農業情報研究
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14 巻, 4 号
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原著論文
  • 法隆 大輔, 南石 晃明, 二宮 正士
    2005 年 14 巻 4 号 p. 247-259
    発行日: 2005年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    農業技術体系のデータは作成した組織,担当者,対象の作物によってそれぞれ記載項目や記載内容が異なり,利用上の障害ともなっている.このように記載項目や記載内容が互いに異なる農業技術体系のデータを共通に利用する基盤として,これらのデータをXML形式で記述することを試みた.具体的には,岩手県が発行した冊子体の農業技術体系に記載されている135個の表を試験的にXML形式で記述した.これらのファイルを読み込むアプリケーションの試作を行い,既存のリレーショナルデータベース(RDB)を用いたシステムと比較した.アプリケーションの試作の過程から,XML形式のデータを利用した場合でも,既存のRDBシステムと同様の機能を実現でき,農業技術体系データを利用する上での基盤となり得ることを確認した.また,ネイティブXMLデータベースを利用することにより,XML形式で記述した農業技術体系データに対して,簡単に検索などの操作を行えることを確認した.XML形式データの利用により,必ずしもRDBに格納することが適さなかった冊子体の農業技術体系全体の内容を,柔軟かつ拡張性のある方式でデータ管理できることが明らかになった.
  • 叶 旭君, 酒井 憲司, 浅田 真一, 秋田 鉄也, 笹尾 彰
    2005 年 14 巻 4 号 p. 261-272
    発行日: 2005年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    本研究では温州ミカン隔年結果現象の予測に資するため、航空ハイパースペクトルイメージングによる収量推定手法を検討した。2003年4月、5月および6月に神奈川試験場において実験果樹園のAISA航空ハイパースペクトルイメージを取得した。本研究の目的は、収量推定のために,適切な撮影時期と主要波長領域に関する知見を得ることである。相関係数分析(CCA)、主成分分析(PCA)および部分最小二乗回帰(PLS)を用いて、得られた成分を入力として、重線形回帰およびニューラル・ネットワーク・アルゴリズムによって、収量をモデル化した。その結果、PLS法が最有効であった。ニューラル・ネットワークモデルの安定性について、統計的手法によってこれを検定した。また、撮影時期は5月が最も効果的であった。
  • 櫻本 直美
    2005 年 14 巻 4 号 p. 273-286
    発行日: 2005年
    公開日: 2013/03/31
    ジャーナル フリー
    ポケット簿記システムは,Windows95以降,MacOS8.6以降,Linux(x86ベース)上で動作する,利用対象を小規模農家とした会計システムであり,複式簿記記帳の普及およびその記帳結果を生かした経営管理の普及を目的としている.本システムは次のような特徴を持つ.第一に,小規模農家の特性を考慮したインターフェイスや機能を備え,特に農家において利用しやすい操作性を実現している.第二に,システムおよびデータを簡易に持ち運ぶことができるため,普及指導機関などで経営管理の指導を受ける際に便利である.また,システム自体に経営分析の機能を持ち,さらにデータの互換性が高く,再利用が容易であり,経営の管理・分析の手間を軽減できる.第三にインターネットを利用した普及や運用保守に適しているため,利用者の要求定義をフィードバックしたシステムへ改良を重ねることが可能である.また,本システムは将来的に農業技術体系DBや他の経営支援システムと連携できるよう設計されており,簿記のデータのみでは不可能だった詳細な経営分析および経営計画システムにつながるよう開発されている.以上のことから,本システムの利用により,農家段階においても,正規の簿記が普及し,発展的な経営管理が普及すると考える.
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