感光体の輸送層を電荷が移動する時, ドリフト移動度 (μ) に加えて拡散定数 (
D) を考慮し, OPC感光体の構造に起因する潜像劣化の程度を計算から見積もった. その結果, 1000dpi相当の高密度画像においては, 拡散を考慮しなくても輸送層の膜厚が厚くなると潜像劣化が大きくなること, また
D/μが10Vを越えると潜像劣化に対して拡散の効果が無視し得なくなることが分かった. またBässlerモデルに従ったホッピングのモンテカルロシミュレーションを行い,
D/μはエネルギー的ディスオーダと空間的ディスオーダに依存し, それぞれの大きさを表わすパラメータσとΣが大きくなると
D/μが増大するという結果を得た. 感光体材料のディスオーダーパラメータが, 電荷拡散の潜像劣化への影響を考慮する上で重要な意味を持つと考えられる.
抄録全体を表示