日本画像学会誌
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46 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著論文
  • 小鍛冶 徳雄
    2007 年 46 巻 3 号 p. 172-177
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/13
    ジャーナル フリー
    磁気プリンタの黒画像領域と白画像領域において磁性トナーに働く磁気力について,有限要素法による電磁界シミュレータと近似式とを用いた計算シミュレーションと拡大モデルによる実験シミュレーションを行った.記録媒体の磁化反転部の真上にトナーが載り,他のトナーがその脇に並ぶというトナー配列モデルを用いた.1ドットの黒画像に対して記録媒体に1/2ドット幅の磁化反転間隔の磁気潜像を設定し,1ドットの白画像に対して記録媒体に3/2ドット幅の磁化反転間隔の磁気潜像を設定した.黒領域では記録媒体の磁化反転部においてトナーが記録媒体に強く引かれて黒画像が白領域内に広がること,および隣り合うトナー同士でブリッジを形成すること,白領域では白領域内のトナーの一部が黒画像に加わることにより狭められること,および隣り合うトナー同士でブリッジを形成できないこと,その結果,記録紙の上では黒白おおむね1対1のサイズ比の画像が形成されることがわかった.
  • 前田 昌孝, 西脇 健次郎, 前川 克廣, 竹内 学
    2007 年 46 巻 3 号 p. 178-183
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/13
    ジャーナル フリー
    電子写真の静電転写プロセスにおいて,ニップ中のトナー層内の放電が転写効率に及ぼす影響を簡易に見積もる計算モデルを提案した.本モデルは,感光体,トナー層,転写媒体とその間の空隙による層構造を1次元で扱い,電荷によって空隙に形成される電界をPaschenの法則による放電電界と比べて放電電荷を移動させるもので,放電後のトナーの電荷に加わる静電気力で転写効率を見積もる.このモデルによって単層転写において過度な転写バイアス電荷による放電が転写効率を低下させる現象,転写後にトナー帯電量が増加する現象,カラー画像プリントの際の多層転写における既転写トナー帯電量が転写効率に与える影響を表現できることを確認した.また,実測定の困難なトナー層内の放電の程度を見積もることができた.これらの結果から,本モデルが静電転写プロセス時のトナー帯電量,トナー間空隙,転写バイアス電荷をパラメーターにしたトナー層内の放電,転写効率の予測に有効であることを示した.
Imaging Today
  • 山本 毅
    2007 年 46 巻 3 号 p. 185-191
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/13
    ジャーナル フリー
    With aim of preventing damage to human health caused by environmental pollution from chemical substances, Notification Systems of New Chemical Substances have been implemented in nine countries.
    Manufacturers or importers are required to notify new chemical substances in advance of the manufacture and the import provided that the new chemical substances are not listed in the existingchemical substances Inventory.
    As notification systems in major nations, the following regulations are outlined with points to note for researchers in business corporations in this article:
    Japan;The Chemical Substances Control Law (Law concerning the evaluation of chemical substances and regulation of their manufacture, etc.) and Industrial Safety and Health Law Article 57-3 (Investigation of Toxicity of Chemical Substances)
    China;Provisions on the Environmental Administration of New Chemical Substances
    EU;the REACH (Registration, Evaluation and Authorisation of Chemicals) Regulation
  • 佐藤 浩
    2007 年 46 巻 3 号 p. 192-198
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/13
    ジャーナル フリー
    日本の環境規制は,環境法と呼ばれる法律としての規制とエコラベルなどの自主規制に大別される.環境法は環境基本法を頂点としたアンブレラ構造の法体系を持ち,一般的仕組みと個別物品の特性に応じた規制に分けられる.エコラベルは,その表示の方式により3つのタイプに分けられ,それぞれISOにより規定されている.
    本稿では,日本の環境法律体系とエコラベルの体系を解説し,それぞれについての最新事例としてグリーン購入法とエコマークを紹介する.
  • 岩永 竜一, 藤澤 京子, 松本 明子
    2007 年 46 巻 3 号 p. 199-206
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/13
    ジャーナル フリー
    欧州において,コンピューターや携帯電話の普及に伴い,大量の電気電子機器が廃棄されるようになった.その対策の一環として,有害物の含有を削減することで廃電気電子機器の環境上健全な再生と処理の推進を図ることを目的にRoHS指令が制定された.また,消費者のグリーン購入,企業や公共機関のグリーン調達の拡大を背景に,世界各国でエコラベルが重要となってきている.
    ここでは,EU RoHS指令とその拡大,欧州のエコラベルについて概要をまとめた.
  • 美才治 隆, 安田 恵三, 荒井 智昭, 鈴木 健太郎, 赤谷 桂一, 長谷川 匡
    2007 年 46 巻 3 号 p. 207-215
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/06/13
    ジャーナル フリー
    本稿にて「製品における環境配慮技術の実際」に関する,
    ・定着システムの省エネ技術
    ・コメットサークルをコンセプトとした循環型社会に向けての再利用,再使用技術の解説を,リコーでの実例を用いて述べる.その概要は以下の通りである.
    1) 「IEA-DSM Program」対応から開発されたQSU技術は,キャパシタ技術との融合によるHYBRID QSU技術を経て,IH加熱を導入したカラーQSU技術へ発展している.
    2) コメットサークルは,循環型社会を実現する姿を現したもので,品質工学,可視化,品質予測による循環技術開発により「複写機製品」,「製品梱包」,「サプライ製品」にて具現化されている.
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