測色的な方法でドットゲイン量を半定量的に知ることができる. 断面の観察でえられたドット部の色材厚み分布は, 測色的な解析でみつもられたドットゲイン量と定性的にはよく一致した.
  • 増田 勝彦, 面谷 信, 高橋 恭介
    1999 年38 巻3 号 p. 159-165
    発行日: 1999年
    公開日: 2006/06/16
    ジャーナル フリー
    現状技術のディスプレイ上では, ソフトコピーのままで長文を“読むこと”, “考えること”には一般に心理的な抵抗感が存在する. 本研究では, 思考作業効率の観点から見たハードコピーとソフトコピーの比較をLCD, および用紙上に提示された簡単な計算課題に対する計算速度と正解率を, 複数の被験者を用いて測定することによって行った. これらの比較実験では, ハードコピー・ソフトコピーの両方をそれぞれ水平と垂直に配置して作業を行ってもらった. 実験の結果, 垂直状態と水平状態の比較ではハードコピー上作業・ソフトコピー上作業ともに, 水平状態での作業効率が良いことが示された. また, 水平状態作業においてはハードコピー上作業はソフトコピー上作業よりも作業効率が高かった. 本検討の結果は, ハードコピーとソフトコピーの比較において, 媒体の差に加えて水平―垂直の作業状態の差が大きく影響し得ることを示している.
  • 高谷 敏彦, 岩松 正, 東 伸之
    1999 年38 巻3 号 p. 166-174
    発行日: 1999年
    公開日: 2006/06/16
    ジャーナル フリー
    非磁性1成分現像方式は簡素な構造を持ち, パーソナルクラスのLBPに搭載され, 現在では本格的なオフィス用途の中速機やカラー用の現像システムとして発展してきている.
    このような製品への応用拡大に伴って, 非磁性1成分現像方式の基礎的な現像特性について検討が行われている. 例えば, 弾性現像ローラを用いた現像方式の現像ローラ電気抵抗依存性についての検討や, ドクターブレード方式によるトナー薄層形成メカニズム, ドクターブレードへのトナー融着現象の解析, 高抵抗現像ローラを用いたときの現像ローラ表面の電位変動やトナー帯電量の影響によるゴーストメカニズムの検討などである.
    しかしながら, 非磁性1成分現像方式の基礎的なメカニズムの解明は進んだものの, より一層の高画質プリント技術として確立するための検討は, 十分ではなかった.
    その中で, ハーフトーン画像の濃度均一性に対する能力は, 接触型非磁性1成分現像方式では重要な課題である. 我々は, 現像ローラ上トナー層のトナー粒径差による現像特性への影響について実験検討し, ゴーストが, ハーフトーン画像の濃度差として, 基礎現像方程式で説明できることを示した.
解説
Imaging Today
『顔料の分散』
feedback
Top