日本画像学会誌
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50 巻, 1 号
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原著論文
  • 橋本 崇, 安藤 俊幸
    2011 年50 巻1 号 p. 3-8
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    タンデム型プリンタの特に厚紙通紙時に,一次転写部で発生する局所的なドット位置誤差が問題となっている.本研究では,局所的なドット位置誤差が発生するメカニズムを有限要素法 (FEM) 解析により明らかにした.まず始めに,転写ベルト駆動システムの振動特性を実験的に明らかにした.続いて,ベルト,用紙,ローラの挙動,変形を振動特性に基づいたFEM解析によって算出した.最後に,計算により算出されたベルト速度変動が,実験値との比較により妥当であることを確認した.
    計算による解析の結果,厚紙先端が二次転写ニップ領域に進入する時の衝撃によるベルトテンションや駆動軸トルクの変動が,一次転写部のベルト速度変動による局所的なドット位置誤差を発生させると考えられる.以前から,鉄鋼の圧延システムと同様にベルト駆動システムにおいては,その衝突によって駆動軸におけるトルク変動が発生することは知られていた.しかし,今回の結果から,用紙とベルト間の接触力に起因するベルトテンションの変動も発生要因と考えられる.計算によって,ジターによる画質劣化レベルが予測可能であることを明らかにした.
  • 飯村 貴司, 阿部 修実, 小口 寿彦
    2011 年50 巻1 号 p. 9-15
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    コアセルベーション法を用いて,約9.5μmの大きさを持ち正帯電性を示すPolymethyl-Methacrylate (PMMA) 粒子上に超薄シェル層を形成したCore-Shell (C-S) 粒子を作製した.シングルシェルおよびダブルシェル粒子作製におけるコアセルベーション工程では負帯電もしくは正帯電性を示す超微粒子の水分散体を用いた.得られたC-S粒子の表面状態と帯電特性を調べた.シングルシェル粒子の帯電特性は5000ppm以下の少量で制御可能であった.ダブルシェル粒子はシングルシェル粒子上にコアセルベーション法を用いる事で作製できた.正帯電性の外側シェル層が内側の負帯電性を打ち消すために要する量は1000ppmであった.安定な正帯電量に達するために必要な外側シェル層の量は5000ppmであり,厚みは10nmという超薄層に相当する.これらの結果はC-S粒子の帯電特性を内側シェルあるいはコアの帯電性から独立して制御することが可能である事を強く示唆している.
Imaging Today
  • 山本 勉
    2011 年50 巻1 号 p. 17-20
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    A4 Desk TopおよびA4 Small Work Groupセグメントにおいて,コンパクト,エコロジー,低価格をコンセプトとして開発した,A4カラーLEDプリンタC300/C500シリーズを紹介する.
  • 森 浩隆
    2011 年50 巻1 号 p. 21-28
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    Color 1000 Press,Color 800 Press (以下Color Pressと記述) は,100頁/分・80頁/分の印刷スピードをもつ高速カラーパブリッシングシステムである.EA-ECOトナーの採用により画像表面の盛り上がりを抑制するとともに色域再現領域を拡大,感光体・中間転写ベルト・定着器の全ての技術を新規に開発することで,更なる高画質化と共に高い信頼性と耐久性を実現,かねてから定評のある2400dpiの高解像度処理とIRECT処理・用紙制御技術の組み合わせにより印刷に迫る画質と高い見当精度を実現した.また新たに用紙冷却装置を搭載,YMCKに加え5色目にクリアトナーを追加,給紙装置・出力装置の豊富なラインアップ,Quad CPUを採用した高速多機能コントローラーの提供により,お客様の業務の稼動率向上,トータル生産性向上による作業時間短縮,フォト・トランスプロモ・マーケティングコラテラル1)・パッケージなどへのアプリケーションの拡大によるビジネス拡張を可能とした.
  • Ralph DORFNER, Jean-Philippe HULIN, Ralf KINDER, Alexander KREITER, Ro ...
    2011 年50 巻1 号 p. 29-35
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    The design of an electrophotographic printing system (ColorStream® 10000 Flex) that has been developed for color and efficient b/w production printing is described. To fulfill all requirements a multipass concept was chosen, resulting in optimum usage of key components and in productivity dependence on print mode (1/1 to 5/5). As well as b/w or process color printing, the mixable toner design allows specific customized color and, for example, a 2/2 color operation. The platform incorporates various key components which were specifically developed and are described below. The embedding of technology components in a powerful and flexible workflow and control system enables use in a wide spread of applications.
