日本画像学会誌
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47 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
原著論文
  • 播田 貴広, 新妻 清三郎
    2008 年 47 巻 2 号 p. 76-82
    発行日: 2008/04/10
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    曲率は物体の特徴に関する情報を持っている.曲率から輪郭の特徴を特定できれば画像内の特定物体を抽出することができる.また曲率自体を精度よく検出することで物体照合などにも応用できる.これらは画像内の物体認識において必要であり,両方同時に検出することは重要な要素技術となる.本論文ではエッジセグメントごとの曲率を求めることで局所的な形状や特徴を検出すると共に,精度の高い曲率も検出可能な曲率検出法を提案する.入力画像に対してLaplacian and Gaussian(∇2G)filterを適用しエッジセグメント検出を行う.求めたエッジセグメントから正と負の∇2G値のピークを探索することで容易にエッジセグメント単位での輪郭形状を決定することができる.また,同時にピーク探索距離から精度のよい曲率が検出可能となる.実験では本手法を実画像に適用してその有用性を示す.
  • 藤本 慎也, 前田 博己, 鶴岡 美秋, 中山 健一, 横山 正明
    2008 年 47 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2008/04/10
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    メタルベース有機トランジスタ(MBOT)は縦型トランジスタの一種であり,単純な積層構造であるにも関わらず,一般的な横型有機トランジスタと比較して,低電圧で大電流を変調することができる.本稿では,従来のMBOTで課題であったOn/Off比の改善手法と,これまで明らかにされていなかった周波数応答特性の測定結果とについて報告する.アルミニウムベース電極作製後に加熱処理を行うことで,Off電流が3桁程度減少し,On/Off比は105以上に向上した.また,周波数特性はベース—エミッタ間の容量成分によって支配されており,作製素子の実測値から,遮断周波数は200kHzと見積もられ,一般的な横型有機トランジスタと比較して,高速で動作することが明らかになった.遮断周波数を見積もる素子電流を用いた考察から,今後の改良によって,MHzオーダーで動作する可能性が示された.
Imaging Today
  • 中居 仁司
    2008 年 47 巻 2 号 p. 90-96
    発行日: 2008/04/10
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    ブラザー工業(株)では主力モノクロレーザープリンター機種群に非磁性1成分トナーを用いたクリーナレスシステムを採用している.転写残トナーを現像器で回収する本方式は,転写工程下流部分のスペースが削減でき,感光体周りの小型化に有効である.当社のレーザープリンターHL2040は,本方式の採用に加え,感光体周りの部品類全体の小型化により装置全体の小型化・薄型化を図った.一方,本システムの実現には,転写効率の環境安定化や紙粉の感光体表面への付着による印刷汚れ問題の解決なども必要とした.本稿ではこれらの工夫点を含めた感光体周辺の小型化技術について言及する.
  • 太田 光弘
    2008 年 47 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 2008/04/10
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    これまで,POD市場には,電子写真方式の強みを生かし,様々なプリントシステムが提供されている.しかしながら,電子写真とオフセット印刷では,材料と画像形成プロセスが異なるため,画像品質を同一にすることは困難であった.本稿では,電子写真とオフセット印刷の間で,顕著な差があった画像性,安定性,生産性,メデイア対応にスポットを当てて,imagePRESS C7000VPの対応技術を紹介する.
    なお本imagePRESS C7000VPは,第50回2007年十大新製品賞の増田賞を受賞した.(日刊工業新聞)
  • 三矢 輝章, 望月 健至
    2008 年 47 巻 2 号 p. 104-109
    発行日: 2008/04/10
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    連続紙用超高速モノクロレーザープリンターは.官公庁や会社などにおいて帳票の印刷などの基幹系業務に用いられ,大量の印刷ジョブの出力を行い,ピーク業務への対応力を備える.印刷の生産性が重視され,印刷速度,耐久性,信頼性が求められる.
    本報告では,連続紙用超高速モノクロレーザープリンターを概説し,作像プロセスの要素のうち,特にプロセス全体の技術的コンセプトに大きく影響を与えるのが,光学系,現像系,定着系と考えられるので,これらの3つの要素について,高生産性,高耐久性,高信頼性を実現する技術について説明する.光学系では,高速,広幅下におけるマルチビーム走査技術,現像系では,画質と耐久性を両立させる現像システムと現像剤の循環との整合,定着系では高速印刷において短時間に大量の定着エネルギーを投下する技術と連続紙の蛇行矯正技術について紹介する.
  • 矢追 真一, 戸野本 好弘
    2008 年 47 巻 2 号 p. 110-116
    発行日: 2008/04/10
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    近年,電子写真プリンタの高速化,カラー化技術が急速に進み,新聞やService Bureauに代表される高速,大量印刷分野への展開がすすんでいる.これらの市場は膨大な印刷ボリュームを有し,非常に魅力ある市場である.
    我々はこの市場に応えるゼログラフィーフラッシュ定着方式世界最高速フルカラープリンタ『Fuji Xerox 490/980 Color Continuous Feed Printing Systems』(以下490/980CCFと呼ぶ)を開発した.本稿では,490/980CCFの概要や主要採用技術について以下に紹介する.
  • 池上 孝彰, 島田 知幸, 納所 伸二, 戸田 直博
    2008 年 47 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 2008/04/10
    公開日: 2008/04/16
    ジャーナル フリー
    電子写真方式におけるOPC感光体の長寿命化に対する要求は高まる一方であり,活発な研究開発が行われている.この取り組みの中でも,特にOPC感光体の高安定な帯電性や潜像再現性は大きな課題である.我々はこれらの課題に対して,OPC感光体の層構成及びシステム設計の最適化,耐摩耗性粒子を含有した表面保護層(FRL)や酸掃去(Acid Scavenge)機能を有する新しいホール輸送材料(ASドナー)などを提案・実用化して展開している.本報告では,リコーにおけるOPC感光体の長寿命化技術について紹介する.
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