  • Michael H. Lee, Omer Gila, Boaz Tagansky
    2011 年50 巻1 号 p. 36-41
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    The HP Indigo 7000 Digital Press incorporates many innovative breakthroughs in its liquid electrophotographic engine and other sub-systems to enable it to reach a 2.15m/s process speed, 76% higher than that of the previous generation Indigo presses. Significant changes include the use of a charge roller in place of scorotrons to charge the photoconductor and an external blanket heating system to prepare the marking ink for transfer to paper. Other improvements, such as a higher-throughput writing head and more precise and capable mechanical assemblies, also play large roles in enabling the increased performance. In this paper we discuss the general advances in the HP Indigo 7000 and some of its new subsystems in much more detail. These together enable the press to greatly increase productivity without compromise to the Indigo “offset look and feel” quality.
  • 安川 裕之
    2011 年50 巻1 号 p. 42-47
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    デジタルトナーHD (DT-HD) を発売してから4年が経ち,RGBワークフローの広まりに伴い,お客様から印刷時に,作業モニターであるディスプレイの色を忠実に再現したいというご要望を頂くようになった.しかしながら,ディスプレイの色域は印刷の標準の色域とは大きく異なっており,ディスプレイの色域を忠実に再現するためには,カラー色材の色相角の変更と,彩度の向上が必要である.我々は,これらの実現を目指して,コニカミノルタが保有するカラー色材技術を応用し,分子設計を基に,上記特性を向上させた銅キレート型のマゼンタ色材,フタロシアニン型のシアン色材を開発,さらにその色材をトナーに組み込み,bizhub PRO C65hc用トナーとして上市することができた.その結果,従来再現が難しかった作業モニター上の鮮やかで透明感ある色合いを,今まで以上に紙面に忠実に再現することが可能となった.ここでは,bizhub PRO C65hc用トナーの特性と開発した技術を解説する.
  • 藤森 浩一, 遠藤 文誉, 三上 亨, 清水 圭一, 吉田 寿夫, 沓間 隆秀
    2011 年50 巻1 号 p. 48-56
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    本稿にて「環境に対する取組みと環境配慮型製品について」に関する,
    ・環境負荷削減や循環型社会の実現に対するリコーの取組み (環境経営)
    ・コメットサークルをコンセプトとした環境対応型製品と,再利用,再使用設計・技術の解説を,リコーでの実例を用いて述べる.その概要は以下の通りである.
    1)リコーが目指す環境負荷削減の方向性
    2)環境配慮型製品<imagio MP C2500RC/MP C3500RC (再生機) >について
    3)再生機におけるリユース設計・技術について
  • 有好 智, 前澤 宜宏, 松本 香鶴, 芝井 康博
    2011 年50 巻1 号 p. 57-61
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    近年,様々な分野において,地球環境に配慮した取り組みがなされ,複写機,プリンターの分野においても,省エネルギー対策や複写機へのバイオマス樹脂の採用など,地球環境に配慮した取り組みが進められている.各社が開発を進める中で,シャープは2010年6月に非穀物系植物由来樹脂を25wt%以上含み,業界初のBPマーク (バイオマスプラマーク) を取得したMycrosトナーEPTMを搭載した複合機を発売した.本稿では,モノクロデジタル複合機MX-M623/M753,MycrosトナーEPTMについて解説する.
  • 小宮 義行
    2011 年50 巻1 号 p. 62-68
    発行日: 2011/02/10
    公開日: 2011/02/13
    ジャーナル フリー
    キヤノンが2010年に発売したimageRUNNER ADVANCE C2030は,オフィスユースのローエンドゾーンをターゲットとして,先行機種であるimageRUNNER ADVANCE C5051/C7065と同じpQトナーを採用することで高画質を維持しながら省スペースと低価格,使いやすさを第一に考え,モノクロ複合機に匹敵するコンパクトなカラー複合機をコンセプトに開発された.このコンセプトを実現するために,高画質pQトナーに最適化した新クリーナーレスシステム構成と,最小スペースを実現する最適配置であるトナーを下方からくみ上げて補給する上方定量搬送方式を選択した.これらの技術によりコンセプト通りのコンパクトなカラー複合機を市場に提供することが出来た.
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